2011年6月30日木曜日

国の子寮 改築 現施設の2倍の広さ

 社会福祉法人北海道婦人共立愛子会(名取シズ理事長)が運営する児童養護施設「富良野国の子寮」(高島正人施設長、寮生71人)の改築工事起工式が29日午前、同施設前の建設場所で行われ、来賓、職員、工事関係者を合わせ約50人が参列して工事の安全を祈願した。新施設は来年3月末までに完成。総事業費は解体工事費を含め約4億9000万円。
 同施設の改築は昭和39年以来3度目になる。新施設は鉄筋コンクリート3階建て。現在より約2倍の2800平方メートルの広さで、各階とも広いスペースが確保される。また、中高生の個室化、男女別の浴室も設計するなど、寮生たちが楽しく快適な生活が過ごせる新施設になっている。
 新施設は現施設西側の敷地内にT字で建設される。定員は75人。寮生の居室の約4割は個室化され、心理室や家庭支援室も設けられる。
 国の子寮は創立者の故名取マサさんが終戦と同時にいち早く、引揚げ孤児、戦災孤児の6人を自宅に預かったのが始まり。それは今から66年前の昭和20年8月のことだった。
 その後、有志の協力、支援を受けて同24年8月に鳥沼公園内に3階建ての「子供の家」を建設。そして同39年12月、現在地に鉄筋コンクリート一部2階建ての寮舎が完成した。同53年には児童居室を確保するため総2階に増築され、現在に至っている。その後、職員住宅の建設や体育館の全面改修、児童トイレ、洗面所、事務室などの改装が行われ、平成2年には施設前の敷地内に地域交流ホールが建設された。
 この長きにわたる児童に対する福祉活動の功労で名取さんは昭和40年に2人目の富良野市名誉市民に推戴された。また、昭和29年8月18日に天皇陛下が国の子寮を行幸し、同33年7月2日に皇太子殿下(現天皇陛下)が北海道御巡幸の際にお成りになっている。
 現在、同施設には3歳から18歳までの子供たちが生活している。平日は午前6時半に起床し、7時に朝食、11時半に昼食、午後5時半に夕食をとり、8時までに幼児と小学生は就寝。中高生は11時の消灯となっている。
 このほか年間の行事として海水浴、キャンプ、国の子寮祭、お楽しみ会、クリスマス会、スキー、お別れ会などが行われる。また小学生はクロスカントリースキーや野球などスポーツ少年団に参加し、中高生たちは部活動に励んでいる。夏には畑で野菜を栽培したり、鳥沼公園で自然と触れ合い、冬にはスキーやスノーボード、雪遊びを楽しんでいる。
 なお施工業者は、那知・菊田特定建設工事共同企業体(代表者・株式会社那知組)。



第10回ふらのクリエーターズマーケット 過去最多の8000人来場

 道内外の“モノづくり作家”がへそのまち富良野(山部)に大集合――今年で10回目を数える「ふらのクリエーターズマーケット」(実行委主催)が25、26日、富良野市生涯学習センターで盛大に開かれた。遠くは兵庫県、滋賀県、静岡県をはじめ、札幌、旭川、函館、砂川、江別など道内外から食の出店を合わせて93組が参加し、実演、体験、販売などを行い、モノづくりの楽しさ、素晴らしさをPRした。主催者の発表によると、2日間で過去最多の8000人が来場した。
 道内外で活躍するモノづくり作家(クリエーター)が、毎年同会場に集まり、様々なジャンルのオリジナル作品を展示販売。また実演やアート体験、さらに飲食コーナーも設営され、2日間にわたりモノづくり作家を囲み大勢の市民が交流、イベントを楽しんでいる。
 今年も2日間とも好天に恵まれ、家族連れの市民をはじめ、全道各地から大勢の人たちがモノづくり作家たちの作品を鑑賞しながら、買い求めていた。特に初日は過去最高の4500人が詰めかけ、2日目も3500人が訪れるなど、終日賑わった。
 実行委員会では「今年で10年目を迎え、年々人気が高まってきている。出展者のうち約3割が初めてで、富良野で開催されるモノづくりイベントに非常に関心が集まっています。初日は市内の人たちが多かったが2日目は道内各地から訪れ、モノづくり作家の出展した作品を楽しんでいただいた」と話している。

2011年6月28日火曜日

富良野の大地を走る 全国のサイクリング愛好者350人集う

 全国のサイクリング愛好者が一堂に会した「北海道富良野アースライド2011」(実行委主催)が快晴に恵まれた26日、スポーツセンター駐車場を発着に、50キロ、80キロ、110キロの3コースで開かれた。富良野市での開催は今年で2回目。参加したのは20都道府県から約350人。10代から70代までの愛好者が、富良野地方の花と緑、さらに広大な田園風景を舞台に、それぞれの体力に合わせて愛用の自転車で走り、大自然の素晴らしさを体感しながら、さわやかな汗を流した。
 同イベントは「自転車に乗って地球を楽しもう」を目的に、毎年、全国の主要観光地で開かれている。一昨年9月に富良野を会場にプレイベントとして開かれており、昨年は約200人が参加して開かれ、富良野―美瑛間の大自然を舞台に毎年継続して開かれることになった。
 同日は、午前7時から開会式がスポーツセンター駐車場で行われた。主催者側と来賓の能登芳昭市長が「富良野地方の美しい大自然を自転車に乗って存分に楽しんで下さい」と激励した後、10台前後のグループごとに間隔をおいて、参加者たちが愛用の自転車に乗って次々にスタートした。
 今年の参加者の中で横浜市の30代の夫婦は「冬に富良野を訪れているが夏は初めて。この日を楽しみにしていました」と感激した様子で話した。また東京から来た20代の女性は「友達に誘われて参加しました。素晴らしい天候に恵まれ最高の気分です」と初参加の感想を述べた。このほか親子、夫婦など家族ぐるみの参加者が多く、いずれもウキウキした表情を見せていた。
 同日は出発当時は10度以下の肌寒い気温だったが、昼過ぎには23度まで気温が上がり、終始無風快晴の穏やかな気温に恵まれた。
 参加者は富良野平野コース(50キロ、日の出公園折り返し)、ラベンダーコース(80キロ、拓真館折り返し)、北の国からコース(110キロ、五郎の石の家折り返し)の各コースに分かれてマイペースで自転車を走らせた。
 また、とみたメロン、日の出公園、拓真館、五郎の石の家、鳥沼公園の5ヵ所に休憩所が設営され、参加者たちは主催者側が接待したメロンなどの特産品を食べたり、しばしの休憩を取って次の場所に向かった。
 昨年に続いて北の国からコースに参加した市内の60歳代の男性は「美瑛に向かう坂道や中富良野町での登りは体力的にきつかったが、周りの美しい景色や農作物の生育状況を見ることもできた。さらに、素晴らしい天候に恵まれ最高の気分で自転車を走らせることができました」と約8時間でゴールし、こう感想を述べた。



往年の名車ズラリ 富良野で初の北海道クラシックカーミーティング

 往年の名車が“へそのまち”に大集合した「北海道クラッシックカーミーティングinふらの」(実行委員会主催)が好天に恵まれた26日、ふらのワインハウスのぶどうヶ丘公園駐車場で盛大に開催された。約120台のクラシックカーがズラリと展示され、訪れたファンを楽しませた。
 同ミーティングには昭和60年までに生産された国産車と外国車のオーナーが一堂に会した。展示されたクラシックカーの中で一番古いのは、昭和30年にイギリスで生産されたモーリス。所有者は富良野が実家という札幌市の会社員小松田誠一さん(41)。5年前に購入した。排気量が803ccのため最高時速は80キロに届かないが、通勤、買い物など生活の一部として運転しているという。
 このほかにも昭和40年代から50年代にかけて生産されたドイツやイタリア、さらに国産がズラリと展示された。クラシックカーのイベントは赤平市で3年前まで開かれていたが、その後中止になっている。それだけに会場を訪れた70歳代の市民は「赤平のイベントの時は毎年見に行っていました。その後中止になっているので寂しく思っていた所、富良野で開催されることになり、さっそく見学に来ました。当時人気のあった車が展示され本当に懐かしい」と話した。
 イベントは午前9時から午後3時まで開かれ、入場者の投票でグランプリ車などを決めるコンクールデレガンスやビンゴゲーム、抽選会、車に関するフリーマーケット、さらに屋台も出店するなど会場を訪れた市民やファンは、富良野で初めて開かれたイベントを楽しんでいた。
 実行委員長を務めた畑山修一さん=富良野市新光町2番=は「天候に恵まれたことで富良野でのイベントは成功した。富良野は北海道のど真ん中。愛好者が集まりやすい場所なので、今後継続して開催していきたい」と話している。

2011年6月27日月曜日

防犯功労ボランティア団体表彰 春日東町連合会が受賞

 長年にわたる防犯ボランティア活動の功績で富良野市春日東町連合会(桐澤博会長、戸数638世帯)が、北海道警察本部長と北海道防犯協会連合会会長から「防犯功労ボランティア団体」として表彰され、23日、桐澤会長と事務局長の平尾安雄さんの2人が市役所を訪れて、能登芳昭市長に受賞報告を行った。
 同連合会は春日第1町内会、東町1町内会など7町内会で構成され、昭和48年4月に結成。55年度に防犯モデル地域指定を受けたのに伴い、56年4月に「防犯と青少年非行化防止推進地域宣言」を行った。さらに宣言に伴い、関連の立て看板を地域内に設置したり、地域内防犯パレードを実施、また防犯懇談会を現在まで開催してきている。
 現在の主な活動は、地域安全懇談会を5月と10月の年2回。防犯パトロールは6月から10月にかけて年9回実施している。
 また、平成18年5月からは「春日東町連合会パトロール隊」を結成し、7町内会が交代で地域安全パトロールを行っている。19年8月からは車両3台、パトロール実施者6人と会員(延べ200人)で青色回転灯装備車両を始動させ、地域安全活動を強化するなど犯罪抑止と少年非行防止に尽力してきている。
 同ボランティア団体表彰は、今年度から新設された。表彰式は20日、北海道警察本部庁舎内で行われ、桐澤会長に表彰状が授与された。
 桐澤会長は「地域の協力があって長年にわたり防犯活動が行われています。その活動の取り組みが評価されました」と能登市長に受賞報告。これに対して同市長は「長い間にわたり継続して地域防犯活動の推進を行ってきていることは素晴らしい。これからもよろしくお願いします」と受賞を喜び、改めて地域防犯活動の大切さを訴えた。



布礼別小1~4年生が集落センター花壇で花植え

 布礼別小学校の1~4年生12人が今月9日午前、校舎近くにある布礼別集落センター前の花壇で花の苗を移植し、環境美化に協力した。同日は27度を超える暑さになったが、児童たちは元気にマリーゴールドなど花の苗を植えた。
 この花壇への花の移植は布礼別老人クラブ(大島克己会長、会員21人)が毎年実施しているが、布礼別小学校の子供たちも全面的に協力している。会員の平均年齢が85歳と高齢化しているため、今年の移植作業は難しい状況だったが、教職員も協力したことで実施することができたという。
 植えられた花の苗はマリーゴールドのほかサルビア、ペチュニア、ベコニアの4種類9色計450本。昨年までは1、2年生のみの移植だったが児童数が減ったことから今年は3、4年生も加わった。移植作業は30分ほどで終了した。1年生の堀端祐里さん(7)は「きれいな花がいっぱい。とても楽しかったです」と笑顔を見せていた。
 大島会長は「会員の年齢が高齢化しており、花壇の整備が厳しい状況になってきている。子供たちの協力を得ることができ、今年も立派な花壇作りができました。また、富良野市街地で生活している会員もおり、今日わざわざ来て作業に加わってくれました」とお礼を述べ、子供たちにはノートをプレゼントし感謝した。

2011年6月23日木曜日

秋まき小麦と大麦は生育が回復

 上川農業改良普及センター富良野支所は、15日現在の農作物生育状況と農作業状況をまとめた。それによると、生育状況では秋まき小麦と大麦は6月以降、気温が高めに推移していることから生育が回復してきている。しかし、馬鈴しょ、大豆、小豆、玉ネギは植え付け、は種、移植作業がそれぞれ遅れたことから生育は平年より1週間程度遅れている。
 水稲は平年並みだが水管理の違いで分けつ数はほ場によって差が大きい。秋まき小麦は4月下旬から5月上旬の低温により生育が遅れていたが6月以降の好天で生育が回復し、平年より3日遅れ。大麦は、は種作業の遅れに伴い、生育が大幅に遅れていた。しかし、6月以降、気温が高めに推移しているため、生育が回復し、平年より11日の遅れ。
 馬鈴しょは平年より6日の遅れ。植え付け作業は6月1日に完了したが平年より8日の遅れ。大豆は、は種作業の遅れで出芽が遅れており、平年より6日の遅れ。小豆は、は種作業が4日に完了しているが6日の遅れ。てん菜(ビート)は移植作業の遅れに伴い、生育は遅れている。活着の良否は移植時期やほ場間で大きな差が出ている。玉ネギは移植作業の遅れに伴い、平年より11日生育が遅れている。サイレージ用とうもろこしは出芽期は遅れたが、出芽後の好天により、生育が回復している。
 園芸作物関係では、ニンジン(晩春まき、向陽2号)は5月中旬までの低温と6月上旬の小雨の影響により、葉数が少なく生育が遅れている。メロン(ハウス半促成、ルピアレッド)は5月上旬まで、定植の作型では遅れが見られるが、以降の作型は定植後の好天により順調に生育。しかし、低温の影響により一部果実の小型化が見られる。スイカ(トンネル穴開、マイティー21)は露地トンネル作型では、定植作業は遅れたが、ハウス、トンネル作型とも生育は回復している。



好天の中、第2回富良野トレイルラン 195人出場

 富良野スキー場のゲレンデを駆け登ったり、下ったり、再び駆け登るなど日本一の難コースと言われる「富良野トレイルラン第2回2011」(実行委員会主催)が好天に恵まれた19日、盛大に開催された。参加したのは遠くは奈良県など全国各地の愛好者195人。参加者たちは30キロメートル、15キロメートル、10キロメートル、3キロメートルの各コースに分かれて富良野スキー場の新緑と富良野盆地の景観を楽しみながら、それぞれ体力の限界に挑戦した。
 開会式は午前8時から同スキー場北の峰ゾーン駐車場前のゲレンデで行われた。はじめに来賓の原正明富良野市経済部長が「富良野トレイルランは登る時はリフトを使わず、そして下りる時もスキーやボードを使わないという競技。富良野の美しい自然を楽しみながら、体力の限界に挑戦して下さい」と出場者を激励した。この後30キロメートルコースに挑む55人が斜面を一斉に駆け登った。続いて15キロメートル、10キロメートル、3キロメートルの各コース順にスタートした。
 30キロメートルコースは北の峰ゾーンから連絡リフトの斜面を登り、富良野ゾーンのロープウェー山頂からゲレンデを下り、再び登るという高低差約1000メートルを2往復するという超ハードコース。このため制限時間は約8時間に設定されているが、午後3時までに到着した参加者は41人。トップでゴールした男性は4時間20分17秒だったが、第1回目の昨年は自衛隊員が3時間半という驚異的なタイムを出している。
 同コースには富良野市内からも多数の愛好者が出場した。その中で30代の男性公務員は7時間以上かかってゴールした。「無事ゴールできたが体力の限界だった。来年もう一度挑戦するなら15キロメートルコースにしたい。とても周りの景観を楽しむ余裕はなかった」とレースを振り返った。また、30代後半の男性は約6時間半でゴールしたが「とても厳しかった。体力の限界を超えていた。挑戦は今回だけにします」と過酷なトレイルランの厳しさを語った。
 初心者の3キロメートルには市内のノルディック・ウォーキング愛好者7人が参加し、一段と色濃くなった周りの緑や景観を楽しみながら、マイペースでトレイルランに参加していた。

2011年6月21日火曜日

住宅用火災警報器の普及を 戸別訪問、設置率を調査

 富良野広域連合富良野消防署は4月から住宅用火災警報器普及啓発推進の一環として、町内ごとに設置状況を調査している。設置率は今月中旬までで約60%。最も高いのが北の峰町の75%、最も低い地区は44%台。特に富良野市街地以外の設置率が低い傾向にあるという。同消防署では2年計画で全世帯を対象に戸別訪問しながら設置状況を調査し、設置に向けた協力を呼びかけていく方針だ。
 住宅用火災警報器は、平成18年6月1日から、火災による死者を防止するため、新築住宅では設置が義務化された。また、既存住宅に対しては最大5年間の猶予期限が設けられていたが、今月1日から全住宅に対して完全義務化となっている。設置率は全国平均で約60%台となっているが、富良野消防署では設置率の実態調査を4月から実施し、普及率を上げるため、各町内ごとに防犯教室や共同購入などの推進を呼びかけている。
 それによると、これまでに調査を行ったのは東町と北の峰町を皮切りに日の出町、幸町、朝日町、西町、若松町、東山、老節布、西達布、麓郷、布礼別、富丘、布部の計1871世帯。設置率は59・9%だった。最も設置率が高いのは北の峰町で全世帯の7割以上。最も低い地域では4割強となっている。富良野市街地では設置率が6割を超えているがそのほかの地域では設置状況が低い。
 同消防署では5月20日に開かれた連合町内会協議会(赤塚健会長)の定期総会に伊藤博行指導係長が出席し、住宅用火災警報器の普及と啓発推進に協力を改めて求めた。この中で住宅用火災警報器を設置したことから2件の火災が未然に防止できたという情報提供を行った。
 それによると、1件は北の峰町のブロック造り1階建て住宅で、男性が居間でカセットコンロに鍋をかけて調理をしていたが、空焚き状態となり、煙が発生し、火災警報器が鳴ったため、早めに気がつき火災を免れた。もう1件は錦町の木造2階建て住宅で、女性が台所で調理中その場を離れ、居間でテレビを観ていたところ、台所に設置してあった火災警報器が鳴り、ガスコンロから煙と炎が立ち上がっていた。水をかけて消火をしたが火は消えず119番通報を行った。幸い室内に煙が充満しただけで、消防隊員が到着する前に火は消えていた。
 同消防署では「火災のない町、火災での死者、負傷者を絶対に出さないためにも今後、住宅用火災警報器の設置の普及率をさらに上げていかなければならない。また、戸別訪問においては、消防署と名乗り法外な金額で販売する業者もあることから、購入時には自らが信頼できる販売業者から購入よるよう呼びかけており、消防署では販売などは一切していない」と設置の普及と注意を呼びかけている。問い合わせは同署(23・5119番)へ。



富良野岳と十勝岳で山開き安全祈願祭

 本格的な夏山シーズンの到来――好天に恵まれた19日、富良野岳と十勝岳で山開き安全祈願祭が行われ、関係者や多数の登山愛好者たちが今シーズンの無事故安全を祈願した。この後、参加者たちは頂上を目指して新緑に包まれた登山道を登り、本格的な夏山登山を存分に楽しんでいた。
 富良野岳(標高1912メートル)では、ふらの観光協会が主催して同岳登山口(ニングルの森)で午前7時から行われた。参加したのは、富良野ボーイスカウト第1団の小学生4人をはじめ、鳥沼小学校の児童と保護者、父親や母親に連れられた小学生、さらに遠くは帯広、札幌、美唄、旭川など道内各地から愛好者合わせて約90人。神事で今シーズンの無事故安全を祈願し、参加者たちが祭壇に玉串を捧げた。
 この後、富良野岳縦走を目指す20人と原始ヶ原コースを目指す児童生徒と市民合わせて70人が林間コースから登山を開始した。最年少で富良小1年の双子の姉弟は「これから頑張って登ります」と話し、元気いっぱいに登り2時間半後に原始ヶ原に到着した。
 同日は無風快晴に恵まれ、気温も25度を超す夏日となった。この中、参加者はウグイスなど野鳥のさえずりや登山道の山草、途中からは布部川渓流の滝を観賞するなど自然の醍醐味を満喫し、午後2時ごろに無事下山した。
 一方、十勝岳(標高2077メートル)の山開き安全祈願祭は同日午前7時半から、十勝岳温泉凌雲閣前駐車場で行われ、関係者や大勢の登山愛好者が参列して、今シーズンの無事故を祈願した。この後、郷土太鼓・安政太鼓の演奏で、計71人が十勝岳本峰、富良野岳、上富良野岳、安政火口の4コースに分かれて登り始め頂上を目指した。
全道高校電卓競技大会団体の部 緑峰高が全国大会出場

 第64回北海道高等学校珠算・電卓競技大会兼第58回全国高等学校珠算・電卓競技大会北海道予選の電卓部門の団体で、富良野緑峰高校が初優勝を飾り、8月2日、東京都立荒川商業高校で開催される全国大会に出場する。
 同競技大会は今月3日、北見市で開催され、11校から44人の生徒が出場し、珠算と電卓に分かれて実力を競い合った。富良野緑峰からは情報ビジネス科2年の工藤冬花さん(16)、同、岩渕佳代子さん(16)、流通経済科2年の松田知恵さん(16)が出場し、乗算・除算・見取算・応用計算の4競技で総得点1310点を挙げ、準優勝の旭川商業に210点の大差をつけ、念願の全国大会出場権を手にした。
 また、個人戦でも工藤さんが2等、岩渕さんと松田さんが3等に入賞。このほか流通経済科1年の鎌田千夏さん(15)、情報ビジネス科1年の佐藤まど佳さん(16)が佳良賞(10位以内)を受賞した。
 同競技は乗算・除算・見取算の計300点と応用計算300点の計600点を競い、出場選手の上位3人の合計点で団体の部を競い合った。この結果、工藤さんが510点、岩渕さんが410点、松田さんが390点を挙げ、見事初優勝を飾った。3人は3月から全国出場を目標に、他の商業クラブ員と放課後2時間余りの練習を積み重ねてきた。さらに3月に函館、4月に札幌の高校へ遠征し、また5月には帯広から生徒を迎え入れて競技会を開き、実力を徐々に高めていった。
 全国大会に向け工藤さんは「練習では560点が最高。自己ベストを目指したい」、岩渕さんは「全道大会では失点が多かった。全国では失点を少なくしたい」、松田さんは「全道大会では雰囲気に飲み込まれ、十分に力を発揮することができなかった。全国では飲み込まれないよう普段の力を発揮したい」とそれぞれ意気込みを語った。
 顧問の保坂雅裕教諭(36)は「生徒たちは全国大会出場を目標に連日猛練習を行ってきた。その成果が実りました。全国大会では出題される問題が全道大会より難しくなるが、練習では3人の合計得点が1600点台なので、さらに練習を積み重ねて入賞(3位以内)を目指したい」などと話し、全道大会での活躍をたたえ、全国大会へ向けて大きな期待を寄せている。



富良野市音楽大行進 15団体509人参加

 富良野市内の児童生徒が一堂に会した「富良野市音楽大行進」(実行委主催)が15日午後、中心市街地で行われた。小学校9校、中学校3校、高校2校とPLMBAバトンクラブ富良野教室の計15団体から509人の児童生徒が参加し、郷土の発展と平和を願う音楽行進を1時間余りにわたり行い、沿道に詰めかけた保護者や市民を楽しませた。
 同日は午後から雨の予報が出されていたが予報は外れ、予定通り実施することができた。富良野小学校グラウンドで午後1時15分から開会式が行われ、能登芳昭市長が「今日は音楽演奏の発表の場。日頃の練習成果を沿道の市民に披露して下さい」と激励し、各学校で取り組んだ東日本大震災の義援金活動にお礼を述べた。
 この後、樹海小の25人の児童を先頭に、布礼別小、布部小、麓郷小、鳥沼小、山部小、扇山小、東小、富良野小、山部中、富良野西中、富良野東中、PLバトンクラブ富良野教室、富良野緑峰高、富良野高が南3丁目通→東5条通→相生通→西2条通の市街地で威風堂々と演奏を行った。沿道には児童生徒の保護者や大勢の市民が詰めかけ、ビデオカメラやデジカメで子供たちの力強い演奏を撮影していた。

2011年6月16日木曜日

山部産のミネラル肥料を全国販売

 株式会社ノザワ(野澤俊也取締役社長、本社・神戸市)は、フラノ事業所(二川(ふたがわ)俊哉所長)=富良野市山部市街=でかつて建材の原料として使っていた蛇紋岩(温石綿精製鉱さい)からミネラル肥料の精製を東京農業大学と共同開発し、昨年3月から地元富良野圏域を中心に全国展開で販売しているが、13日、野澤社長(48)や担当者3人が能登芳昭市長を表敬訪問し、これまでの販売経過や同肥料の試験実績、量産体制の状況などを説明し、全国に向けた販路拡大の協力を求めた。
 同社は長年にわたり建材開発にかかる無機材料の改質技術を応用し、農作物の病虫害に対する耐性を高め、光合成の増進や養分吸収を促進させて、美味しさと品質をより向上させる農業用肥料の開発研究を東京農業大学と共同で行ってきた。その結果昨年、富良野市山部産のミネラル肥料を開発することに成功し、「マインマグ」という商品名で全国販売を開始した。



戦公没者追悼式に遺族や関係者151人参列
 富良野市主催の「戦公没者追悼式」が15日、新緑に包まれた朝日ヶ丘公園の平和祈念塔前で行われた。遺族70人のほか、各関係団体の代表者など計151人が参列し、戦没者650柱と開拓功労の父・中村千幹など開拓功労者や郷土発展に尽力した名誉市民など公没者14柱の御霊(みたま)を厳かに慰め、恒久平和と郷土富良野の限りない発展飛躍を願った。
 式典は午前10時から行われ、主催者の能登芳昭市長は、「数多の尊き命が失われた先の大戦から早66年の歳月が過ぎ去り、戦争の記憶が風化されつつある今日、戦争の悲惨さ、開拓のご労苦をしっかりと心に刻み、ここに戦公没者の御前に皆様とともに慎んで哀悼の誠を捧げ、恒久の平和を祈り、市民とともに健やかに生き、明日の富良野の更なる発展のために心を合わせて努力することを、お誓い申し上げます」などと式辞を述べた。
 この後、北猛俊市議会議長(代理)をはじめ、知事(代理)や戦公没者遺族代表で富良野市連合遺族会会長の森本正義さん(85)らがそれぞれの立場から追悼の言葉を述べた。森本さんは「今でも亡くなった肉親がまぶたに浮かぶ。二度と戦争を起こしてはいけないという原点を忘れず次世代に伝えていきたい」などと戦後66年を振り返り、恒久平和の大切さを訴えた。
 この後、能登市長を皮切りに、市議会議長、道議会議員など各団体の代表者をはじめ、遺族が次々に祭壇に上がり献花を捧げ、戦公没者に対して心から追悼の意を表し、改めて郷土の発展と恒久平和を願った。

2011年6月14日火曜日

緑峰高生のアイディア商品をマルシェで限定販売

 ふらのまちづくり株式会社(西本伸顕代表取締役)は、フラノ・マルシェ1周年記念事業の一環として、「パン&スイーツのアイディア募集」を行っていたが、審査の結果、入賞者を決定し、11日、授与式を同施設のサボール内で行った。
 寄せられたアイディア作品は、市内の小中高生を中心に373点にものぼった。審査の結果、パン部門の最優秀賞に富良野緑峰高校園芸科学科3年、坂本美央さん(17)の「夏の宝石◇◆◇◆トマトパン」、優秀賞に富良野西中1年、荒関海斗さんの「とうきびパン」、アイディア賞に扇山小4年、谷口結菜さんの「富良野メロンパン」がそれぞれ選ばれた。
 スイーツ部門の最優秀賞に富良野緑峰高校流通経済科3年、太田雅人さん(17)の「富良野野菜のケークサレ『まるごとふらの』」、優秀賞に富良野西中1年、小野塚留佳さんの「にんじんケーキ」、アイディア賞に扇山小4年、清水満咲さんの「フルーツいっぱい」がそれぞれ選ばれた。
 坂本さんのアイディアパンの材料はトマト、ジャガイモ、コーン、オニオンの野菜とチーズ、ベーコンを入れた文字通り夏の宝石をちりばめたパン。坂本さんは「私はトマトが大好きなので、トマトを使ったパンができないかと色々と工夫してみました。食べた人が幸せになるようなパンを作ってみたいと思いました。最優秀賞に選ばれ、実際に販売されると聞かされ信じられない気持ちです」と賞状と副賞の商品券を手に笑顔を見せた。
 また、スイーツ部門で最優秀賞に選ばれた太田さんは「普段料理を作ることはないが、授業で先生からアイディアコンクールのことを聞かされ応募を決意した。たまたまテレビで甘くない塩味のケークサレのことを知り、作ってみたくなった。アイディア作品はパンも含めて3種類考えた。おいしい富良野の野菜を使ったら良いケークサレができると思い、カボチャ、ニンジン、タマネギ、アスパラガス、ジャガイモなどを材料に作った」と話し、「野菜が嫌いな子供にもおすすめです。実際に店頭で販売されることになり、地元に貢献でき嬉しい」と受賞の喜びを語った。
 授与式で西本社長は「たくさんのアイディア作品が寄せられ大変嬉しい。今回のアイディア商品は数量限定だが直営店でこれからもいろいろなアイディア商品を作り、フラノ・マルシェのPRに努めたい」と話している。新商品のパンは500円、スイーツは550円で販売。



富良野・美瑛ノロッコ号 初運行に観光客210人乗車

 本格的な夏観光の到来を前に11日、JR北海道の観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」が運行を開始した。旭川・美瑛~富良野区間で、観光客などにのんびり、ゆっくり田園風景を楽しんでもらうのを目的に、今シーズンも8月31日までの毎日と、9月3日から25日までの土、日、祝日に運行する。
 ノロッコ号は美瑛から富良野にかけての約30キロメートル区間は時速約30キロの低速で走行し、大雪、十勝岳連峰の雄大な山岳美をはじめ、パノラマ状に広がる富良野盆地の美しい田園風景を楽しんでもらう。ラベンダーで有名な中富良野町には臨時駅「ラベンダー畑駅」を設置し、徒歩で約7分のファーム富田のラベンダーを楽しむことができるよう配慮している。
 運行開始に当たり、同日午前9時過ぎ、旭川駅のプラットホームで富良野美瑛観光推進協議会主催の出発式が行われた。到着の富良野駅ではふらの観光協会の職員と観光ボランティアの会員が乗客約210人にラベンダーポプリと「北の国から」30周年記念絵はがきを配り、歓迎した。今シーズンの初運行ということでSLがけん引したことから、ホームに降りた観光客たちはSLの前でビデオやデジカメで黒煙を上げている雄姿をしきりに撮影していた。
 なお、ノロッコ号は今月いっぱいは3両編成(定員170人)、7月からは4両編成になる。

2011年6月13日月曜日

台湾少年野球チームと交流

 少年野球国際交流事業実行委員会(佐伯勝利会長)が9日、富良野文化会館で開かれ、8月に台湾少年野球チームを招待し、市内の中学校野球チームとの交流試合を3日間にわたり市営若葉球場で開催することを決定した。また、交流試合では北海道日本ハムの野球教室の開催も予定している。
 富良野市は平成20年と21年にアメリカから少年野球チームを招待し、日米親善少年野球交流事業を開催しているが、昨年はアメリカ側から軟式野球チームの編成はできないなどの理由から、富良野での交流試合は中止となった。
 しかし、実行委員会側では少年野球チームの国際交流事業を進めていくため、社団法人少年軟式野球国際交流協会の協力を求めた結果、今年度は台湾少年野球チームとの交流試合が実現した。
 昨年度まで日米親善少年野球実行委員会を設置していたが、今年度からは名称を変更して引き続き交流事業を推進していくことを決定した。新たに発足した実行委員会は会長にふらの体育協会理事長の佐伯氏、副会長にふらの観光協会会長の黒岩岳雄氏、富良野軟式野球連盟会長の高橋尚志氏を選び、7人の委員で構成。
 この委員の中に北海道中学軟式野球連盟専務理事で社団法人少年軟式野球国際交流協会北海道支部長の夏堀正勝氏を新たに加えた。夏堀氏は山部出身で少年野球チームの普及と発展に尽力している。夏堀氏は「少年軟式野球国際交流協会には36ヵ国が加盟している。その子供たちを受け入れることができるので十分なお手伝いが可能と思います」などと全面的な協力を約束した。
 招待する台湾少年野球チームは台湾の合同チームでなく単独校。選手25人のほか、監督、コーチ、野球連盟など計35人が来富する。富良野市内の少年野球チームは富良野東中、富良野西中、山部中、樹海中、麓郷中の5校と占冠中、トマム中の野球部員、顧問合わせて約100人で編成する。
 台湾少年野球チームは8月1日に富良野入りする。2日に市長表敬訪問を行った後、学校を訪問。3日から5日まで交流試合が市営若葉球場で開かれ、市内の少年野球チームと対戦する。6日にさよならパーティーが文化会館で開かれ、7日に帰国する。なお、台湾チームの選手たちはホームステイを行い、日本の家庭で異文化交流を楽しむ。



今年も効果的な街頭補導を

 富良野市青少年補導センターの補導員会議が1日、文化会館で開かれ、今年度の活動計画と補導計画などを協議した。それによると街頭補導は年間40回程度実施し、子供たちの安全を守る。このほか研修会の開催や青少年の非行問題に取り組む全国強調月間(7月)などの関連活動を行う。また、社会の環境浄化の一環として、有害図書追放白ポストを今年度も引き続き文化会館横に設置。
 同センターは、昭和50年に設置され、青少年の健全育成と非行防止を効果的に推進することを目的に活動が行われている。補導員は小学校、中学校、高校の教諭とPTA役員、さらに民生児童委員、更生保護女性会、中央婦人会の計36人で構成され、任期は2年。
 会議でははじめに宇佐見正光教育長が代表の柳澤直樹さん(富良野小教諭)に辞令を交付した後、「安全で安心な地域づくりの先頭に、教育委員会と共に各補導員の皆様方のご支援を頂きながら、犯罪のない明るい社会づくりに協力をお願いします」などと改めて協力を求めた。
 この後、平成22年度の補導状況や有害図書追放白ポストの回収状況などが報告された。この中で白ポストの回収では今年3月末現在で図書187冊、ビデオテープ24本、DVD50本だった。
 続いて23年度活動計画を原案通り承認した。それによると街頭補導、祭典特別補導を年間40回程度実施するのをはじめ、列車添乗補導、合同補導などの広域補導、カラオケボックスの巡回を行う。このほか、社会を明るくする運動強調月間(7月)の街頭パレード参加や道青少年健全条例指定図書の立ち入り調査を市内の書店で実施する。

2011年6月9日木曜日

 高校生ものづくりコンテスト全道大会電気工事部門で見事最優秀賞

 北海道工業高等学校長会、北海道高等学校工業クラブ連盟が主催する「第11回高校生ものづくりコンテスト北海道大会電気工事部門」が6、7日、富良野地域人材開発センターで開かれ、富良野緑峰高校電気システム科3年の萩原龍也さん(17)が見事最優秀賞に選ばれ、11月に東京都で開催される全国大会に出場する。同校からの全国出場は初めて。
 同大会は、高校生など若い人たちがものづくりへの関心を高め、技術・技能尊重の社会的機運を盛り上げるのを目的に毎年開催地を変えて実施されており、富良野では初めて。大会には留萌千望、苫小牧工業、室蘭工業、帯広工業、函館工業、札幌琴似工業、釧路工業、旭川工業、富良野緑峰の9校から選抜された9人が出場した。
 6日午後、開会式が同人材開発センターで開かれ、7日午前9時から競技が行われた。競技は縦横1・8メートルの電気工事配線板に4種類ある課題のうち1つを選び、1時間半の持ち時間で配線工事、接地工事、電線接続などの技術を競い合った。
 出場者は安全ブレーカー、埋め込み連用3路スイッチ、パイロットランプ、ケーブル、ねじなし電線管など44種類の材料を使用し、スイッチを入れると同時に、または常時ランプが点く配線作業の正確さとスピード、さらに見た目にきれいに仕上げるという技術を制限時間内で競い合った。
 最優秀賞を受賞した萩原さんは終始落ち着いて一連の電気工事配線を行った。萩原さんは同大会に向けて何度も時間内に配線工事を終える特訓を行った結果、見事実ったという。審査は北海道電力株式会社富良野営業所の職員が行い、減点法で採点した。



カレーソースを開発 富良野オムカレーのイベントに向け使用

 富良野オムカレー推進協議会(谷口正也会長、14店舗加盟)は、「富良野オムカレーイベント向けカレーソース」を開発し6日、試食会が市内のナチュラクスホテルで行われた。同カレーソースは道内外で開かれる食のイベントで使用するもので、富良野オムカレーの安定した味や品質を確保するのが大きな狙い。7月2日から北見市で開かれる「新・ご当地グルメグランプリ北海道2011inオホーツク北見」を皮切りに、道内外で行われる食のイベントや物産展などで来場者に提供する。
 同協議会では道内外のイベントに出店する機会が増え、そのたびに出店に協力する協議会正会員(提供店)が、カレーソースを仕込んでいた。このため観光シーズンなどの繁忙期には、通常の店舗営業で使用するカレーソースとイベント用の仕込みに追われ、負担が強いられていた。また、イベントの参加では提供店の出店ではなく、同協議会の名前で出店しており、イベントに協力する提供店が変わるなどして、カレーソースの味や品質が異なっていた。
 このため、イベント状況が変わっても安定した味や品質のカレーソースを確保する必要があった。さらに大規模イベントでは大量にカレーソースを仕込む場合があり、食品衛生上のリスクを回避するためにもカレーソースの開発は急務だった。
 そこで昨年9月、玉ネギやニンジンなどの原料を提供している、ふらの農業協同組合、ふらのワインを販売している富良野市ぶどう果樹研究所、カレールウ・フレーク、スパイスを供給しているハウス食品㈱、野菜の中間処理を行っている大阪丸北商事㈱、カレーソースを開発している㈱タンゼンテクニカルプロダクトの5社と連携し、統一した新しいカレーソースの開発に乗り出した。これまで関係者が集まり試作品の試食会を計5回開き、5月19日に同協議会役員が最終試作品の試食会を行った。
 同日の試食会には同協議会の相談役を務めている能登芳昭市長、佐々木淳富良野商工会議所専務理事(会頭代理)、黒岩岳雄ふらの観光協会会長が出席した。試食を行った能登市長や黒岩会長は「おいしい。コクがあり、辛みも程良い」などと合格点をつけた。
 同協議会では「大勢の人たちが集まるイベント会場には子供たちや女性も多いので、カレーソースの辛みは少し控えめにしてあります。統一したカレーソースが開発できたので今後開かれる野外イベントでは効果的に提供することが可能になり、富良野オムカレーを道内外に売り込んでいきたい」などと話している。

2011年6月7日火曜日

夏山登山 開幕 富良野西岳で山開き

 富良野地方の夏山登山の開幕を告げる富良野西岳(標高1331メートル)の「山開き安全祈願祭」が好天に恵まれた4日早朝、富良野ロープウェー山頂駅で行われ、関係者多数が参列して今シーズンの無事故を祈願した。
 ふらの観光協会と新富良野プリンスホテルの主催で毎年開かれている。2005年11月に101人乗りの富良野ロープウェー(全長4000メートル)が完成。夏季も運行し、「ロープウェーと登山」を新たな観光資源として、西岳をPRしている。今シーズンも同日を皮切りに、10月16日まで運行する。
 祈願祭は午前7時過ぎから行われた。市、市議会、警察、山岳会、観光協会、旅館業組合など関係機関の代表者と市民登山会に参加した愛好者が参列し、祭壇に玉串を奉納して今シーズンの同岳の無事故を願った。
 この後、午前8時から市民登山会が行われた。市民をはじめ、美唄、岩見沢、旭川、和寒など道内の登山愛好者と富良野山岳会会員の計35人が、新緑に包まれた西岳と眼下に広がる富良野盆地の景観を楽しみながらさわやかな汗を流した。
 参加者の中には富良野小2年生の植村風太君(7)が父親に連れられて山頂を目指した。植村君は幼稚園の時にも登っており2度目の挑戦。「早く登りたい」と父親より先に軽やかに登山道を登り始めた。また、30代の女性は「西岳に登るのは初めて。今日はさわやかな天候に恵まれたので山頂を目指すのが楽しみです」と笑顔を見せていた。
 主催したふらの観光協会会長の黒岩岳雄さんは「昨年のロープウェー利用者は4500人にのぼった。今シーズンからは外国人に無料で利用してもらうことになっている。事故のないように夏山登山を楽しんでほしい」とPRしていた。
 主催者側では、10月の紅葉シーズンには市民登山会を開催する予定という。



今年も3万匹の幼魚を放流 小学生ら市民90人が放流会に参加

 元気に大きく成長してね――空知川に魚を育む会(佐藤邦昌会長)と富良野市共催の「市民幼魚放流会」が4日午前、布部大橋下流の空知川で開かれた。小中学生をはじめ約90人の市民が参加して、アメマスやニジマスの幼魚約1万匹を放流した。
 富良野市内の河川に棲む魚を育むのを目的に毎年開かれており、今年で29回目。空知川をはじめ布部川、ベベルイ川、西達布川など6河川で放流。今年も約50万円(うち市の補助金10万円)の資金でアメマスとニジマスの幼魚約3万匹、さらにニジマスの発眼卵約1万5000粒を放流。今年で計約132万匹にのぼった。
 放流会は午前11時から行われた。佐藤会長が「自然を大切にし、河川にたくさんの魚が棲めるようにしたい」とこれまでの経過を説明し、参加した大勢の市民にお礼を述べた。この後、布部地区の小中学生をはじめ、カブスカウト隊員、家族連れの市民ら関係者が空知川の清流に、体長約10センチの幼魚を次々に放流した。
 毎年参加している布部小の児童たちは「魚の放流は楽しい。大きく育ってほしいです」と放流会を楽しんでいた。佐藤会長は「今年は中学生も参加してくれました。また市議会議員の方が8人参加した。次世代の子供たちのためにもこれからも放流会を続け、いつまでも思い出に残る河川を守りたい」と話す。

2011年6月6日月曜日

タイヤ盗難が多発

 タイヤ泥棒にご用心――5月に入ってから車庫や倉庫に保管されているタイヤの盗難事件が相次いでいる。富良野警察署では「シャッターは必ず下してください。また、車庫付近を低速で何度も走っている不審な車には十分気をつけ、そのような不審車を目撃した場合は直ちに通報して下さい」などと注意と協力を呼びかけている。
 同署の発表によると、今年に入って6月2日までに15件のタイヤ盗難被害と1件の未遂が届けられており、昨年1年間の被害届け出15件とすでに同数となっている。特に5月は11件と多発。6月1日にも未遂を含めて2件の届け出があった。市町村別でみると上富良野町に集中し10件。富良野市5件(うち未遂1件)、南富良野町1件。
 被害場所を見ると一般住宅の車庫が11件、倉庫4件、その他1件(未遂)。富良野市内の倉庫では大型タイヤが1度に100本も盗まれており、南富良野町でも同じく23本。一般住宅の車庫では冬タイヤが盗まれている。被害に遭った一般住宅ではいずれもシャッターを上げたままの状態だったという。1日に未遂に終わったケースは野積みだったが鎖で施錠してあった。
 同署の話によると、被害に遭った付近で聞き込み捜査を行った際、車庫に保管してあったタイヤを確認したところ、4本そっくり盗まれていたことに初めて気付いた被害者もいたという。
 同署では犯行の手口から同一犯の可能性もあると見ているが、「昨年は5月までに7件しか発生していなかった。今年はすでに昨年と同じ件数になった。観光シーズンを迎え、これから秋口にかけてタイヤ盗難が相次ぐことが予想される。車庫の中が丸見えにならないようにシャッターは必ず下げ、用心のため鍵をかけて下さい。また、昼間車庫の付近を車が何度も行き来している不審車を目撃したら、すぐに情報を提供してほしい」などと協力を求めている。



「北の国から」広場 放映30周年記念事業始まる

 「北の国から」放映30周年記念事業実行委員会(能登芳昭実行委員長)は、同記念事業の皮切りとして「北の国から」広場のオープン式を2日、元ふらの広場=市内朝日町5番=で行った。能登実行委員長をはじめ、同事業の総合プロデュースを務めている倉本聰さんら関係者がテープカットを行い、10月末まで観光客や市民に開放する。
 オープン式には約150人の関係者が集まった。テープカットを行った後、能登実行委員長が「3月11日の大震災は自然の恐ろしさと大切さを知らされた。広場は10月まで開設されるが富良野の良さを全国にアピールし、憩いの場として全国から訪れる観光客を迎えたい」などとあいさつ。また、倉本さんは「今回の大震災は意識の転換になり、今、黒板五郎の生き方が求められる。この大震災を機に30周年の記念事業が行われることは感慨深く、ぜひ成功することを願っています」などと述べた。
 開設された同広場には、ドラマ作りに関わった多数のスタッフら関係者が打ち合わせなどを行った元パーラータケダの店内を再現したセットをはじめ、30年間の歩みを振り返った様々なパネルやドラマのスライド上映などが行われている。7月1日からは記念グッズも販売される。同広場は午前9時から午後5時まで開き、休館日はない。入場は無料。
 なお、記念事業は10月に集中して記念講演会、記念モニュメントなどが行われるが、テレビドラマ「北の国から」の誕生秘話をテーマに倉本さんが放映30周年記念に書きおろした新作『獨白』の販売をはじめ、「黒板五郎の流儀」バスツアーが3日から始まっており、10月10日にかけて行われる。
 このほか記念グッズの販売や記念飲食メニュー(28メニュー)が35店舗で提供される。また4店舗でお土産を販売。さらに湖池屋では「北の国から」放映30周年を記念したポテトサラダ風味のポテトチップス120万袋を全国展開で販売する。

2011年6月2日木曜日

連合町内会協議会で定期総会

 富良野市連合町内会協議会の定期総会が5月20日、地域福祉センターで開かれ、平成23年度の事業計画と予算を原案通り承認し、会長に赤塚健氏を再選した。
 同協議会は、平成5年に連合町内会の共通の課題を解決し、連帯を強めるなどを目的に13連合町内会で発足。
 はじめに赤塚会長が「発足以来、18年になるが地域の安全・安心と福祉のまちづくりに少しでも役立つことを目的に活動を行ってきた。9年ほど前に行った視察研修先で『ふれあいサロン』のことを知り、富良野でも導入することになった。これからもしっかり勉強して地域の活動に役立てるように努めて行きたい」などとあいさつし、協議会のさらなる発展を願った。
 この後、議事に入り、平成22年度の経過報告と決算報告、さらに平成23年度の事業計画などをそれぞれ承認した。



扇山小5年生が農業体験活動

 すくすくと大きく育ってね――扇山小の5年生たちが好天に恵まれた5月26日、農家の畑で農業体験活動を行い、玉ネギの苗植え、ニンジンの種まき、ジャガイモの種イモを植えた。同日は最高気温が25度を超える7月並みの陽気に恵まれ、児童48人は秋の豊作に願いを込めて1時間半にわたり作付けを楽しんだ。
 この農業体験活動はふらの農協青年部が主催し、子供たちに体験活動を通して農業の大切さや大変さを知ってもらうのを目的に毎年実施している。4月には同青年部の会員が学校を訪れ、野菜についての勉強や苗の植え付け、種まきの方法などを子供たちに教えている。
 同日は午後1時40分から、西扇山の畑で体験活動が始まった。はじめに青年たちが機械を使って玉ネギの定植やジャガイモの種イモの植え付けを披露。この後、児童たちは畑の中に入って10センチほどに生育した玉ネギの苗を一本一本定植し、さらにニンジンの種まきとジャガイモの種イモを作付けした。
 この体験活動は「扇山カレンジャー」という総合的な学習で、収穫した玉ネギ、ニンジン、ジャガイモを学芸会で販売したり、富良野オムカレーの秘密を調べ「扇山小のカレー」を作る学習につなげることにしている。体験活動を行った5年生たちは「とても楽しかった。秋の収穫を楽しみにしています」と笑顔を見せていた。