2013年4月30日火曜日

5月3日、タイ王国青少年大使ら一行54人来富


 旭川市や富良野市の首長らで組織している「タイ青少年交流事業実行委員会」が受け入れる「タイ王国青少年大使」の一行が5月3日から3日間の日程で富良野市を訪れ、ワインハウスなど観光施設の見学やガラス制作などの体験を行う。その前段として25日、政府や大学関係者など13人が来富、能登芳昭市長を表敬訪問し友好を深めた。
 同招へい事業は昨年、旭川市や富良野市が中心となって実施した「ASEANトップセールス」を経て、タイからの観光客が飛躍的に伸び、タイ(バンコク)~新千歳空港の定期便が就航するなど、今後の誘客の基盤整備が進んでいることから実現した。
 表敬訪問を受けた能登市長は「富良野は北海道のど真ん中。ワインとスキーのまちです。野菜は新鮮でとても美味しいです。タイの子供たちが富良野で楽しい体験ができることを願っています」と心から歓迎した。これに対して、訪問者を代表し大学の学長が「素晴らしい歓迎に感謝します。これから富良野市と文化や教育の面で交流したい。富良野の子供たちを責任もって受け入れます」などと富良野市との交流を強く望んだ。表敬訪問では8年前に富良野市内のホテルに勤め、結婚したタイ生まれの池野ウィカンダさんが通訳を務めた。
 3日から富良野市を訪れるタイの青少年は10歳から23歳までの小学生、中学生、高校生、大学生の計49人(男性17人、女性32人)。このほかに引率の教師5人が来富する。
 主な日程は3日がふらのワインハウスを見学し、能登市長らと会食。午後からは麓郷市街地でガラス制作の体験を行い、アンパンマンショップふらの店を見学。4日は富良野ロープウェーに乗り、雪遊びを体験する。午後からは上富良野町の後藤純男美術館を訪れ、日本画を鑑賞。夜は文化交流パーティーに参加する。最終日の5日はチーズ工房でアイスクリーム作り体験を行う。



作品大幅入れ替え

 アンパンマンショップふらの店「やなせたかしギャラリー」=東麓郷3=は、平成12年の新築オープン以来、初めて展示している作品の入れ替え作業を行い、家族連れで賑わうゴールデンウィークに備えている。
 アンパンマンショップは、直営店としてはふらの店を含めて全国に2か所しかない。同ギャラリーは、昭和49年に開設された共済農場の施設の一角に併設された。現在、ギャラリーには大小100点を超えるやなせたかしさんの作品が展示されている。このため、観光シーズンになると道内外から大勢の家族連れが訪れ、アンパンマンたちの絵を楽しんでいる。
 今回、入れ替えたのは10点。「麓郷展望台」の風景を描いたと思われる「お花畑のロールパンナたち」は横2・2メートル、縦1・7メートルのジャンボサイズ。このほかに同じサイズの「輝くアンパンマンとなかまたち」「てのひらをたいように」など4点と、「ばいきんまん」「ジャイアントだだんだん」など中小サイズの作品5点が展示された。
 入れ替え直後にギャラリーを訪れた名寄市の20代の夫婦は「子供が1歳になったのでぜひ見せたくて来ました。大きな作品にびっくり。アンパンマンの絵は大人が見ても楽しくなりますね」などと楽しそうに感想を述べていた。同ギャラリーの担当者は「作品を展示してから13年が過ぎたので、やなせたかしさんの了解を得て入れ替えることにしました。より明るく、楽しい作品をお願いしました。とても色彩が明るく、ギャラリー内が一段と華やかになりました。この作品を見て、幼い子供たちの心に優しさを伝えていければと思っています」とPRしている。

2013年4月23日火曜日

自治体病院等広域化・連携構想富良野地域行動計画の策定へ

 富良野圏域自治体病院等広域化・連携検討会議(議長・能登芳昭富良野市長)が3月27日、上川総合振興局保健環境部富良野地域保健室会議室(富良野保健所)で開かれ、平成25年度からスタートする「自治体病院等広域化・連携構想富良野地域行動計画」(案)を承認した。同計画は平成29年度までの5か年間で実施する。今年度はアクションプラン(たたき台)に対する意見聴収を行い、7月までに北海道医療計画富良野地域推進方針(改訂版)を決定し、自治体病院の継続や安定的な運営、医療連携体制の構築、在宅医療の充実強化―を柱に取り組む。
 同会議は、富良野圏域における自治体病院等の広域化と連携による医療提供体制の確保を図るため、平成20年6月に発足し、事務局を同地域保健室企画総務課に設置。構成メンバーは沿線5市町村の首長のほか、富良野医師会、旭川歯科医師会富良野班、北海道社会事業協会富良野病院(富良野協会病院)、上富良野町立病院、中富良野町立病院など15人で構成。
 平成20年1月に道から市町村、住民への提案として、「自治体病院等広域化・連携構想」が策定され、地域の実情に応じた検討協議が行われてきた。医師不足をはじめとする地域医療の諸課題の解決には、行政や医療関係者のみでなく、地域住民も現状や課題を共有し、ともに考え、その三者が一体となって協力・連携していくことが重要になってきている。
 こうしたことから平成23年度に同連携検討会議において、現状分析や医療需要予測などを踏まえ、将来の医療のあるべき姿を目指して、「地域医療提供体制分析シート」を策定し、取りまとめた今後の方向性に基づいて、将来、地域に必要な医療のあるべき姿を目指す。
 同計画の具体的な行動方針(アクションプラン)として、自治体病院がするべきこと、中核的病院のするべきことなどの「役割分担」、中核的病院を中心とした医師派遣・研修体制の構築などの「分野別取り組み」、地域住民への意識啓発と情報提供など「地域住民への対応、地域住民の役割」に取り組む。
 事務局側から同行動計画の現状と課題などの説明が詳細に行われた。なお、同日の会議では同会議要綱の一部が改正され、構成員を自治体首長5人のほか、富良野医師会会長、北海道社会事業協会富良野病院、上富良野町立病院、中富良野町立病院の各院長の4人とした。



東山公園パークゴルフ場がオープン

 いよいよ本格的なアウトドアシーズンへ―20日、富良野市シルバー人材センターが運営する「東山公園パークゴルフ場」がオープンし、約60人の愛好者が半年ぶりにプレーを楽しんだ。この後、28日には金満緑地公園空知川パークゴルフ場、29日には太陽の里パークゴルフ場、新富良野プリンスホテルパークゴルフ場が相次いで今シーズンの営業を開始する。
 同パークゴルフ場は平成12年に開設され、東山地区の愛好者をはじめ、多くの人たちがプレーを楽しんでいる。昨年の利用者数は10月末までに約5300人に上っている。今シーズンも5月21日の「新緑さわやかコンペ」など7回のコンペを開催する。
 午前9時からオープニングセレモニーが行われ、主催者を代表して同センター理事長の川瀨好雄さんが「今年も思う存分パークゴルフを楽しみ、健康を保ち、仲間たちとプレーを楽しんで下さい」とあいさつした。さらに来賓の鎌田忠男・保健福祉部長が市長代理として出席し、参加した愛好者を激励した。
 この後、始球式が行われ、東山地区パークゴルフ愛好会会長の鷲見得さんと鎌田保健福祉部長がAコースとBコースのスタート台から1打を放ち、今シーズンの開幕を告げた。60歳代の女性は「もう長いことパークゴルフを楽しんでいます。半年振りのプレーだったが、まずまずのスコアで回ることができました」と満足そうに答えた。しかし、同日はプレー開始と同時に雪が降り始め、気温の低いあいにくの天候だった。愛好者たちは防寒着を着ながらのプレーだった。

2013年4月22日月曜日

あかつき長寿会が盛大に記念式典と祝賀会

 市内老人クラブの中で最多会員数を誇る「あかつき長寿会」(川村尚会長、会員数144人)の創立50周年記念式典と祝賀会が16日、ハイランドふらので盛大に開催され、半世紀にわたる活動を振り返り、共に祝い、「健康な高齢者像」と「新たな高齢者文化」の創造に向け、会の一層の発展を確認した。また、記念事業として東部児童センターと富良野市社会福祉協議会にそれぞれ10万円を寄付した。
 同クラブは昭和38年に老人福祉法が制定されたのに伴い、駅裏全体を一つの老人クラブにまとめようとの呼びかけが行われ、約60人の会員で発足した。現在、住吉町、錦町の東部第一・第二連合会に所属する9町内会で構成され、市内最大の老人クラブとして、奉仕活動、友愛伝承活動、研修活動をはじめ、パークゴルフ、リズムダンス、ウォーキングなどの事業と会員親睦交流を展開している。平成24年度の延べ参加者数は4100人に上り、パワー全開の活動を行っている。
 式典では川村会長が5代目会長の井下光幸さん、8代目会長の三浦幸一さん、9代目会長の永桶政美さんにそれぞれ感謝状を贈呈し、長年にわたりクラブの発展に尽くした功績を称えた。
 この後、川村会長が50年間にわたる活動を振り返り、「今後更に進む高齢化社会で一人暮らしや高齢者のみの世帯が増え、孤立や老老介護など、多様な課題が多い中、本会の役割は会員相互をつなぐことによって、孤立を防ぎ、お互いを支え合う素地を作ることにあると考えています。これからは仲間づくりを通じて生きがいと健康づくり、そして生活を豊かにする楽しい活動、さらに地域の皆さんと共に地域を豊かにする活動に取り組みたい」などと式辞を述べ、「健康な高齢者像」「新たな高齢者文化」「夢を語り合う地域社会」の3つの創造を強く訴えた。
 続いて、能登芳昭市長、吉田薫・富良野市老人クラブ連合会会長、北猛俊・富良野市議会議長がそれぞれの立場で祝辞を述べ、高齢者社会の中で活発な事業と会員の交流・親睦を図っている同クラブが果たしている功績を称え、今後一層の発展活躍に期待を寄せた。
 これに対して永桶政美さんが受賞者を代表し、今後も会員のひとりとして地域活動に貢献していきたいと、謝辞を述べた。この後、小玉將臣・富良野市社会福祉協議会会長が乾杯の音頭をとり、祝宴に入り、約120人が同クラブの50周年を共に祝い、和やかに情報交換を行っていた。



今年度も積極的に普及活動
富良野オムカレー推進協議会で総会

 富良野オムカレー推進協議会は18日夜、平成25年度総会を富良野商工会議所大会議室で開き、第8回B―1グランプリin豊川(11月9、10日、愛知県豊川市で開催)の参加などを盛り込んだ平成25年度事業計画を決め、富良野の食観光と合わせ、ご当地グルメの「富良野オムカレー」を道内外に一層発信することを確認した。また、役員改選では会長に前会長の石川節子さん(山香食堂)を選出した。
 冒頭、谷口正也会長が「富良野オムカレーが誕生して今年で8年目となり、認知度が高まり富良野の食文化普及発展に効果を挙げてきた。しかし、まだ富良野(ふらの)と読めない人もおり、もっと認知度を高めるため普及活動をしていかなければならない」などとあいさつし、出席した提供店の店主らに一層の協力を求めた。
 この後、平成24年度の事業、収支決算報告が行われた。それによると、平成24年度は13店舗でスタートしたが、正会員の病気療養に伴う長期休業や、ランチタイムの営業休止などで、11店舗による提供となった。富良野オムカレーの提供数は8万3040食に上り、平成18年3月の誕生からの累計で43万9440食となった。
 平成25年度の主な事業計画によると、富良野地域内のイベントでは、北海へそ祭り(7月28、29日)、ふらのワインぶどう祭り(9月15日)への協賛協力。道内イベントでは、カレーアクション北海道フォーラム(5月31日、札幌市)、新・ご当地グルメグランプリ2013in芽室(7月6、7日、芽室町)、さっぽろオータムフェスト2013(9月中旬~10月上旬、札幌市)への参加。道外イベントでは、よこすかカレーフェスティバル2013(5月11、12日、神奈川県横須賀市)への参加。
 そのほかでは、市内小中学校をはじめ、行政や観光協会、商工会議所、農業団体などと連携した企画事業を実施する。この中でお土産品として個食向けのレトルトカレーの開発を検討する。
 また独自イベントとしては、友好都市西脇市との「食」と「衣」の文化交流や地域に根ざしたオムカレーの食文化醸成に向けた事業の実施を行い、さらに富良野オムカレーウォーキング(10月6日)、ビールパーティー(5月21日)を開く。
 事業収支予算は900万円(前年度の決算額は975万円)。
 なお、そのほかの新役員は次のとおり(〇は新)。
 ▽副会長 〇本間智(くんえん工房Yamadori)、橋本誠二(なんまら)▽監事 〇鏡味あつ子(ふらわ)、〇出倉勝紀(笑楽亭)▽事務局長 松野健吾▽同次長 北條祐邦▽会計 上坂雅史

2013年4月18日木曜日

ふらの農協 販売取扱高 約280億円

 ふらの農業協同組合(村山友希代表理事組合長)の第12回通常総代会が12日、本所事務所大会議室で開かれ、平成24年度事業報告、中期経営計画の設定、同25年度事業計画の設定など7件の議案と3件の報告をいずれも原案通り承認した。この中で平成24年度の青果、米穀、畜産などの販売取扱高は前年度より2・3%約6億7000万円増の280億2145万円で当期の事業総利益が40億3300万円だった。また、税引後の当期純利益は計画に対して300万円増の1億600万円。
 総代会には、代理、書面を含めて379人が出席した。はじめに村山組合長が「アベノミクスで大胆な金融政策・財政政策・成長戦略の3本の矢を放って以来、国内では経済の閉塞状況を打開するという期待があるが、円安の影響で輸入されている物の価格が引き上げられており、我々が使用する生産資材、燃料、肥料、配合飼料等の価格にも大きくかかわっているのが現状。また、政府は3月15日にTPP交渉参加の表明を発表した。まさに裏切られた気持ちでいっぱい。北海道だけでも直接の影響が4500億円、関連で1兆5000億円、富良野管内でも同様の試算をすると、直接62~69億円の影響が出てくることになり、まさに地方・農業切り捨て論につながってまいります」などと前置きした後、平成24年度の青果物全体、畜産部門、共済部門などの実績報告を行い、さらに中期経営計画(平成25~27年度)、地域農業振興計画(同)に対して理解を求めた。
 また、ホクレン商事に委託しているエーコープ事業のウイズ店(上富良野)が赤字経営のため3月24日で閉店したと報告。同店舗の賃貸先をツルハドラッグと契約し、5月から開店する予定。また、春日店は今年度1000万円かけて改修し、棚の増設、生鮮の充実を行い、利用者の利便性を上げていくことにしていく。
 このほか、ポテトチップス工場「シレラ」(南富良野)は順調な操業を続けており、昨年比102%の生産を行った。製品の「ふらのっち」は富良野地域限定で販売してきたが3月からは全国販売を開始しており、売れ行きは好調という。
 平成24年度の販売取扱高実績をみると、青果部門が133億9969万円で前年度比96・2%。米穀部門は54億9832万円で同122・9%。畜産部門は48億850万円、同103・6%。利用・加工・直販部門は43億1492万円、同99・5%。
 同組合は平成25年度事業策定にあたり、①全道ナンバーワンの生産地の確立「新たな『ふらの農業』の創造」②全道ナンバーワンの職場の確立③全道ナンバーワンのJA―を重点目標に掲げ、中期経営計画を策定し事業を展開していくことを確認した。
 平成25年度の販売取扱計画は総額で275億2396万円。内訳は青果部門で141億3896万円、米穀部門で約50億円、畜産部門で約41億円、加工食品部門で約36億円をそれぞれを見込んでいる。
 なお、同年度の正組合員数は2270人で戸数は1453。準組合員数は9370人。また職員数は348人、準職員が94人の計442人。



静寂の中5時間にわたり熱戦

 富良野弓道会(東海林芳信会長、会員数22人)主催の「道場開き兼会長杯弓道大会」が13日、富良野スポーツセンター弓道場で開かれ、富良野をはじめ、上富良野、美瑛、三笠の愛好者12人が出場し、日頃の練習成果を競いあった。約5時間にわたる静かなる戦いの結果、一般男子の部で東哲夫さん(美瑛)、一般女子の部で篠嶋百合さん(富良野)がそれぞれ優勝を飾り会長杯を手にした。
 同弓道会は大正15年に発足した歴史ある競技団体。道立富良野工業高校(現富良野緑峰高校)の男子が全道大会で見事優勝を飾ったことなどから、昭和59年11月にスポーツセンターに弓道場が併設され現在に至っている。愛好者は4月の道場開き、8月の富良野神社祭典、10月の体育の日の年3回、近郊市町村の愛好者に呼び掛けて大会を開催している。
 競技は28メートル先に設置された直径36センチの的を射ぬく。時間制限はなく、それぞれのペース配分で行われ、午前9時から競技が開始され、終了したのが午後3時近くになった。出場者が少なかったため、1人20射で行われ、静寂に包まれた道場内で熱戦が繰り広げられた。
 一般男子の部では20射中13射をあてたのが東さんと三笠の竹田征夫さん。同射となったことから射抜き勝負となり、1回目で勝負が決まり、東さんが会長杯を手にした。また一般女子の部では篠嶋さんが20射中17射をあてるハイレベルの実力をみせた。
 一般男子の部で惜しくも準優勝だった竹田さん(71)は妻の千恵子さん(64)と夫婦での出場。千恵子さんは夫と同じく13射をあて、仲良く準優勝を飾った。夫が5段で妻が6段の腕前。20年前から弓道の魅力に魅せられ、道内各地の大会に夫婦で出場し、常に好成績を収めている。
 征夫さんは「弓道は妨害する人がいない。自分との闘い。失敗は自分の責任で実力がない証拠。いかに集中して競技に臨むことができるかが勝負の分かれ道。それだけに魅力のある競技です」と語る。

2013年4月16日火曜日

大きかった強風の被害

 ふらの農協は今月7日に発生した突風による農業用ハウスや倉庫などの被害状況を11日現在で取りまとめた。それによると、農業用ハウスは110戸で被害を受け、鉄骨の破損やビニールはがれが233棟で、被害金額は3480万円に上った。さらに倉庫や牛舎など倒壊した建物は85戸、109棟に上り、被害金額が2772万円にも達したという。被害が集中したのが富良野市で西部地区、山部地区以外の全域に及んだ。今回の被害により玉ねぎ、ビートなどの苗で生育の遅れが懸念されている。
 同日は発達した低気圧の影響で道内は暴風雨に見舞われ、家屋の破損が相次ぎ、国道での土砂崩れが発生するなど大きな被害をもたらした。富良野市でも道道東山富良野停車場線沿いの平沢と八幡丘に設置されている防雪棚が相次いで倒壊している。アメダスの麓郷観測地点では同日風速27メートルが観測されており、被害を受けた地域ではそれを上回る強風が瞬間的に吹いたものと推測されている。
 この強風で特に麓郷、八幡丘、富丘での被害が広範囲にわたった。市農林課の調査によると、9日現在で鉄骨破損やビニールはがれなどの被害を受けたハウスは36戸75棟。また、倉庫(D型ハウスを含む)は25戸で31棟、牛舎が5戸で5棟、サイロが1戸で1棟。



今年も林野火災ゼロを

 富良野市林野火災予消防対策協議会(会長・能登芳昭市長)の会合が12日、市役所大会議室で開かれ、平成25年度の「林野火災危険期間・無煙期間」を設定したほか、朝日ヶ丘公園など計8地域を特別警戒区域にするなど、林野火災予消防対策の重点事項を決めた。
 会合には上川総合振興局、同南部森林室富良野事務所、上川南部森林管理署、東京大学大学院附属北海道演習林、陸上自衛隊上富良野駐屯地、富良野広域連合消防本部富良野消防署など16関係機関から代表者ら35人が出席した。
 はじめに会長の能登市長が、「昨年度は士別市と上富良野町で林野火災が発生したが、富良野市では発生しなかった。今年は雪が多く春先には突風が吹き、雨が重なるなど林野火災が起きる可能性がある。また山菜採りの季節を迎えたこともあり、それぞれの機関が目的を持ち連携して予消防に取り組みたい」などとあいさつし、出席した関係機関の代表者らに円滑な連携を改めて訴えた。
 続いて上川総合振興局産業振興部林務課の濱田革課長が「昨年度道内では16件の林野火災が発生したが、その70%が4、5月に集中した。出火原因の多くはごみ焼きなど人為的なものによる。林野火災はいつ起こるか分からないため、普段から十分に対応していきたい」などと話し、協力を求めた。また、上川南部森林管理署の西川晃由署長と東京大学大学院附属北海道演習林の芝野博文林長がそれぞれの立場であいさつし、予消防体制の強化などを訴えた。
 この後、道内の昨年度林野火災の発生状況について事務局から報告された。それによると、前年より10件多い16件の出火で被害面積が8・25ヘクタール。出火件数では増えたが被害面積では減少した。
 出火原因のうち人為的な過失によるものは造林地拵えで1件、ごみ焼き6件。月別では16件のうち12件が林野火災危険期間の4月から6月にかけて発生した。過去10年間においても、ごみ焼きによるものが54件で全体の21%を占め、たばこ・マッチによるものが23件で全体の3割に上っている。しかも、全体の約8割は危険期間中に発生している。
 この後協議に入り、「林野火災危険期間」を4月1日から6月30日までと決め、4月21日から5月31日までを「林野火災予防強調期間」と「無煙期間」に設定し、各地区の森林愛護組合と連携して予防対策を講じる。
 さらに「林野火災特別警戒区域」として、朝日ヶ丘、島の下、清水山(富良野市)、北の峰、芦別岳登山口、富良野岳登山口(上川南部森林管理署)、東大演習林樹木園、布部~岩屋(東大演習林)の8地域を設定し、所管するそれぞれの機関とともに警戒体制の強化を図っていく。
 また林野火災消防対策として、①体制の強化②自衛隊に対する協力要請③林野火災消火資機材の備え付け―を重点に取り組む。

2013年4月15日月曜日

交通事故と犯罪の防止を 市民大会に400人参加

 富良野市、富良野市交通安全協議会、富良野市地域安全協会が主催する「第2回富良野市交通防犯運動市民大会」が11日午後、文化会館大ホールで開かれた。約400人の市民が参加し、交通事故と犯罪のない安全・安心な社会づくりに向けた取り組みを宣言した。
 同大会は、6日から始まった春の全国交通安全運動に合わせて開かれた。一昨年までは交通安全のみだったが、昨年度からは防犯運動も加えての大会となった。参加したのは交通安全協会、地域安全協会の役員をはじめ、学校、事業所、商工団体、農業団体、女性団体、老人クラブなどの代表者や会員。
 はじめに主催者を代表して能登芳昭市長が「昨年は富良野市内で5人が交通事故で亡くなった。死亡事故をなくすということをそれぞれの意識のもと、運動を展開していかなければならない。また、犯罪も地域や団体によって防止していくことが重要。今年1年間、一致団結してPRしていきたい」など地域一丸となった活動を訴えた。
 続いて伊藤礼司・富良野警察署署長が「当管内はこれから観光シーズンを迎え、交通量が増える。このため、幹線道路でのスピードダウンが求められる。また、犯罪では殺人、強盗など凶悪犯の発生は少ないが、自転車盗、自動車盗、空き巣、さらに振り込め詐欺、痴漢などが増えてくる。私たちと一緒にこれまで以上に連携し、安全安心なまちづくりを目指していきたい」などとあいさつし、参加した市民に改めて官民一体となった協力を求めた。
 この後、丹羽利明・富良野警察署交通課長が交通事故対策、久留宮紘士・同生活安全係長が防犯対策についてそれぞれ講話を行った。
 この中で丹羽課長は「道内では歩行者と車の事故が最も多く、歩行者ではお年寄りが占めている。次に多いのが単独事故、そして正面衝突事故」とこれまでの事故形態を説明し、「高齢歩行者の事故が多いのは車が遠くに見えるから。しかし、車は40キロの速度で1秒間に11・5メートルも進む。このためはねられてしまう。そしてドライバーも左側には注意を払うが右側については注意力が散漫になるため歩行者に気づかずはねてしまう」などと解説し、また単独事故については「スピードの出し過ぎが原因」、そして正面衝突については「運転を開始してから1~2時間が経過すると集中力が低下し、覚醒時に1、2秒間、居眠り状態となる運転によるもの」などとそれぞれ指摘した。
 また久留宮係長は「昨年、富良野署管内で発生した犯罪(刑法犯)は99件で前年より12件少なく、毎年減少している。犯罪を防止するためには自主防犯が大切。家屋などへの侵入盗犯ではほとんどが鍵をかけていない。また自転車盗は全体の20%も占めており、大半が鍵をかけていないのが原因。車上狙いも無施錠が多い。家の前だからといって安心してはいけない。また車の中に貴重品や現金を置かない」などと説明し、「犯罪は身近に存在していると自覚することが大切」と注意を呼びかけた。
 続いて扇山小1年の宮西璃青君と富良野小1年の芦田蘭ちゃんが、「子ども警察防犯標語」を元気いっぱいに紹介した。また、山部小校長の畠伸広さんが、全校児童で取り組んでいる交通安全大会や国道沿いでの旗波作戦、さらに学校農園で栽培している農作物とメッセージをセットにした秋の交通安全運動の啓蒙などを紹介した。
 最後に富良野ライオンズクラブ会長の菊地敏紀さんが「高齢者事故防止対策の推進」など7項目を読み上げて交通安全を宣言した。続いて、扇山子どもネットワーク会長の越前琢哉さんが「私たちは、地域安全活動の中核的担い手として、自主防犯活動に取り組む人々と連携を密にし、安全で安心して生活できる地域社会の実現のため、一層努力します」と地域安全宣言を行った。



「全ての人々や物事から学びたい」
ことぶき大学3校合同入学式

 富良野市ことぶき大学(学長・宇佐見正光教育長)の平成25年度「3校合同入学式」が10日、文化会館大会議室で開かれ、本科に19人、大学院に5人がそれぞれ入学。さらに研究生として9人が、新たな気持ちで新年度を迎えた。
 本科(4年)には富良野校に13人(男性4人、女性9人)、山部校に6人(男女各3人)がそれぞれ入学した。東山校の新入生はゼロ。本科を卒業した大学院(2年)には富良野校に5人(男性2人、女性3人)。山部校と東山校の新入生はゼロ。さらに本科を卒業し大学院を修了した研究生は富良野校に7人(女性)、東山校に2人(同)が入った。今年度の在籍者数は91人。
 式では新入生一人ひとりの紹介が行われた後、宇佐見学長が「現在の長寿社会の中で、私たちの生活環境は社会の進展や経済の変化に伴い、大きく様変わりしており、その変化に柔軟に対応し、人生をより充実したものとするためには、常に自らを磨き、生涯にわたっての学習を継続していくことが大切です。多くの学友と共に学び、交流の輪を深めながら、健康には十分留意され、楽しく有意義なことぶき大学での生活を送って下さい」などと式辞を述べた。
 続いて来賓の石井隆副市長が「大勢の仲間と共に、心の豊かさと教養を高める学習活動から生涯現役として、自らを高揚させ、これまで経験されたことを地域社会で活かし、自らの生活向上に役立たせて下さい」などと能登芳昭市長から託された祝辞を読み上げた。
 続いて横山久仁雄・富良野市議会副議長が「好奇心は若さを保つ秘訣です。ことぶき大学で新しい発見を見つけて下さい」と激励。さらに本間勲・北海道議会議員が「学ぶことは年を取らない。いかに学ぶことが大切だということをつくづく感じています。私も仕事を辞めたらことぶき大学に入り、皆さんと一緒に学びたい」と祝辞を述べた。
 また在校生を代表して富良野校大学院1年の藤田忠昭さん(72)が「高齢になっても家に閉じこもっていないでこれまで培ってきた豊かな経験と知識を地域社会に活かすことが求められています。素晴らしいことぶき大学で一緒に学びましょう」と歓迎の言葉を述べた。
 これに対して新入生を代表して山部校本科の山本勝彦さん(69)と武田眞理子さん(68)が「多くの仲間と共に富良野市ことぶき大学へ入学できる喜びをかみしめています。私たちは先生方や仲間、これから出会う全ての人々や物事から学びたいと思っております。困難も待ち構えていることでしょうが、仲間と話し合い、力を合わせて乗り切っていきます」と入学の決意を述べた。

2013年4月11日木曜日

富良野緑峰高校農業特別専攻科で13回目の入学式

 富良野緑峰高校農業特別専攻科の第13回入学式が9日午後、同校で行われ、担い手農業者の中核となる12人(うち女性1人)が決意も新たに入学した。
 はじめに小島和明校長が「地域の将来を担う農業経営者を目指すことに自信と誇りを持って下さい。人の生き方、考え方に最も影響を与えるものは『人との出会いである』ということを忘れず、同期生、先輩、お世話になる様々な人との出会いを大切にして下さい。専攻科での様々な人との出会いは、皆さんにとって一生の財産になります」などと式辞を述べた。
 続いて本間勲道議会議員が「農業なくして国は成り立たない。地域、北海道、日本を支えてくれるものと私たちは信じています。友情の輪を広げて、ぜひ頑張って下さい」とエールを送った。さらに石井隆・富良野副市長が能登芳昭市長から寄せられた祝辞「この2年間の就学の中で、これから目指す自分の農業につながる何かを見つけて下さい。そしてチャレンジ精神を忘れずに同じ農業を志す仲間とともに、地域農業の発展のために、将来を担う農業者として大きく成長されるよう頑張って下さい」などと読み上げ、農業後継者としての活躍に大きな期待を寄せた。
 これに対して新入生を代表して南富良野町の松鶴健作さんが「これからの2年間の学校生活の中で、先生方や先輩、そして同級生から多くのことを学び、一人ひとりの目標達成に向けて成長していきたいと思います。校訓である、『心豊かに学び、考え、たくましく』のもと、地域農業を支える担い手として、研鑚に励むとともに、生徒として有意義な生活を送ります」と宣誓した。
 なお、入学生の出身市町村は富良野市3人、美瑛町4人、上富良野町2人、中富良野町2人、南富良野町1人。修学年数は2か年。科目は園芸科学科。



富良野ゴルフコース 懸命の除雪作業

 1日も早くプレーができるように―富良野ゴルフコース=八幡丘=は今シーズンの営業開始を今月13日に予定しているが、一部のグリーン周りには30センチ以上の雪が積もっている。このため、同コースの従業員をはじめ、新富良野プリンスホテルの従業員も加わり、9日から人海戦術でグリーン周りの除雪作業を懸命に行っている。
 3月に入ってから降雪量が多くなったため、コース内の積雪は1週間前まで昨年と同じだった。しかし、先週から気温が徐々に上がりはじめ、雪が一気に解け出した。昨年は同日現在で60センチの積雪だったが、今年は約半分の35センチになった。一部のグリーン周りでは青い芝生が見え始めているが、7番ホールでは50センチ近くも積雪している。
 除雪作業には同コースとホテル従業員計30人余りが出動。午前9時から午後4時までにかけてグリーン周りの除雪作業を展開している。積っている雪は7日から9日にかけて降った雨で解けたものの、逆に水分を含んだため重さが増し、除雪作業は重労働となった。それでも従業員たちはスノーダンプに重量の増した雪を乗せ、懸命に作業を行っている。50歳代の従業員は「水分をたっぷり含んでいるのですごく重いです。このホールにはまだ40センチ以上の雪が積もっています」と額に汗を流しながら、黙々とスノーダンプを使って除雪作業を行っていた。
 同コースでは「13日からのシーズン入りは無理な状態。コース内の雪が消え、プレーができるような状況になった時点で平日からでも営業を開始したい」と話している。また、シーズン入りに向け、安全祈願祭を13日午前7時45分から、クラブハウス横で行う。
 同コースは新富良野プリンスホテルから車で約20分。恵まれた地形と自然を活かし、変化に富んだアーノルド・パーマー設計の36ホール。前富良野岳を望む雄大な景観の中、利用者はコース内の乗り入れが可能な2人乗りゴルフカーで快適なセルフプレーを楽しんでおり、人気を集めている。
 なお、今シーズンのオープニング料金は今月26日までと5月7日から同月31日までの平日が5000円、土・休日が6500円。また、優待料金は6月1日から10月8日までの平日が5500円、土・休日が7500円。ファイナル料金は10月9日から11月4日までの平日が5000円、土・休日が6500円。

2013年4月9日火曜日

富良野市社会福祉協議会 平成25年度の事業計画決める

 社会福祉法人富良野市社会福祉協議会は平成24年度第2回評議員会を3月22日、富良野市地域福祉センターいちいで開き、平成25年度の事業計画(案)と一般会計・特別会計収支予算(案)をいずれも原案どおり承認した。同協議会は、第4期地域福祉実践計画を推進しているが、平成25年度は、北海道から富良野市へ権限移譲された成年後見事業等の実施と介護保険事業のデイサービス時間帯を充実させるなどを重点に各種事業と取り組んでいくことを確認した。
 はじめに小玉將臣会長が「平成25年度も基本目標の「ともに支えあう、安心・安全・福祉のまちづくり」を推進してまいります。また、成年後見制度に向け、職員1人の増員を図り、事務局体制の整備を進める。介護保険事業ではデイサービスの時間帯を7~9時間に変更して、事業の充実と健全運営に努めて参ります」などとあいさつし、出席した評議員に理解と協力を求めた。
 この後、議事に入り、定款の一部改正、平成25年度富良野市社会福祉協議会事業計画案、同一般会計・特別会計収支予算案など4件の審議を行い、いずれも原案どおり承認した。定款の一部改正は、北海道社会福祉協議会の日常生活自立支援事業の受託と平成25年度から実施される法人後見事業を追加。
 事業計画の主なものは①財政基盤の確保②地域福祉活動の推進③福祉のまちづくり事業の推進④在宅福祉活動の推進⑤要援護者福祉活動の推進⑥ノーマライゼーションの普及・定着⑦ボランティア活動の推進⑧受託事業の推進⑨介護保険事業の推進⑩障害者自立支援事業の推進⑪各種福祉団体の活動助長―などが重点。
 この中で、福祉のまちづくり事業では、福祉のまち推進センターの設置をはじめ、除雪支援ボランティアや図書宅配ボランティア、ボランティアスクールなど13の事業メニューを実施する。また要援護者福祉活動の推進では、成年後見制度(法人後見)を実施し、認知症や知的・精神障がいなど、判断能力が不十分な住民を対象に行う。
 このほか、在宅福祉活動推進では、一人暮らし高齢者ふれあいの集い(年4回)、高齢者お節料理贈呈、クリスマスケーキ贈呈、サロン研修会、敬老長寿箸贈呈などの事業を行う。



2か所の防雪棚倒壊 7日朝、強風にあおられ

 発達した低気圧の影響で7日、道内は暴風雨に見舞われ、家屋の破損や負傷者が相次いだほか、国道で土砂崩れが発生するなど大きな被害となったが、同日午前、富良野市の道道東山富良野停車場線沿いの平沢と八幡丘に設置されている防雪棚が相次いで倒壊した。
 旭川土木現業所の発表によると、倒壊した防雪棚は4メートルごとにコンクリートの支柱で支えられている。平沢地区の防雪棚は高さ3メートル30センチで136メートルにわたり変形し、このうち60メートルが倒壊した。同防雪棚は平沢集落センター近くにあり、平成17年に設置された。八幡丘の防雪棚は平成5年に設置され、568メートルにわたり変形し、このうち80メートルが倒壊した。
 同現業所に通報があったのが同日午前9時頃。アメダスによると麓郷観測地点で同時刻の風速が27メートルを超えていた。同現業所では倒壊した原因を調査した上で、復旧工事を進めることにしているが、強風で両地域の防雪棚が倒壊したのは今回が初めてという。

2013年4月6日土曜日

小中一斉に入学式 新1年生は9校で188人

 5日、富良野市内の小中学校で一斉に平成25年度入学式が行われ、小学校で188人、中学校で211人の新入生が元気いっぱいに式に臨み、上級生をはじめ教職員、保護者から温かい拍手で迎えられた。今年度から麓郷小中学校が併置校として新たにスタートし、小学生5人、中学生3人が入学した。小中併置校は布部小中、布礼別小中に次いで3校目。また入学生がゼロとなったのは布部小と布礼別中の2校。
 麓郷小中学校(髙木司校長)の入学式では、髙木校長が「66年振りに小学校と中学校が同じ校舎を使うことになります。そして今日は新1年生の入学を祝い、小・中学生、教職員、保護者、地域の皆様全員が力を合わせ、麓郷小中学校としてのスタートの日でもあります」と前置きした後、新1年生に対しては「元気な声であいさつをしよう、自分のことは一人でしよう、ルールを守って安全に」と呼びかけた。また、中学生になった3人に対しては「友人を大切にする、自分を大切にする、時間を大切にする」と3つの約束を求め、「人間として大きく輝ける土台づくりを行って下さい」と訴えた。
 続いて、宇佐見正光教育長が「麓郷小中学校は地域の拠点として新たな一歩を踏み出すことになりました。初めての新入生を迎えたことで新しい校風を作り上げ、楽しい学校生活を過ごして下さい。年度内には新しい体育館も完成します。笑顔が溢れ、歌声の響く学校生活を楽しんで下さい」とお祝いの言葉を述べた。
 さらに麓郷小、中学校統合に向け、尽力した整備委員長の今昭弘さんが新1年生に対しては「分からないことがあれば先生や上級生に何度も聞いて下さい」と優しく語りかけ、中学1年生には「一段上を目指し、一日一日を大切に」などと激励した。また、北海道議会議員の本間勲さんは「子供は地域の宝です。先生、家族、地域の協力でピカピカに光るようにして下さい」などとお祝いの言葉を述べた。
 この後、新1年生5人と新中学生3人がそれぞれ入学の決意を述べた。これに対して児童会会長の小瀬那月さん(6年)が「皆さんが入学するのを楽しみに待っていました。学校ではみんなで力を合わせてすることがたくさんあります。今日から私たちは仲間です。私たちと一緒に思いっきり楽しみましょう」、生徒会会長の前田理沙さん(3年)が「併置校として新しいスタートを切り、皆さんは最初の中学生です。気持ちを引き締め、一緒に頑張りましょう」などとそれぞれ歓迎の言葉を述べた。各小中学校の新入生数は次のとおり。
 ▽富良野小98人▽扇山小34人▽東小32人▽麓郷小5人▽鳥沼小7人▽布礼別小1人▽樹海小6人▽山部小5人
 ▽富良野東中94人▽富良野西中92人▽麓郷中3人▽布部中1人▽樹海中8人▽山部中13人



富良野高2年青木蓮弥さん 全国で堂々の3位入賞

 今年で第16回目の全国高等学校少林寺拳法選抜大会(一般財団法人少林寺拳法連盟、公益財団法人全国高等学校体育連盟少林寺拳法専門部の主催)が3月23、24の2日間、香川県仲多度郡多度津町で開催され、北海道代表で富良野光明寺道院拳友会(青木賢隆道院長)に所属する富良野高2年の青木蓮弥さん(16)=2段=が堂々の3位に入賞し、銅メダルを獲得した。青木さんは「夏に行われる全国大会に向け、さらに練習を重ね、優勝を目指したい」と新たな闘志を燃やしている。
 同大会には全国都道府県の206校から選抜された1、2年生790人が出場し、自由単独演武、規定単独演武、団体演武で全国一の実力を競い合った。
 青木さんは男子自由単独演武の部に出場した。同部には62人が出場。23日は予選が2コートに分かれて行われた。24日の本選に向け、熱戦が繰り広げられベスト16が選ばれた。青木さんは予選をコート1位で通過し本選に臨んだ。
 競技時間約1分30秒。5人の審判員が技術度60点、表現40点の計100点の採点をそれぞれつけ、最高点と最低点を除いた3人の審査員の合計点で実力を競い合う。この結果、青木さんは258点を挙げ、3位に入賞した。優勝した京都の選手とはわずか2点差だった。中には最高点をつけた審査員もいた。
 青木さんは昨年夏の全国大会で5位に入賞している。選抜大会に北海道代表の選手(2人)として選ばれたことで本番に向け練習を重ねてきた。しかし、練習中に腰を痛め、思うような演武ができなかったという。「優勝を目指していたので悔しい。6月に高体連北海道大会が開かれる。必ず全国大会出場を果たし、再度、挑戦したい」と新たな闘志を燃やしている。

2013年4月4日木曜日

新北の峯ハイツ 利用者家族を対象に内覧会と説明会開く

 社会福祉法人「富良野あさひ郷」(仲世古善雄理事長)が運営する特別養護老人ホーム「北の峯ハイツ」=市内中御料=は今月末、東雲町に建設(2月完成)した新施設へ移転する。これに伴い、3月31日、利用者の家族を対象に内覧会と再契約に必要な説明会が新施設で開かれた。
 現施設は昭和53年6月に建設され、翌54年1月から定員50人で運営が始まり、同59年4月から現在の100人体制となった。しかし、施設の老朽化に伴い、昨年7月から総額14億1616万円の整備事業費を投入し、東雲町1番1号に新施設の建設工事が始まった。
 新施設の敷地面積は1万2066平方メートル。建物は鉄筋コンクリート2階建て。建築延べ面積は6538平方メートル。施設の内部は個室のユニット型で、10人が1つのグループで生活し、専属の介護職員がケアを行うことができる設計になっており、12ユニットを作り定員は120人。
 また新施設には快適な生活を過ごすための空間と、使い慣れた家具を配置できるよう、ゆとりを確保しプライバシーに配慮した住環境を確保。さらに、共同生活室、集会スペース、教養娯楽室などの共生空間、そして地域に開かれた空間として多目的ホールが設けられた。このほかに、利用する人の立場に立ち、プライバシー、健康、環境に配慮した「しつらえ」に取り組み、安全・安心、温かみのある調度品、車椅子利用者に考慮した設備になっている。
 説明会には家族約110人が参加した。はじめに班編成を行い、職員が施設内の厨房や入浴施設、居室、食堂などを案内した。家族たちは「施設内の各部屋はとても明るくきれいで快適な造りになっている」などと新施設の運営に大きな期待を寄せていた。
 男性家族から「停電になった場合はどんな対応をするのですか」との質問に対し、案内した職員は「自家発電があり、3日間は大丈夫です」と答えていた。一方、95歳の母親が利用している60代の女性は「これまでは4人部屋だったので話し相手がいました。しかし新施設では個人部屋に変わるため、一人になり、認知症の母親は寂しく感じるのではないかと少し不安です」と話していた。
 この後、「多床室」から「ユニット型特養」に事業内容が変わることから再契約や、ユニットケアに対する介護職員の配置基準、利用料金など、詳細にわたり担当職員から説明が行われた。
 なお、7日には午前10時から市民向け、午後1時から施設関係者向けの内覧会(見学)がそれぞれ行われる。



交通安全運動の先頭に 能登市長が一人ひとりに辞令を交付

 富良野市は1日、交通安全指導員と交通安全推進員の辞令交付式を市役所大会議室で行った。委嘱されたのは交通安全指導員が43人、交通安全推進員が2人。能登芳昭市長が一人ひとりに委嘱状を手渡し、「間もなく春の交通安全運動が始まりますが、交通安全指導員の役割は大きなものがあります。体調を崩さないように役割を果たして下さい」などとあいさつし、交通安全運動の先頭に立つ交通安全指導員や推進員の活動に大きな期待を寄せた。
 交通安全指導員の任期は2年。委嘱された43人のうち企業推薦者が6人(うち新1人)で新しく選任されたのが4人。最も長く務めているのが東山地区の菅野功さん(73)の43年。また、最年長は富良野地区の藤原稔さんの80歳で、最年少が企業推薦の大嶋克海さんの33歳。また、交通安全推進員の任期は1年で市嘱託職員。片山瑞枝さんと増田由加理さんの2人が前年度に続き委嘱された。
 辞令交付式の後、研修会が開かれ、指導員の業務、指導員心得、制服などについての説明が行われた。委嘱された交通安全指導員と推進員は、6日から始まる春の交通安全運動をはじめ、新入学期の交通安全運動早朝立哨、夏、秋、冬の全国交通安全運動夜間立哨など年間約50回出動し、市民の交通事故防止に向け、啓蒙啓発に努める。
 なお、富良野市内の過去5年間の交通事故発生状況をみると、人身事故が201件発生し、うち12人が死亡している。昨年は31件の発生で5人、一昨年は29件の発生で3人がそれぞれが亡くなっており、国道沿いなどでの交通死亡事故が相次いでいる。また、物損事故は計3462件に上り、毎年約700件も発生している。

2013年4月2日火曜日

平成24年度富良野市国民健康保険特別会計は黒字

 富良野市国民健康保険運営協議会(加藤剛会長、委員12人)の平成24年度2回目の会合が3月27日、市役所で開かれ、同事業の一般経過報告や特定健康診査・特定保健指導の実施状況、特別会計決算などを報告し、第2期富良野市特定健康診査等実施計画を承認した。
 同事業の被保険者は7028人。前年度より355人少なく、平成20年度と比べると900人以上も減っており、毎年減少している。24年度決算は31億3380万円程度の見込み。歳出では保険給付費で9761万円の減額となったが、後期高齢者支援金で2086万円、介護納付金で596万円、平成23年度療養給付費負担金清算により諸支出金で3261万円の増となった。
 同年度の保険給付費の総額は20億5331万円で前年度(平成23年)より約9700万円減少した。前年度より高額医療費等が大幅に減少したことが要因。このため、3月補正時に一般会計借入金8000万円を減額しており、歳出では4月に確定する2月診療分の療養給付費等があるため不確定だが、収支は黒字になる見込み。しかし、今後医療費の急な増額も予想されることから引き続き厳しい財政運営が余儀なくされるという。
 報告された平成24年度の特定健康診査・特定保健指導の受診者数(2月末現在)は2178人で受診率が46・7%。対象者数は4659人。特定健康診査と保健指導は平成20年度から始まった。平成24年度の目標受診率65%に向け5か年計画で取り組んできた。この結果、受診率は平成20年度35・4%(目標30%)、21年度39・9%(同40%)、22年度39・9%(同50%)、23年度42・6%(同60%)だった。平成20年度は目標を上回ったものの、22・23年度は目標に届かなかった。しかし、全国・北海道よりは高い受診率となった。
 こうした現状を踏まえ、第2期計画では平成25年度の目標受診率47%から始まり、同29年度は60%としている。また、特定保健指導の目標実施率は平成25年度が50%で29年度を60%としている。平成29年度において平成20年度と比較したメタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少率25%以上を指標としている。



富良野市の社会科副読本 5年振りに改訂版を作成

 富良野市の「社会科副読本」の改訂版(A4判、216頁)ができ上がり、3月28日、富良野市教育委員会に届けられた。同副読本は小学3、4年生を対象に配布しており、5年ごとに改訂。同委員会が昨年、小学校教諭で構成している社会科副読本編集委員会(17人)に諮問し、ほぼ1年かけて編集作業を行ってきた。
 改訂版は指導要領の改訂に合わせ、上川管内で使用している教科書の単元構成に併行して作成。また、社会科の学習が初めての3年生に、学習の仕方などを指導するガイドを副読本のはじめに組み入れた。さらに資料、写真、グラフなどを多く挿入し、児童がその資料を見ながら解決したり、考えをまとめたりできるようにした。
 このほか、レイアウトを変更し、児童が見て楽しさを感じれるようにした。また、英語の副教材を作成し、富良野を英語で紹介できるように工夫した。そして全単元をデータ化し、電子黒板などで使用できるよう編集している。
 同編集委員会の編集長を務めた田中和幸・扇山小校長=東神楽・東聖小へ転出=が教育委員会を訪れ、宇佐見正光教育長に「この副読本で『富良野』を良く知り、富良野に誇りと愛着が持てるようになってほしいと考えると共に、社会科の目標でもある社会的な見方、考え方が身に付くように指導を行うなど有効に活用して下さい」と述べた。