2012年7月10日火曜日

順調に販路拡大 ノザワの山部産ミネラル肥料

 株式会社ノザワ(野澤俊也取締役社長、本社・神戸市)は、フラノ事業所(二川(ふたがわ)俊哉所長)=富良野市山部市街=でかつて建材の原料として使っていた蛇紋岩(温石綿精製鉱さい)からミネラル肥料の精製を東京農業大学と共同開発し、平成22年度から地元富良野圏域をはじめ、道内、全国で販売を展開している。3日、野澤社長(49)や二川所長ら3人が能登芳昭市長を表敬訪問し、これまでの販売実績や野菜への使用のみでなく、観葉植物にも顕著な効果が表われ、注目を集めているなどと報告し、さらに量産体制に向けたフラノ事業所の増設を行う計画を説明した。
 同社は長年にわたり建材開発にかかる無機材料の改質技術を応用し、農作物の病虫害に対する耐性を高め、光合成の増進や養分吸収を促進させて、美味しさと品質をより向上させる農業用肥料の開発研究を東京農業大学と共同で行ってきた。
 その結果、一昨年、富良野市山部産のミネラル肥料を開発することに成功し、ミネラル肥料シリーズ「マインマグN」「ふらのS30」「ふらのS31」という商品名で全国販売を展開している。
 「マインマグN」は、ケイ酸と作物の光合成に不可欠な苦土(マグネシウム)を主成分としている。特にケイ酸は従来の同種の肥料に比べて2倍以上水に溶け、作物への吸収が増えることから、病虫害に対する耐性を高め、病気に強い作物づくりに有効で、JAS有機適合資材。ふらのS30とふらのS31は東京農業大学との共同開発。
 また、苦土やケイ酸は昨今課題となっている土壌の改善や農薬の使用削減にも役立ち、これからの時代に求められる環境保全型農業に対応した肥料としても関心が集まっている。
 同社は平成14年に国の補助金を受けて石綿無害化技術を確立し、温石綿の消失(ゼロ化)とともに、生体影響も含めた安全性を確認し、国の許可を得た上で肥料の生産を開始している。フラノ事業所にある製造ラインを増設してミネラル肥料を製造しているが、月200トン、年間2000トンを超す量産体制を図るため、今年度施設をさらに増設する計画でいる。
 初年度の販売実績は富良野圏域を中心に146トンだったが、昨年度は468トン。そして今年度は4~6月の3か月間ですでに昨年度の5割以上を占める243トンに達しており、順調に販路が拡大しているという。今年度は2000トンを目標としており、そのうち富良野圏域で100トン、道内で770トンを目指す計画。
 野澤社長はこれまでの販売実績を能登市長に説明し、「稲作農家からの注文も増加している。今年度は富良野管内にミネラル肥料をPRする看板を設置し、積極的にPRを行っていきたい。これまでの実績で当社の肥料効果が顕著になっているので様々な機会を利用して農家の人たちにアピールしたい」などと報告した。
 また二川所長は「昨年、中富良野町のラベンダー園でサルビアにマインマグを使用したところ、虫が全く寄ってこなく殺虫剤としての効果もあることが分かった。またハイランドふらののラベンダー畑でも試験的に使用している。野菜のみでなく観葉植物に対応する肥料としても顕著な効果が表れているので、今後、これをセールスポイントに販路を拡大していきたい」などと報告した。
 報告を受けた能登市長は「山部産のミネラル肥料の販路が全国的に少しずつ拡大しているということは大変楽しみなことです。富良野圏域は農業が基幹産業。メロンやスイカ、玉ネギ、水稲などに効果があるということなので販路拡大に向け、大いにPRをしてほしい」などと話し、富良野の新しい産業の飛躍発展に期待を寄せた。



46回目、やまべふれあいまつり

 山部商工会主催の「第46回やまべふれあいまつり」の本祭りが、好天に恵まれた8日、山部中央公園で盛大に開かれ、家族連れなど大勢の市民で賑わい、約4時間にわたり夏のイベントを楽しんだ。
 同まつりは7日夜に前夜祭が多彩に開かれ、8日午前10時半から本祭りが賑やかに繰り広げられた。主催者あいさつの後、能登芳昭市長、北猛俊市議会議長ら来賓が出席し、祝辞を述べた。
 この後、紅白もちまき、もちつき体験・試食会、山部中学校吹奏楽演奏など次々に開かれた。また恒例のニジマスのつかみ取りも行われ、大勢の子供たちが勢いよく泳ぐニジマスを追いかけるなど楽しんでいた。このほかに豪華景品が当たる抽選会も行われ、会場は盛り上がった。
 またJAふらの山部支所の特設会場ではメロン、スイカの試食、地場野菜の販売コーナーが設けられ、さらに飲食の露店が多数出店し、好天に恵まれたこともあり、まつり会場は家族連れの市民などで賑わった。

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