2012年11月29日木曜日

現職と新人の一騎打ち 上富良野町長選告示、5日間の舌戦

 任期満了に伴う上富良野町長選挙と町議会議員補欠選挙が27日告示された。町長選には現職で2期目を目指す農業の向山富夫氏(64)=無所属=と新人で小売業の一色美秀氏(67)=同=が予定通り立候補し=届け出順=、12月2日の投票日に向け、町を二分する一騎打ちに突入した。一方、町議会議員補欠選には、いずれも新人で無所属の飲食業浜本幹郎氏(73)、無職中沢良隆氏(66)、貸家業竹山正一氏(60)=届け出順=が出馬し、1議席を巡り、5日間の熱い選挙戦を繰り広げている。同日は早朝から雪が断続的に降り、時折り強風が吹く悪天候となったが、各候補は選挙カーに乗り、新しいまちづくりに向けた政策を訴えながら、有権者に支持を訴えていた。
 向山陣営の出陣式は午前8時40分から、大町1丁目2番1号に開設した後援会事務所で行われた。当初、選挙事務所前で第一声を上げる予定だったが、前日からの悪天候のため急きょ、事務所内に変更した。
 はじめに伊藤里美後援会長が「向山候補の4年間の実績を多くの有権者に訴えてきたが、今後、4年間も町政の舵取りをしっかり行ってくれるものと確信している。今回の選挙戦は盛り上がらないと予想されており、投票率の低下が心配されている。寒い選挙戦になるが一人でも多くの有権者が投票するよう訴えていきたい」と事務所いっぱいに集まった支持者に変わらない支持を改めて訴えた。
 続いて向山候補が「これまで多くの町民から支持を受けているが、選挙戦を通してさらに拡大していきたい。4年前に町の隅々まで行き届いた行政を行いたいと訴えたが、今回の選挙でもその方針は変わらない。幸せで豊かなまちづくりに向け、私の思いを強く訴え、町民一体となって50年先、100年先に向けた基盤づくりを固め、引き続き2期目の舵取りを行いたい」などと、新しいまちづくりに向けた意気込みを語り、一層の支持を訴えた。
 向山候補の基本政策は①安心安全が実感できるまちづくり②自衛隊・駐屯地との信頼強化で共存共栄が実感できる地域づくり③活気が実感できる力強い産業の基盤づくり④思いやりと支え合いで築く温かい福祉で幸せを実感できるまちづくり⑤郷土を愛し、いきいき・のびのびとした人づくりで元気が実感できるふるさとを
 一方、一色陣営は、午前9時前から町内栄町の選挙事務所で出陣式を行った。式では、選対役員の伊藤信夫氏が「これより出陣の儀式を行います」などと、集まった多数の支持者に呼びかけ、支持者全員で必勝祈願の神事を執り行った。続いて、村上重幸後援会長が「町長選立起に至るまでには紆余曲折がありましたが、皆さんの熱意ある多大な支援などを受け、本日を迎えることができました。本日のこの悪天候は一色候補に対する試練と考え、最後まで頑張り抜いて勝利を得たい」などと改めて理解と協力、支持と支援の拡大を求めた。
 この後、一色候補は「4年前に町議会に送り出していただいたが、正直、何もできませんでした。その反省を胸に今回立起を決意しました。今、上富良野町は他の町村と比べると全てにおいて遅れを取っています。予算やお金がなければ、アイディアと努力によって町を変えていこうじゃありませんか」などと前置きした上で「これからの5日間は大変厳しい戦いになります。私は町民の皆さんに5項目のやりたいことを訴えてまいります。どうか一度チャンスを下さい。そのためには皆さん一人ひとりの力が必要です」などと力強く第一声を上げた。
 一色候補の基本政策は①上富良野高校廃校秒読み②小規模多機能型居住介護施設、認知症グループホームの施設を各地域に③ムダカット 町議会議員定員14名から10名、町長給与20%カット④上富良野道の駅「てんてんモール」⑤町ぐるみ自衛隊応援隊 災害救助復興の町



北海道社会貢献賞
観光事業功労で黒岩岳雄さん、地域医療貢献で川村五郎さん

 観光事業功労で前ふらの観光協会会長で市議会議員の黒岩岳雄さん(67)、地域医療貢献で富良野市末広町の医師川村五郎さん(77)が平成24年度北海道社会貢献賞をこのほど受賞し、能登芳昭市長に受賞の喜びを報告した。

黒岩さん 14年間、観光協会会長を務める

 黒岩さんは平成10年6月から14年間にわたり会長を務め、今年5月に退任した。黒岩さんは20年近くにわたり、同協会の役員として活躍。この間、会員拡大による財政基盤を確立するとともに、法人化に向け、協会事業の基盤強化に尽力した。特に刻一刻と変わる観光ニーズへの対応や、通年型・滞在型観光地の形成、積極的な情報発信と宣伝誘客の強化、おもてなしの向上に寄与。
 また、外国人観光客にも対応した観光地づくりに積極的に取り組み、「国際観光センター」を設置し、国と連携した事業等を積極的に展開し、顧客が満足する観光地づくりを進めるなど、地域の観光振興を通じて北海道の産業経済の発展に貢献した。
 黒岩さんは今月16日に能登市長に受賞を報告した。同市長は「富良野市の観光発展に長いこと尽力していただき、ご苦労さまでした。これからも観光振興のため、もう一度一肌脱いで下さい」と受賞を喜んだ。これに対し、黒岩さんは「皆さんの協力で長い期間会長を務めることができました。これからも少しでも地域の活性化に努めることができればと思っています」と受賞の喜びを語った。
川村さん 44年間にわたり地域医療に貢献

 川村さんは、今月11日に札幌市で開催された北海道医師会創立65周年記念式典で表彰された。
 川村さんは、昭和37年、北海道大学整形外科に入局後、同43年に社会福祉法人北海道社会事業協会富良野病院整形外科医として従事した。その後、現在地に整形外科医院を開業し、44年余にわたり、富良野地域の保健・地域医療の向上に尽力。
 その傍ら、北海道医師会救急医療対策部会会員として、道内の救急医療の充実に努め、富良野市においても16年間にわたり富良野医師会救急担当医師として、保健・医療の一層の向上を期すため、講演・指導助言など、広く住民への啓蒙普及に努めた。
 また、過疎化に伴う公共交通機関の合理化や高齢化により交通弱者が増加する中、現在では、自らが経営する整形外科医院において通院送迎車を導入・運行し、患者の利便向上に努めている。さらに、富良野西中学校、布部小中学校の学校医として32年間にわたり、児童生徒の健康管理や体位向上に積極的に取り組んでいる。
 川村さんは27日午後、市役所を訪れ、能登市長に「ひとえに皆様の推挙で受賞できたことに感謝しております。小さな一歩ですが私の足跡を残すことができ、嬉しい。これからも体の許す限り、老骨に鞭打ち地域医療の向上に努めたい」などと受賞の報告を行った。
 これに対して能登市長は「川村さんは地域医療の草分けの一人です。高齢化の中で長年にわたり学校医も務め、さらに富良野医師会でも活躍するなど、地域医療に対して幅広く尽力し、大きな貢献をしています」などと受賞を祝福した。

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