2011年12月26日月曜日

子供たちに防災教育を テーマは「災害に強い地域づくり」

 富良野市主催の防災講演会「災害に強い地域づくりをめざして」が11月17日、富良野文化会館で開かれた。市民50人が参加し、富良野広域連合消防本部職員の東日本大震災現地報告とまちのくらしサポートセンター代表の小林環さんの講演を通して災害に強い地域づくりを学んだ。特に講演では子供たちの防災教育の大切さが訴えられ、参加した子供を持つ母親たちが共感していた。
 はじめに富良野広域連合消防本部警防課警防係長の井山真次さんと富良野消防署救急救助係主査の谷圭一さんが東日本大震災発生に伴い、3月16日から6日間、4月13日から7日間の2回にわたり富良野広域連合から派遣された緊急消防援助隊員たちの活動状況を映像を通して報告した。
 この中で井山さんは「テントの中はとても寒かったが、被災者のことを思うとまだましだと思った。活動地域は地盤が沈下しており不安の中で行われた。また現地の女性消防隊員が案内を務めてくれたが、この女性は津波で家が流され、家族も行方不明で非常に厳しい精神状態だった」などと想像を超えた活動状況を話した。また谷さんは「消防人として救助隊員として派遣されたいと思っていた。しかしいざ命令が下ると、無事に帰ってくることができるかなどと、どんどん不安が募ってきた」と派遣前の正直な心境を語った。
 一方、講演会では北海道地域防災マスターで札幌市DIG(簡易型災害図上訓練)マスター、手稲富丘少年消防クラブ代表指導部長(札幌市)を務めている小林さんが約1時間にわたり、手稲富丘少年消防クラブの「防火ボードづくり」、「点字講習会」、「消防団訓練大会の参加」、「一泊研修」、「歳末パトロール参加」、「消火栓の除雪」、「災害図上訓練」など活動の様子を映像を通して説明し、子供の時から防災教育の大切さを訴えた。
 参加した30代の女性は「非常に内容の濃い防災講演でした。防災訓練についてはまず子供の時から始めることの大切さがよく分かりました。もっと多くの人たちが防災講演を聞いてほしかったです」と防災教育の重要性を語った。

2011年12月20日火曜日

「カーリングに育まれた力」をテーマに
金村萌絵(旧姓目黒)さんが富良野東中学校で講演

 トリノとバンクーバー冬季五輪カーリング種目で日本代表となった金村萌絵(旧姓目黒)さん(27)が14日、富良野東中学校(林晃淳校長、生徒数330人)で「カーリングに育まれた力」をテーマに講演を行った。金村さんは小学3年生から競技を始め、世界ジュニア大会で4位に入賞、そして日本代表に選ばれた経過やトリノ冬季五輪で挫折を感じたこと、そしてバンクーバー五輪ではチームリーダーとして全力で取り組んだことなどを1時間にわたり冬季五輪の映像を紹介しながら講演し、夢を持つことの大切さとその目標に向かって進む力を訴えた。
 同校が上川版キャリアノート開発協力校の指定を受けたのに伴い、南富良野町出身の金村さんが、2大会連続冬季五輪に出場し活躍したことから講師として招き講演会が開かれた。
 金村さんは同町落合地区の出身。1児の母親で現在は父親が経営しているNPO法人どんころ野外学校を手伝っている。幼い頃から、スキーやカヌーなどアウトドアスポーツを得意とし、小学3年生から本格的にカーリングを始めた。ジュニア時代には、全道、全国大会で優勝し、さらに世界大会でも大活躍した。
 富良野高に進学し、高校3年生の時にカーリングが続けてできる環境の整っている青森県の大学に進学した。そしてジュニア時代の活躍から、チーム青森のメンバーに招かれ、五輪出場を目指すようになった。
 金村さんは「国内では負け知らずだった。しかし、カナダで開かれた1ヵ月半にわたる強化合宿で世界の強さを見せつけられ、全く自信がなくなり、もがき苦しんだ」と競技生活の挫折を振り返った。
 さらにトリノ冬季五輪でも先輩に支えられての出場で自分が納得できる競技は思うようにできなかったという。そして社会人になり、トリノのリベンジを図るため、バンクーバー五輪ではチームリーダーを務め、やりがいを感じ、大きな財産につながったと、生徒たちに挑戦することの大切さを身を持って訴えた。
 そして最後に金村さんはカーリング競技を通して、「続けることで身に付く力、自分と向き合う力、前向きに考える力の3つの力を育むことができた。苦しい時こそ成長する。思い切って悩んで下さい」と全校生徒に何事にも目標を持って挑戦することの大切さを熱く語った。

2011年12月19日月曜日

歳末特別警戒始まる 15日夜、JR富良野駅前駐車場で出動式

 富良野警察署(北川幸一署長)は15日夜、「歳末特別警戒」の出動式をJR富良野駅前の駐車場で行った。金融機関、コンビニエンスストアなどを対象とした強盗事件の抑止や交通死亡事故の抑止、飲酒運転の取り締まりなど、繁華街、住宅地、主要幹線で特別警戒が31日まで行われる。
 出動式には、能登芳昭市長をはじめ、赤塚健・富良野地区防犯協会連合会会長、平澤幸雄・富良野市交通安全協会会長や富良野市地域安全協会会員、富良野市交通安全指導員会などの代表者と警察官ら関係者約40人が参加。
 はじめに北川署長が「管内の犯罪は昨年より増えており、冬期間に入ってから死亡事故につながるような交通事故も相次いでいる。また、道内ではコンビニ強盗や路上強盗が多発している。師走の犯罪を1件でも抑止するため、より一層取り締まりを強化していきたい」とあいさつし、出席した関係者に協力を求めた。また能登市長も「明るいお正月を迎えるためにも犯罪と交通事故の抑止に向け、行政としても協力していきたい」と述べた。
 この後、パトロールカーと市役所の広報車が次々に出動した。続いて北川署長と能登市長を先頭に、関係者が列を作って新相生通り商店街からすずらん通り、東5条通りのコースで街頭パトロールを約30分間にわたり行い、歳末特別警戒が始まったことを通行中の市民らに周知した。

2011年12月15日木曜日

布礼別小中「ふるさと学習」 餅つきや餅まきを体験

 布礼別小中学校(三浦徹校長、児童生徒数28人)で11月22日、地域の老人クラブ会員多数を招き「ふるさと学習」を楽しく開いた。
 同校では「自主・創造をめざし、心身の調和のある人間の形成」を教育方針としており、「ふるさとの人・物・自然・文化」を教材に、毎年同学習を実施している。招待された高齢者は布礼別と富丘両老人クラブ会員計18人。昨年に続いて臼と杵を使った餅つきが行われた。児童たちは重い杵を持ち上げ、老人クラブの会員や保護者から教わりながら、9升の餅をつきあげた。また出来上がった餅の一部を使い、体育館で餅まきが行われた。
 最後に保護者と中学生が調理した大福餅やきなこ餅など4種類の餅料理を老人クラブの会員と一緒に楽しく味わった。同校では「子供たちは今回のふるさと学習から、餅という食文化や故郷の歴史、人々の思いを学ぶことができたと思う」と話している。

2011年12月13日火曜日

ふらのアイスワイン きょうから市内小売店で350本限定販売

 富良野市ぶどう果樹研究所は、ふらのアイスワイン「Fルージュ2010」直売分の予約を7日で締め切ったが、200本の直売分に対して約600件の予約申し込みがり、3倍の競争率だった。8日に抽選会が行われ、当選者に通知し順次発送している。
 アイスワインは凍結した原料ぶどうを使用して製造するもので、同研究所では2005年に国内で初めて販売した。希少価値が高く製造量もわずかのため、全国各地から予約申し込みが相次ぐ人気を集めており、700件を超えた年もあった。昨年も530件だった。
 今年の販売本数は550本。このうちインターネットや電話による直売分は200本。1日の受け付け(ネットなど)開始と同時に地元をはじめ、全国各地から予約が殺到した。予約の内訳は地元から100件、道外、道内から各250件だった。
 きょう13日からは市内の小売店で350本が限定販売される。価格は4200円。容量は200ミリリットル。

2011年12月10日土曜日

富良野オムカレーの一般普及に向け 旬に合わせたサイドメニューを開発

 富良野オムカレー推進協議会(谷口正也会長、加盟14店舗)は、富良野オムカレーのサイドメニューの試食会を5日、上川農業改良普及センター富良野支所で開いた。富良野オムカレーを一般家庭に普及させるのを目的に、旬に合わせたサイドメニューのレシピを開発した。このレシピ集を来年2月下旬までに市内の小中学校と市民に配布する予定だ。 富良野オムカレーは、富良野市の新・ご当地グルメとして平成18年3月に誕生した。全国的に過熱化しているB級ご当地グルメブームの中、富良野の知名度・ブランド力を生かし、観光地グルメとして道内外から認知度が高まっている。メニュー化から5年4ヵ月で30万食の提供を超えた。
 しかし、その8割が観光客。地元の富良野市内においては、ご当地グルメとして家庭の食卓に浸透していないのが実態で、地域に根ざした食文化として課題が出てきている。
 こうした背景から、農業関係者や管理栄養士などの協力を得て、旬の地域食材を生かし、家庭でも手軽に作れるオムカレーとサイドメニューのレシピを開発し、レシピ集を制作することにした。そのレシピ集を広く市民に周知すると同時に、レシピを生かした料理教室を開催するなど、観光地グルメに留まることなく、地域に根ざした食文化を醸成させたいとしている。
 レシピを開発したのは、富良野圏域の農村女性で活動している「域・活きふらのネットワーク」(長谷川由里子代表、会員数20人)。会員の九栗貞子さんは「8割以上は地元の食材を活用した。旬に合わせてサイドメニューを作るのに苦労したが、手軽に作れるよう工夫した」という。
 同日関係者に提供されたサイドメニューのレシピ名は1月が「雪衣(ゆきごろも)」、2月が「温野菜」、3月が「お豆のスープ」、4月が「春野菜のサラダ&キャロットゼリー」、5月が「アスパラあえ」、6月が「ハーブ&フレッシュサラダ」、7月が「トマトのカップサラダ」、8月が「ふらのさわやか漬け」、9月が「ふらのの収穫祭」、10月が「ハロウィンスープ」、11月が「Napa(白菜)&White Pickles(ピクルス)」、12月が「じゃがいものシャキシャキサラダ&ぶどうラッシー」。
 試食会には、食と農と健康を考えるネットワーク、上川農業改良普及センター富良野支所、上川総合振興局保健環境部富良野地域保健室(富良野保健所)、富良野市教育委員会などの関係者多数と料理研究家の東海林明子さん、カメラマンの磯江啓一さんなどが出席した。
 同協議会では今後の活動として2月上旬までに、B5判でカラー20ページのレシピ集を作成する。2200部を印刷し、2月下旬までに教育委員会を経由して市内の小中学校の児童生徒に配布する予定。またレシピ集に関心のある一般市民にも配布していく。
 さらに平成24年度には、域・活きふらのネットワークと食のセールスプロモーション㈱ブレナイ社=札幌=とタイアップし、オムカレーとサイドメニューレシピをベースに市民を対象にした料理教室を開催する。
 同協議会事務局長の松野健吾さんは「富良野オムカレーを観光客のみのグルメとしてではなく、サイドメニューを開発し、広く市民に周知することにした。家庭でも手軽にオムカレーを食べてもらうには30年、40年もかかると思うが、地産地消をさらに進めていきたい」と話している。


完走めざし、友好も あす34回目の西脇子午線マラソン大会

 友好都市の兵庫県西脇市であす11日、第34回西脇子午線マラソン大会が開催され、富良野市から高橋慎一郎・選挙管理委員会事務局長(53)を団長に、麓郷中教諭の小西雅人さん(31)、飲食店従業員の本間智(ちえ)さん(33)が出場する。高橋団長と選手の小西さんと本間さんが7日午後、市役所を訪れて、能登芳昭市長に出発の報告を行い、大会に臨む意気込みを語った。
 小西さんは第3部10キロ、本間さんは第15部10キロに出場する。小西さんは「練習は十分にできなかったが代表に選ばれ、子供たちも出場することを知っているので恥ずかしくない成績を挙げたい」と話し、本間さんも「小学の時からクロスカントリー選手として長い距離を走るのを得意としているが、マラソンはあまり自信がありません。完走を目指し、西脇市民との交流も深めたい」と意気込みを語った。
 これに対して能登市長は「走るだけではなく、見聞も広めてきて下さい」と2人を激励した。
 富良野の選手団はきょう10日午前出発し、西脇市へ。同日は、西脇工業高校を見学した後、マラソン大会コースを下見する。この後、午後5時に西脇市役所を表敬訪問し、來住(きし)壽一市長をはじめ市議会議長、副市長、教育長らと歓談する。
 大会は午前9時から始まり、開会式で高橋団長が富良野市長からのメッセージを披露し、招待選手として小西さんと本間さんが紹介される。小西さんが出場する第3部は午前11時10分、本間さんが出場する第15部は同15分にそれぞれスタートする。

2011年12月8日木曜日

富良野高1年の田中怜恵子さん 花園女子セブンズに選ばれる

 今月27日に大阪・花園ラグビー場で開幕する第91回全国高校ラグビーフットボール大会のエキシビションマッチ「U―18花園女子セブンズ」に、北海道から富良野高校1年の田中怜恵子さん(16)ただ1人が選ばれた。同エキシビションは、日本ラグビーの7人制と女子ラグビーの普及強化を目的としたもので、全国から高校3年生以下の女子選手40人が選ばれた。田中さんは「普及の部」に出場する。
 田中さんは2000年、2004年に富良野高を率いて全国出場した田中彦好前監督(51、天売高教員)を父に持ち、ラグビーの経験はないが、富良野高でラグビー部のマネージャーを務めている。田中さんは「いきなり花園という大きな舞台に立たせてもらえることができるが不安もある。しかし、選ばれて大変嬉しい」と話し、花園で競技者としてデビューする。
 11月5日に江別市野幌で開かれた北海道協会主催のセレクションに参加した。約20人が練習やゲームを通じ、スクラム、タックル、パスワークなど基本技術に挑んだ。この結果、田中さんの運動能力が高く評価され、北海道から1人のみの選手として選ばれた。田中さんは、試合経験は全くないものの、マネージャーを務めながら男子に交じってタックルやスクラムに加わるなど共に汗を流している。
 坂口和紀監督(33)は「道内から1人のみ選ばれ、本校としても大変名誉で、男子部員の刺激にもつながる。花園では男子顔負けのプレーに期待したい。また本校での女子ラグビーの普及にも期待している」と喜びを語った。
 7人制ラグビーは女子も2016年に開催されるリオデジャネイロ五輪で正式種目としての採用が決定している。道内では札幌山の手が来春、女子部門を設立するという。田中さんは「これからは北海道も強化が活発になると思います。花園で全国レベルの技術を体験し、今後に生かしたい」などと気持ちを引き締めている。
 なお、このエキシビションは「普及の部」と「ハイパフォーマンスの部」に分かれ、1チーム10人で各2チームを編成して行われる。田中さんが出場する「普及の部」は同日午前11時から開かれる。



北海道日本ハムファイターズと9年目の交流 植樹祭と野球教室

 北海道日本ハムファイターズとの植樹祭・野球教室が3日、南富良野町のかなやま湖畔に整備されている「アオダモの森」と南富良野高校体育館で開かれた。今年は内野手の今浪隆博選手と捕手の今成亮太選手が来町し、バットの材料となるアオダモの苗木を植え、さらに同町と滝川市の野球スポーツ少年団の子供たちを対象に野球教室を開き楽しく交流した。
 同町では日本ハムファイターズの本拠地が北海道(札幌ドーム)に移ってから、野球のバットの材料となるアオダモの森を整備した。毎年、若手選手を招待し、アオダモの苗木などを植樹し、地元と滝川市の野球少年団を招き野球教室を開いている。今年で9回目。
 植樹祭は午前11時半から始まった。今浪、今成両選手が記念植樹を野球少年団の子供たちと行い、アオダモ25本、イタヤ10本、シラカバ15本の計50本の苗木を植樹した。
 この後、南富良野高校体育館に移動し、野球教室が午後0時40分から開かれた。参加したのは幾寅野球スポーツ少年団28人、南富良野中学校野球部員9人、滝川ピンネススポーツ少年団の32人。
 野球教室では池部彰町長、鹿野重博町議会議長が歓迎の言葉を述べた後、今浪、今成両選手が講師を務め、守備やバッティングなどを中心に基本プレーを約1時間半にわたり熱く指導した。
 子供たちはプロ野球選手の直接指導に感動しながら懸命に守備やバッティングに取り組んでいた。終了後はサイン会も開かれるなど、来シーズンに向けて活躍がおおいに期待される両選手と楽しく交流を行った。

2011年12月6日火曜日

占冠支署の消防職員3人 消防庁長官奨励賞を受賞

 消防庁が主催する「平成23年度消防防災機器の開発等、消防防災科学論文及び原因調査事例」で、富良野広域連合富良野消防署占冠支署の消防職員3人で共同開発した「ストレッチャー・スノー・アタッチメント(SSA)」が、消防庁長官表彰の奨励賞を受賞した。この功績に対して、富良野広域連合長表彰式が5日、富良野市役所で行われ、赤平正淑さん(53)、水越敦之さん(30)、八木洋幸さん(27)の3人に連合長の能登芳昭市長から表彰状が授与された。
 赤平さんら3人が開発した「ストレッチャー・スノー・アタッチメント」は、市販のスノーボードを活用し、板の上にストレッチャー(救急車両車載用)をはめ込む金具を取り付けたもの。
 同支署管内では冬期間に約80件の救急活動を行っているが、降雪による様々な路面変化に伴い、負傷者の安全性やストレッチャー自体の安定性を欠き操作も思うようにできないことが多い。さらに転倒による二次災害が発生する危険性もある。
 特にドクターヘリの出動の際には、搬送した負傷者をヘリコプターまで横づけするのに時間を要していた。こうしたことから赤平さんら3人は、冬期間の路上搬送の危険防止や隊員の疲労軽減をどうしたら解決できるかと、6ヵ月間かけて検証と実践を繰り返しながらアタッチメントを開発し、応募した。
 今年度は全国の消防署から65編の応募があり、赤平さんらが開発したストレッチャー・スノー・アタッチメントが消防防災機器の開発・改良の部門(42編応募)で見事奨励賞に選ばれ、10月21日、日本消防会館で開かれた表彰式で受賞した。
 この功績に対して連合長表彰となった。赤平さんらは能登連合長に受賞の報告と開発したストレッチャー・スノー・アタッチメントと実演した映像を披露した。
 赤平さんは「冬の救急活動では降雪のためスピーディーに負傷者を搬送することができなかった。占冠支署には13人の職員がいるが、全員でストレッチャーの改良を考えた。今回奨励賞を受賞したが、今後はどのタイプのストレッチャーにも対応できるようさらに改良し、レールやブレーキを取り付けるなどよりスピードアップできる搬送を行っていきたい」と受賞の喜びを語った。
 これに対して能登連合長は「素晴らしい工夫です。今年の冬の救急活動に生かし、さらにもっと活動的に救急搬送ができるよう努力して下さい」と3人の隊員の労をねぎらった。



鮮やかなイルミネーション 2階建ての住宅を電飾で彩る

 市内春日町で色鮮やかなイルミネーションで飾った住宅があり、近所の人たちや通行人の目を楽しませ評判になっている。「冬の寒い時期に少しでも心が和み温かくなってほしい」と本間幹章さん(63)が3年前から、2階建住宅の玄関と南側の壁一面に赤や青、緑、白など色鮮やかな原色で彩った豪華絢爛のイルミネーションを飾っている。
 本間さんは元NTTに勤め電気系統の技術職員だった。その専門技術を生かしてインターネットで購入したイルミネーションセットなどを使用し、11月末から1月下旬までの2ヵ月間、住宅の壁一面に設置して楽しんでいる。
 今年は車庫の壁も使い、ドラえもん、アンパンマン、ばいきんまんを新たに加えバージョンアップした。また玄関側には馬車やスカイツリーにあやかり、634センチのツリー、さらに高さ3メートルもあるジャンボハートもあり、ロマンティックでメルヘンの世界を醸し出している。
 本間さんは「電球はLEDを使用しているので電気代はあまりかかりません。毎日午後5時から9時まで点灯しているので見ていただければ嬉しい」と話している。

2011年12月3日土曜日

市内の垣脇真知子さん 日美絵画展の油絵部門で大賞

 全国公募絵画展「第12回日美絵画展」の油絵部門で大賞(外務大臣賞)を受賞した富良野市内の主婦の個展が、市立富良野図書館で1日から開かれており、会場を訪れる絵画ファンや来場者の目を楽しませている。桂木町3番33号の垣脇真知子さん(62)が開いている。
 垣脇さんは子供の頃から絵を描くのが好きで得意だった。40歳代まで会社勤めをしていたが、退職を機に本格的に油絵を始めた。10年前からは公募絵画展の日美絵画展に作品を応募しており、これまでに優秀賞4回、奨励賞1回を受賞している。
 今年の公募展では油絵や水彩画など8部門で約2000点の作品が寄せられた。その油絵部門で垣脇さんの作品が応募総数706点中、2位となる大賞に輝いた。
 大賞となった作品は静物画でタイトルは「FRESH FRUITS(フレッシュフルーツ)」。大きさはF20。垣脇さんは「今年の4月にリンゴの絵を描きたくてスーパーに行ったところ、レジのそばに置かれていた色鮮やかな包装紙が目についた。その包装紙がどうしても欲しくなり、リンゴと一緒に購入した」という。
 家に帰ってさっそく包装紙を広げ、その上に2種類のリンゴ7個を乗せて描こうとしたが、平面的で構図を決めるのに苦労した。そこで思いついたのが包装紙を手で丸めてくしゃくしゃにし、真上から描いた。
 静物画はふつう真横から描くが、垣脇さんの大胆な手法が審査員の目を引き付けたようだ。垣脇さんは、下絵を描かずいきなり絵具をつけ、1ヵ月ほどかけて一気に描き上げ、締め切りぎりぎりになって応募したという。
 垣脇さんはこれまで札幌や旭川で2人展やグループ展を企画したり、札幌ではカフェのギャラリーで個展を開いているが、地元での開催は初めて。展示している作品はここ4、5年で描いたお気に入りの24点。
 垣脇さんは「日美絵画展には今回で8度目の応募。これまで何度か入賞しているが大賞は予想もしていなかったのでとても嬉しい。この受賞作品を地元の人たちにも鑑賞してもらいたくて個展を開くことにしました。頭の老化防止のためにも新たな意欲を持って作品づくりに打ち込みたい」と話している。なお、同展は今月15日まで開かれる。



24年目の観光トイレ清掃が終了 富良野市が児童生徒会に感謝状を贈る

 今年も観光トイレの清掃ご苦労さまでした―布礼別小中学校(三浦徹校長、児童生徒数28人)で11月25日、「観光トイレ振り返り集会」が開かれ、席上、富良野市から感謝状が贈られた。
 同校では児童生徒たのボランティア活動の一環として、校舎近くに設置されている公衆トイレの清掃活動を毎年行っている。今年も大勢の観光客が利用し、「きれいなおトイレ、ありがとう」などとたくさんの感謝の言葉が寄せられた。
 このトイレ清掃活動は昭和63年から続けられ、今年で24年目。小学3年生から中学3年生の児童生徒計24人が4班に分かれ、「訪れる観光客に気持ちよくトイレを使用してほしい」と、4月下旬から10月下旬まで約半年間にわたり、週1回、放課後に交代でトイレ清掃を行った。
 このトイレは5年前から水洗化(簡易)になり、また掲示板と合わせて感想カードも設置された。観光客から寄せられた今年の感想カードは全部で111枚にものぼった。
 カードには、「スウェーデンから来ました。日本のトイレはきれいです」と外国人観光客からのお礼の言葉をはじめ、「トイレの神様がみんなの上に輝きます」、「トイレきれいでした。気持ち良く使わせていただきました」、「子供が急にトイレに行きたくなった時、突然トイレの標識がありました。神にもすがる思いで寄らせていただいたところ、すごく手入れの行き届いたトイレでビックリしました」など、布礼別地域を観光で訪れた道内外の大勢の利用者からお礼の言葉が続々と寄せられた。
 富良野市からの感謝状贈呈は平成7年から行われている。原正明経済部長が、「観光トイレを使用した大勢の観光客にいい印象を与えることは富良野の印象も良くなることにつながります。布礼別小中学校の児童生徒たちは富良野の最高の観光宣伝マンです」などとお礼を述べ、感謝状を児童生徒会長の桜庭玲実さん(中学2年)に手渡した。
 集会では、感想カードの紹介や各班ごとに反省会が開かれた。目標に対して結果はどうだったか、今後の改善点は何か、さらに学校や富良野市に望むことは何かなどを発表した。また、来年3月に卒業する7人の中学3年生一人ひとりに下級生から「7年間ご苦労さまでした。これからは私たちで頑張ります」などと書いた手作りの感謝状を手渡した。
 最後に三浦校長は「昭和63年からの長いボランティア活動は、布礼別小中学校の誇りです。トイレ清掃では嫌な日もあったことと思うが今年も立派に成し遂げました。半年間にわたる活動ご苦労さまでした」と子供たちの労をねぎらった。

2011年12月1日木曜日

富良野市子ども未来づくりフォーラムに300人

 富良野市教育委員会主催の「第5回富良野市子ども未来づくりフォーラム」が29日午前、文化会館大会議室で開かれ、市内の児童生徒が日頃取り組んでいる学習実践発表をはじめ、5月に行われた少年の主張で上位入賞を果たした生徒による発表、さらに山部小の5、6年生が5グループに分かれて、フラノ・マルシェの開発事業に対して未来への提言を行った。
 同フォーラムは、富良野市の未来づくりを目的に、児童たちが柔軟で独創的な提言を行っている。昨年までは提言のみの発表だったが、5回目の今年度は3部構成で行われた。このため出席者は児童生徒のみで200人を超え、各学校の教職員、市議会議員、一般市民など計約300人にのぼった。
 はじめに第1部として学習実践発表が、鳥沼小3、4年生19人による「総合的な学習鳥沼探検隊」を皮切りに、樹海小5、6年生18人が「自分たちで作った味噌と野菜で豚汁づくり」、東小4年生12人が「みんなにやさしい地域を考える」、富良野小6年生5人が「環境について考えよう」、扇山小6年生9人が「クリーンエネルギー・太陽光発電~地球の自然を残すために」、富良野西中3年の保田竜平さんが「よりよい学校づくりを目指す・ゼロ運動」、富良野東中1、2年生7人が「1・2年生のキャリア教育について」をそれぞれテーマに、これまで取り組んできた学習成果を力強く生き生きと発表を行った。
 続いて第2部として、5月に行われた富良野市少年の主張で最優秀賞を受賞し、上川地区大会で優秀賞に選ばれた富良野西中3年の早田優花さん、富良野市優秀賞の樹海中3年・宮田真衣さん、富良野西中2年・岡田実久さんの3人が「私ができること」、「心にとどくあいさつ」、「人の心」をそれぞれテーマに発表し、学校生活の中で体験した思いを力強く訴えた。
 最後に山部小の5、6年生が5グループに分かれ、フラノ・マルシェの開発事業に対して、「すべての年代が楽しめる映画館」、「高齢者に優しいサービスのある銭湯」、「観光客と家族のように触れ合える老人ホーム」、「みんなが安心して楽しめる公園」、「富良野の名物メニューで思い出に残るレストラン」をそれぞれテーマに、アンケート調査の結果や図表を掲示しながら富良野の未来づくりを提言した。
 児童生徒たちの学習発表や少年の主張、未来への提言を最後まで熱心に傍聴した市民は「子供たちの熱心に取り組む姿に感銘した。発表内容も良く、発表態度も力強く素晴らしかった。私たちも子供たちに負けないよう、未来のまちづくりに参加していかなければならない」と子供たちの意欲的な発表を称賛していた。



麓小ふれあいまつり 地域の高齢者多数を招待して開く

 「麓小ふれあいまつり」と銘打った校内イベントが22日、同校(田中和敏校長)で行われ、全校児童をはじめ教職員、地域の高齢者が一堂に会して、そば打ちといなり寿司づくりを体験した。
 異学年との共同作業、地域老人クラブとの交流を目的に6年前から開かれている。参加したのは全校児童18人、教職員9人、老人クラブ会員14人、そば打ち講師の前田政志さん(麓郷デパート夫婦食堂経営)ら計43人。
 8グループに分かれて、午前10時40分から、そば打ち、いなり寿司づくりを開始した。そば打ち体験では、秋に学校農園で収穫したそばを使用した。前田さんがそばの練り方や伸ばし方などを指導した。また、老人クラブの女性会員が、小揚げの中に詰めるご飯の量などいなり寿司の作り方を指導した。
 そば打ちでは女の子たちは「そばを練る時はとても力がいることが分かった」と話し、男の子は「何回も繰り返して平らにするのに大変だったが、とても楽しかった」と手作り体験の苦労を語った。また、いなり寿司体験では男の子も女の子も終始リラックスして約130個を1時間ほどかけて作った。
 一緒にいなり寿司づくりに加わった75歳の高齢者は「生まれて初めて自分でいなり寿司を作った。こんなに楽しいものだとは知らなかった」と終始笑顔だった。
 この後、全員でいなり寿司と手作りそばを楽しく試食した。また午後からは交流会が開かれ、全校児童が「手のひらを太陽に」、「大きな古時計」など6曲を合唱し、招待した老人クラブの会員たちを楽しませた。