2013年9月2日月曜日

10年前の自分へのメッセージ届けます

 果たして10年経った現在の自分の姿は?―富良野市は30日、平成15年(2003年)9月に実施した富良野市開庁100周年記念事業「10年後のわたしに送るメッセージ」の発送セレモニーを、富良野郵便局で行い、能登芳昭市長が土橋眞二・富良野郵便局長に116通の封書を手渡した。
 10年前の9月1日、富良野市開庁100周年記念式典が行われた。その記念事業の一環として同年8月16日、富良野小学校グラウンドで開催された「100年収穫祭」の一角にコーナーを設け、市民をはじめ来場者から同メッセージを募った。
 寄せられたメッセージは116通に上った。このうち市民が72人。また、たまたまイベント会場を訪れた観光客も参加し、遠くは佐賀県からも。メッセージには2003年当時の写真と、10年後(2013年)の自分や知人に宛てたメッセージが書かれている。
 自分へのメッセージを寄せた中には高齢者もおり、すでに亡くなった人もいる。また、当時小中学生だった子供たちはすでに結婚したり社会人になっている。40代の公務員(市役所職員)は、自分へのメッセージを書いたことを忘れていたという。メッセージには「元気か、結婚したか、痩せたか。今の自分が大好き」と書いた。このメッセージ通り、結婚し、健康に恵まれ、体重もトレイルランに参加するほど体をしぼりこんでいる。
 同局では、1日約1000通のハガキや封書を取り扱っている。土橋・富良野郵便局長は「結婚して名前が変わっていたり、転居届け出が出された場合、すぐに配達できるかどうか分からないが、1年間は宛て先の住所を探します。自分への手紙を受け取った人からいい反応があればいいですね」と期待した。能登市長も「10年経ったので忘れている人もいると思うが、自分へのメッセージが届けば嬉しいと思います。一人でも多くの参加者に届くように」と願っていた。



侵入者が一番嫌がる環境づくりを

 富良野警察署は28日、「実践型防犯教室」を中富良野町農村環境改善センターで実施し、専門講師による一般住宅の侵入手口と防犯対策、さらにガラス破壊試験の実演と体験を通し参加した住民(約30人)に防犯意識の高揚を図った。
 同教室は、「北海道犯罪のない安全で安心な地域づくり条例」の関連事業として2年ごとに、地域安全活動推進委員や地域住民を対象に開かれている。はじめに進栄ロックサービス株式会社の防犯設備士・高橋佳嗣さんが、昨年1年間道内で発生した侵入盗の手口と防止対策について説明した。
 高橋さんは「侵入盗では6割が一戸建て住宅と共同住宅で発生している。1日あたり11件、2時間に1件の発生。被害に遭った住宅で1番多いのが鍵をかけていない無施錠」と説明した。安全意識の低さを指摘し、「防犯に対する知識を持ち、常に侵入者に狙われているという危機意識を持つことが大事」と訴えた。
 また、講演の中で模型住宅を使った侵入手口と不正解除の手口の解説を行い、侵入盗で玄関ドアや窓の鍵を外すピッキングの道具の説明やドアの真横にドリルで小さな穴を開けて、特殊な工具を使って鍵を開けるサムターン回しの手口の実演も行った。
 さらに参加者を対象にしたガラス破壊試験の実演と体験も実施した。参加者は防護用メガネをつけ、手袋をはめて、ハンマーで3ミリの板ガラス、6ミリの網入りガラス、そして防犯ガラスの3種類のガラスを割る体験を行った。板ガラスと網入りガラスは一撃で簡単に破ることができた。しかし、防犯ガラスは何度打ち続けても破ることができず、見物していた参加者たちは防犯ガラスの強度に改めて驚いていた。
 高橋さんは最後に防犯設備の効果的なポイントとして「侵入盗は5分以上かかると7割が諦めると言われている。侵入者が一番嫌がるのは、時間、光、音、映像の4つ。防犯ガラスをつけるには高額な費用がかかるが、犯罪者を寄せ付けない環境づくりが大切。ドアにガードプレート、二重ロック、カメラ付きインターフォン、ピッキングに強い鍵をつけるのをはじめ、短時間の外出でも必ず鍵をかける、家にいても施錠する、死角を減らす、家の周りに足場になる物を置かない」などと侵入盗防止のポイントを説明した。
 また、富良野警察署生活安全課の担当署員が「今年に入ってから管内の犯罪件数は90件余り。他管内から比べると犯罪件数は少なく平和な地域。それだけに住民の防犯意識が低いのが実態。いつどこでも起きるのが犯罪。無施錠だと思わぬ凶悪事件に遭遇することもありますので、常に防犯意識を持って下さい」などと訴えた。
 受講した70代の女性は「玄関ドアや窓ガラスの鍵には二重にロックをしていません。色々説明を聞いてとても参考になりました。これから外出する際には短時間でも鍵をかけるようにしますが、家族全員で励行するには大変かもしれない」と感想を述べていた。

2013年8月29日木曜日

安全安心な農産物の提供を 岡本、小野両農園が認証取得

 特定非営利活動法人日本GAP協会(東京都)は、食品事故を起こしにくい信頼できる農場の目印として「JGAP認証」を導入しているが、今年度、富良野市下五区の岡本農園(岡本哲夫代表)と同北大沼の小野農園(小野託也代表)が7月に認証取得した。岡本代表(65)と小野代表(27)が26日、市役所を訪れ能登芳昭市長に報告した。
 同認証は、第三者が認証する制度。農産物の安全性向上や環境保全型農業を実践する手法として、1990年代終わりから欧州で普及が進み、日本では2002年から普及が進んでいる。今年3月末現在の認証農場数は全国で1749、北海道で61。富良野市では平成23年度に北扇山2の岡本農園、山部西22線16番地の天間農産本舗、北斗町の北幸農園の3農園で認証を取得しており、今年度で新たに2農園が加わったもの。
 岡本農園は、関西などの消費者を受け入れるなど、ミニトマトの栽培を通じて消費者とのコミュニケーションを図っており、ふるさと給食の協力を行っている。栽培ハウスは約30棟で従業員数は3人。小野農園は、祖父が富良野市で最初にミニトマトの作付けを始めた先駆者。栽培用ハウスは約30棟、従業員数は5人。
 岡本さんと小野さんは、同認証制度に取り組むメリットとして「危害要因の排除、農薬散布の方法、作業者の安全確保をはじめ、農場の仕事が効率化し、経営改善・品質の向上、技術の継承に役立つ。さらに専門の審査機関による審査認証を受けることで、バイヤーに『信頼できる農場』を客観的にアピールできる」を挙げた。
 今後の展望として市では、「現在、山部地区の1経営体(株式会社フラノプレゼンツ)がJGAP認証を目指して、書類等の整理を行っている。市内でこうしたJGAPの取り組みが波及することにより、従前の農作業上の工程や資材保管の改善、さらには環境に配慮した取り組みなどが実践され、個々の経営体の経営改善、安全安心な農作物の産地としてのイメージアップにつながる」などと、さらなる普及に期待を寄せている。



水防工法の知識と技術を学ぶ

 同講習会には富良野をはじめ、赤平、芦別、上富良野、中富良野、南富良野、占冠の7市町村の消防団員と関係者ら約100人が参加した。開会式では主催者を代表して北海道開発局の阿部徹河川管理課長が「この講習会はリーダーを育成するのが目的。1時間あたり100ミリを超えるとんでもない降水量が近年観測されるなど、異常気象を超えた極端気象となってきた。シミュレーションによると降水量はさらに増加すると予想されている。こうした中で水害に対応するためには自助・公助・共助によって最小限に食い止めなければならない」などとあいさつし、水防技術の向上を訴えた。
 また、能登芳昭市長も「富良野では1か月以上にわたりまとまった雨が降っていないが、雨の降る地域と日照りの二極化となっている。3・11の震災では消防団員の活躍が未だに語り継がれている。住民の生命と財産を守るためにも消防団員の果たす役割は非常に大きく、被害を最小限に抑えるためにリーダーとしての知識と技術を備えて下さい」などとあいさつした。
 この後、屋内講習が文化会館で行われ、「洪水等に関する情報伝達」「水防施設と水防工法」「近年の気象災害と気象情報」「水防工法の概要(なわ結び実習)」などをテーマに、消防団員が水防技術に必要な知識を集中して学んだ。
 午後1時からは屋外講習が空知川五条大橋下流右岸で行われた。札幌開発建設部防災課の担当者が講師を務め、土のう製造機の操作を指導、さらに全国防災協会水防専門家の葛西正喜さんが「木流し工法」「積み土のう工法」「月の輪工法」の実技指導を行った。講習は6時間半にわたり行われ、最後に受講者全員に修了証書が授与され、水防技術のリーダーとしての期待を寄せた。

2013年8月27日火曜日

国産ワインコンクール バレルふらの白
過去最高の3部門で受賞

 7月30、31の2日間、山梨県で開催された「国産ワインコンクール2013(実行委員会主催)」で、富良野市ぶどう果樹研究所が出品した欧州・国内改良等品種ブレンド白部門で「バレルふらの白」が銀賞と部門最高賞、コストパフォーマンス賞をそれぞれ受賞し、これまでにない高い評価を受けた。さらに2010年の「バレルふらの白」、「シャトーふらの白」が銅賞、2007年の「ふらのワイン・ツバイゲルトレーベ」が奨励賞をそれぞれ受賞した。
 同コンクールは今回で11回目の開催。欧州系品種、国内改良等品種、甲州など13部門に計762品種がエントリーし、国内一を競い合った。同ぶどう果樹研究所では、これまで10回出品。毎回、銅賞や奨励賞を受賞している。
 審査は山梨県甲府市で行われ、外国人3人を含め25人の審査員が香り、色、味、バランスなどの官能審査による審査を厳正・公正に行った。採点は第1次審査、本審査とも20点満点で採点し、平均12点以上のワインを本審査の対象とした。本審査では平均点が17・5点以上のワインを金賞、15・5点以上17・5点未満を銀賞、13・5点以上15・5点未満を銅賞、12点以上13・5点未満を奨励賞。また、各部門の銅賞以上の中で、最高点のワインを部門最高賞、各部門のうち銀賞以上を受賞した2000円未満のものの中で、最高点のワインをコストパフォーマンス賞とした。
 見事銀賞に輝いた「バレルふらの白」(720ミリリットル)は2011年に醸造されたビンテージ。同研究所では、「銀賞受賞は久し振り。しかも部門最高賞で、さらにコストパフォーマンス賞も合わせて受賞すこることができ、同コンクールでふらのワインをアピールすることができ、大変嬉しい。今後のワインづくりに弾みがつきます」と喜びを語った。
 また銅賞の「シャトーふらの白」(720ミリリットル)は2012年に醸造したビンテージ。4年連続の受賞。発売は今年9月頃の予定という。奨励賞の「ふらのワイン・ツバイゲルトレーベ」(720ミリリットル)は2007年の醸造で5年ぶりの受賞。



富良野神社「例大祭」 みこしが郊外、市街地を巡回

 五穀豊穣・商工繁栄・市内平安を願う富良野神社(西川邦秀宮司)の「例大祭」が24日から26日まで3日間にわたり盛大に開かれた。24、25の両日はあいにくの雨天となったが、大勢の市民が同神社の秋祭りを楽しんでいた。特に25日の本祭りでは、恒例のみこし渡御が午前、午後に分けて行われ、市内22か所に設けられた「お休みどころ」では地域住民らが大勢詰めかけ、一緒に五穀豊穣や商工繁栄、健康などを祈願していた。
 みこし渡御は午前9時過ぎから始まり、中五区のマルハニチロ北日本富良野工場を皮切りに、御料―北の峰町―学田三区―西町―錦町など郊外の住宅街を車両で巡回。午後からは文化会館前から、中心市街地を総勢約200人が練り歩いた。各「お休みどころ」では、約40人の商工青年が交互に重さ約300キロのみこしを担ぎ、「ワッショイ、ワッショイ」と威勢の良いかけ声を上げ、沿道の住民に若さをアピールしていた。
 また、商工女性の「北海へそみこし」をはじめ、児童生徒による舞姫たちが各お休みどころで、雅楽の演奏に合わせ「浦安の舞・豊栄の舞・朝日舞」を古式豊かに舞った。さらに富良野獅子舞、富良野弥栄太鼓の奉納行事も行われ、大勢の見物人を楽しませた。
 一方、神社境内では25、26の両日、歌謡ものまねショーやゴールデンショー、カラオケ大会などの奉祝演芸が行われ、詰めかけた大勢の市民を楽しませた。このほか、剣道、野球、弓道、柔道の奉祝スポーツ大会が市内の体育施設などで行われ、神社境内では小学生たちの少年相撲大会が開かれた。

2013年8月26日月曜日

きょうから富良野神社「例大祭」

 五穀豊穣・商工繁栄・市内平安を願う富良野神社(西川邦秀宮司)の「例大祭」がきょう24日から3日間、同神社を主会場に盛大に開催される。本祭りのあす25日は恒例の「みこし渡御」が午前、午後に分けて行われ、農村地区や住宅街、そして中心市街地を練り歩く。また歌謡ものまねショーなどの奉祝演芸や、剣道、野球などの奉祝スポーツ大会も3日間にわたり開催される。
 同神社は今年で創祀111年目を迎えた。今年の例大祭は24日の宵宮祭を皮切りに始まる。25日の本祭りは午前9時15分から、みこし渡御がマルハニチロ北日本富良野工場(中五区フーズパーク)を皮切りに、北の峰町、東学田三区、西町、麻町、東町、南町などの農村地区や住宅街を車両で巡回する。午後からは1時20分に文化会館前を出発し、末広町、五条通り、すずらん商店街、朝日町、本町など中心市街地を練り歩く。
 このみこし渡御では中心市街地22か所に「お休みどころ」が設けられ、女子小中学生による「浦安の舞」をはじめ、富良野弥栄太鼓保存会、富良野獅子舞保存会による奉納の演奏と舞いが行われる。最終日の26日は午前10時から、後日祭・防火祭・赤ちゃん祭が同神社で執り行われる。
 一方、神社境内を会場とした奉祝演芸が25日午後6時から、市内カラオケサークルによるカラオケ大会、7時から森川めぐみ・タマ千春の歌謡ものまねショー、さらに26日午後3時と7時の2回、暁メイ子・武山あきよゴールデンショーが開かれる。
 また奉祝スポーツ大会として、柔道大会が24日午後3時から、同6時から剣道大会がスポーツセンターサブアリーナで、野球大会が25日午前9時から市営若葉球場で、少年相撲大会が同10時から神社境内で、弓道大会が26日午後1時から神社境内で開催される。

2013年8月22日木曜日

富良野地区戦没者追悼法要 457柱の御霊を慰める

 富良野遺族会(稲田寛会長)が主催する「富良野地区戦没者追悼法要」が20日午前、興仁寺=幸町11番1号=で厳かに執り行われ、来賓、遺族、関係者合わせて約40人が日清、日露戦争と先の世界大戦で戦死した457柱の御霊(みたま)を慰めた。
 執行委員長の稲田会長が「今年の全国戦没者追悼式において、参列した遺族の中で100歳を迎える妻が1人、遺児の参加も70~80歳代がほとんどであり、減少が続いているのが現状です。戦後68年の歳月が流れても遺族の悲しみは消えることはありません」などと前置きした後、「あの悲惨な歴史は私たちの時代で終わりにしよう。戦争を起こさない、遭わないの心を顕彰することをお誓い申し上げます」と追悼の言葉を述べた。
 この後、能登芳昭市長と北猛俊・市議会議長が来賓として追悼の言葉を述べた。この中で能登市長は「先の大戦において国難に殉じ、数多くの方々が国の内外において散華されたことは、私たち日本国民にとって永久に忘れることのできない深い悲しみで、痛恨の極み」と前置きした後、「戦後68年を迎えた今日、戦争の記憶が風化されつつある中で、改めて戦争の悲惨さをしっかりと心に刻み、ここに戦没者の御霊前に皆様とともに哀悼の誠を捧げ、恒久平和を祈り、明日の富良野の更なる発展のため、市民とともに心を合わせて努力することを誓います」などと追悼の言葉を述べた。
 この後、僧侶の読経に合わせて、稲田会長を皮切りに、来賓、遺族の順に焼香を行い、457柱の御霊を心から慰めた。戦後68年の歳月が流れたことから、遺族の高齢化がさらに進み、参列者が年々減ってきている。



ペンフレンドの住む富良野を訪問

 アメリカのアラスカ州アンカレッジ州立大学の女性教授が20日午前、市立扇山小学校(澤井陽一校長、児童数237人)を表敬訪問、児童たちに終始笑顔で接し楽しく授業参観を行った。
 訪問したのはドナ・ゲイル・ショーさん(57)。州立大学教育学部の教授で自然科学と物理を専攻している。10代の時に富良野に住む三上陽子さん(57)とペンフレンドになった。
 三上さんは布部小学校の教諭。14歳の時、英語雑誌のペンフレンドとしてドナさんとの交流が始まった。20代の時、2度、ドナさんの住むアンカレッジを訪問しているが、その際、ドナさんは「富良野をどうしても訪れてみたい」と何度も何度も三上さんに伝えていたという。
 その長い間のドナさんの思いが実現し、今月13日に来富した。富良野市内の観光名所を皮切りに道内各地を訪れて楽しんだという。帰国する直前の同日、扇山小学校を訪問した。ドナさんは澤井校長の案内で6年生のクラスを皮切りに順に各教室を回った。
 ドナさんは子供たちに「ナイストゥー、ミーチュー」と笑顔であいさつすると、子供たちも即、「ナイストゥー、ミーチュー」と元気にあいさつ。突然、ドナさんが教室に入ってきた時、子供たちは少し驚きながらも、英語を習っているため自然に英語で応えるなど笑顔で接していた。
 ドナさんは「富良野は素晴らしいところ。食べ物もおいしく、景色も山も花もとても美しい。また接する人たちも心優しい人ばかりでした。子供たちとはきょう出会ったばかりですが元気いっぱいで、笑顔で応えてくれた」などと富良野と子供たちの印象を語った。

2013年8月20日火曜日

22日、広島市で第42回全国消防救助技術大会
中富の本多佑生さんが出場

 全国消防協会北海道地区支部が主催する「第42回全道消防救助技術訓練指導会」で、富良野広域連合消防本部の中富良野支署に所属する本多佑生さん(20)が、ロープブリッジ渡過の部で3位に入賞し、今月22日、広島市で開催される第42回全国消防救助技術大会に北海道を代表して出場する。
 同指導会は7月20日、札幌市消防学校で開催された。33消防本部から212人の職員が出場し、「ロープブリッジ渡過」や「はしご登はん」「ほふく救出」「ロープブリッジ救出」など8種目で全道一と全国大会の出場権をかけて日頃の訓練成果を競いあった。
 本多さんは昨年に続いての出場。同種目は地上から約7メートルの高さに水平に張った20メートルのロープ(往復40メートル)を往路はセーラー渡過、復路はモンキー渡過で競い合う競技。
 セーラー渡過は別名「水兵渡り」とも言われ、ロープの上に身体を乗せ、前方を見ながら両手でロープを引いて渡る。モンキー渡過は渡る時の格好がサルに似ているところからこの名が付けられ、ロープに両手両足でぶら下がり、手足を交互に掛けながら渡る。
 昨年は往路のセーラー渡過で不覚の転落で無念の失格となった。それだけに今年は慎重かつスピーディーに競技に臨んだ。同種目の標準タイムは28秒。これに対して本多さんは練習では18秒5の自己最高タイムを記録していた。このため、上位入賞の自信があったという。同種目には24人が出場し、本多さんは20秒3のタイムで堂々の3位、道北地区では1位の好成績だった。
 本多さんは「昨年は往路でバランスを崩して転落、とても悔しかった。このため今年は練習量を増やし慎重に競技に臨んだ。昨年より速く渡ることができるようになり、安定していたので上位入賞を狙った。全国大会での入賞は厳しいが、北海道代表として全力で競技に臨みたい」などと闘志を燃やしている。



好評、地産地消バス

 富良野地域農村元気プロジェクトが主催する「農家と市民をつなぐ地産地消バス運行」が11日、富良野市内の農家で実施され、富良野市内の家族など20人が参加し、トマトやナスなど新鮮な野菜の収穫を楽しみ、農業者の苦労などを肌で感じていた。
 農水省、食と地域の交流促進対策事業受託事業の一環として昨年に続いて実施。午後1時半から4時半までの3時間にわたり、西扇山の岡野農園、山部の里農園、吉中農園の3か所で大玉トマト、ナス、ズッキーニ、ピーマン、メロン、とうきび、ブロッコリーの収穫を体験し、それぞれ低価格で購入した。
 参加者の中には札幌の家族連れもおり、里農園ではスイカ、メロンの試食会も行われ、参加者を喜ばせた。また、車中では富良野美瑛地域資源開発センター代表の佐藤秀靖さんが、農村元気プロジェクトの活動内容と紹介や富良野地域の農家の減少、平均作付面積の増大、高齢化、TPPの影響などについて解説し、ますます農業を取り巻く環境が厳しさを増している現状を訴えた。
 参加者に対して行ったアンケートによると、「たくさん収穫できて良かった」「色々な農産物がなっているのを直接見ることができてうれしかった」「農家さんへ直接行く機会がないのでとても楽しかった」「移住して9か月。できるだけ富良野のものを食べるようにしている。少しでも畑に触れられて良かった」「農家さんにいろいろ聞くことができたから、野菜の採り方を教えてもらえた」などと回答し、地産地消バス運行を評価した。
 また、「スーパーなどに富良野の農産物が並んでいたら多少高くても購入するか」の問いに対しては、回答を寄せた14人全員が「購入する」と答えた。
 なお、地産地消バスは今月25日にも実施される。市内の農家(3~4軒)を訪問し、トマト、とうきび、レタス、ブロッコリー、メロンなどの農産物を収穫する。集合場所は富良野文化会館前で午後1時半に出発する。参加料(バス乗車料金)は無料だが、収穫した農産物は有料買い取りになる。
 同プロジェクト(富良野美瑛地域資源開発センター内)では「バスで農家さんを訪ね、生産現場を見て学び、収穫する、地元の農業・農産物を知るチャンスです。親子での参加を歓迎します」などと多数の参加を呼びかけている。申し込みは(電話0167・56・7237番かFAX0167・56・7238番)へ。

2013年8月16日金曜日

新外国語指導助手が着任

 富良野市教育委員会は、新外国語指導助手の着任式を12日、市立富良野図書館2階多目的ホールで行い、2学期から始まる英語学習での活躍に期待を寄せた。着任したのは、オーストラリア国籍のピアソン・ジョーダンさん(24)、イギリス国籍のイビットソン・チェルシーさん(22)。
 ジョーダンさんは、ワーキングホリデービザを使って1年半ほど、日本に滞在経験がある。大学の日本語プログラムの生徒として日本語専攻科課程を修了。また10代の頃、空手で州3位に入賞する活躍をみせたという。特技はスノーボード、バスケットボール、バンジージャンプ。趣味は映画鑑賞やクラリネット、サックスの演奏。
 チェルシーさんは、英国空軍士官学校生として飛行機の操縦訓練の体験を持ち、飛行時間は約20時間という。また、昨年開催されたロンドンオリンピックのボランティアスタッフに選ばれ、フランス語、ドイツ語も話す。趣味は乗馬と絵。子供用の絵本などを手がけている。
 着任式では、はじめに宇佐見正光教育長がジョーダンさんとチェルシーさんの経歴をエピソードを交えながら紹介。この後、能登芳昭市長が「富良野市では、英語が話せるふらのっ子の授業に取り組んでおり、英語やドイツ語が小さい時から話せる状況づくりを行っている。これからは言葉を通して国際交流できる人材を育てていきたい。今後の2人の活躍に対して多くの市民が理解できるようなおもてなしをしていきたい。また日本文化にも積極的に挑戦して下さい」、宮下敏・富良野市校長会会長が、「子供たちは英語に対して興味を高めている。子供たちは非常に柔軟。能力を活かし、子供たちと接して下さい。13校の子供たちはとても心待ちにしています。素晴らしい先生になることを期待します」などとそれぞれの立場で歓迎の言葉を述べた。
 これに対してジョーダンさんは「私はこれからALTの皆様と一緒に子供たちにいろんな外国の文化や言語を教えることを楽しみにしています。そして、オフィスからスキー場を一目見た時から、スノーボードがやりたくて仕方ありません。早く雪が降ることを楽しみにしています」、チェルシーさんは「温かく私を迎えて下さり、ありがとうございます。私は他のALTと共に富良野の子供たちに英語の本当の楽しさを伝え、イギリス文化を伝えるために頑張ります。そして姉妹都市であるオーストリアとの交流の手伝いができることを大変楽しみにしています。このようなチャンスを下さりありがとうございます」などとそれぞれ着任の抱負を述べた。
 着任式には市内の小中学校の校長など関係者30人が出席した。ジョーダンさんとチェルシーさんは少し緊張しながらも、終始笑顔を絶やさなかった。ジョーダンさんは小学校、チェルシーさんは中学校を担当する。



今年も熱く熱く演奏 32回目の「ゆうふれ音楽祭」

 真夏のアマチュアバンドイベント「ゆうふれ音楽祭」(実行委員会主催)が今月3、4の両日、山部太陽の里野外音楽堂で盛大に開催され、道内をはじめ、道外からも多くの出演者、観客が訪れ、音楽で満たされた2日間を思い思いに過ごした。連日真夏日が続く今年の富良野を象徴するかのように、晴天に恵まれた会場は両日共30度を超え、文字通り熱いイベントとなった。
 3日は朝早くから関係者が集合して機材搬入、会場設営等の準備が行われた。午後6時からスタートした「前夜祭」では、札幌から来た「マリモ」を皮切りに、同じく札幌から来た「玲緒丸」「ポン」といった道内外でも活動する実力派常連組が顔をそろえる。夕闇が落ちる頃には、地元のロックバンド「トラッドロック」や帯広のメンバーも在籍する「トラッシュ」が出演。ロックの名曲を演奏し、会場を更に盛り上げた。
 この日のトリは地元の大御所「ホリデーアンサンブル」。総勢10人を数えるメンバーが入れ替わり立ち代わりステージで演奏する光景は実に圧巻。ベンチャーズから懐メロ、ポップスまで幅広く演奏し、すっかり日が落ちた会場を盛り上げ、初日を終えた。
 2日目は「ザ・ラベンダーズ」「オーバードーズ」といった若手地元勢でスタート。釧路から来た「グルーヴ・グルーブ」は去年まで「プラスアルファ」というバンドで、富良野で長い間活動していたギターの本間雄大さんが進学先の釧路の大学で組んだバンド。文字通りの凱旋に、客席の懐かしい顔ぶれから温かい声援がとんでいた。午後の日差しがきつくなり、この日一番の暑さを迎える頃、ステージにあがったのは札幌、旭川の混合バンド「ドン☆バンド」。メンバーの事情により3年間活動を休止していたが、活動再開に選んだのがこのイベント。
 ボーカルのスガデガスの「帰ってきましたドン☆バンド!」の声に、この日を待っていたファンから惜しみない声援が送られていた。後半には実行委員長の磯江信幸さんに「富良野代表というより、すでに北海道代表といっても過言ではない」と紹介されたラップの「AGO23」。機材トラブルに見舞われ、バックの音が出ない状況ながらもアカペラで即興で言葉を紡いで歌い、それをはねのけるパフォーマンスを展開し、会場を沸かせた。
 この日の大トリにはプロフォークシンガーでギタリストの松山隆宏さんがゲストとして登場。松山さんは「20数年前に別のイベントでこの会場で演奏したことがあります。ここはのどかで、なおかつ熱いイベント。またここに戻って来れて嬉しい」と感慨深く語り、とアンコールの声にも応えてイベントの幕を閉じた。
 実行委員長の磯江さんは「今回で32回を迎えたゆうふれ音楽祭。毎回たった25分程度の演奏の為に一年中このイベントの事を考えています。歴代の実行委員の方々がずっと続けてきてくれたおかげで20年前に出演した仲間とまたこの会場で会う事ができた。この想いを今後代々伝えていきたい」と語り、来年のゆうふれ音楽祭に向けての想いを新たにしていた。