2012年8月25日土曜日

ゆり根の消費拡大を

 北海道連合百合根振興会(大広寿男会長)主催の平成24年度全道食用ゆり生産者大会が23日、ふらの農協本所会議室で、消流懇談会がニュー富良野ホテルでそれぞれ開かれた。また24日は中富良野町の圃場視察が行われ、「ママを百合根で応援プロジェクト」など消費拡大に向けた取り組みを確認した。 同大会には、ふらの百合根部会をはじめ、ようてい農協ゆり根生産組合、芦別市百合根生産組合、美瑛町農協百合根生産部会、道北なよろ百合根部会、帯広川西百合根生産組合など13生産組合の組合員計100人と札幌ホクレン青果、東京青果、名古屋青果など卸売業者、関係来賓計60人が出席した。
 はじめに主催者を代表して大広会長が「昨年の百合根の生産量は20万ケースを下回り、一つの生産物として危うい状況になっている。10人に1個しか販売していないことになる。このため昨年に引き続き『ママを百合根で応援プロジェクト』を展開し、テレビなどメディアによる宣伝を積極的に行い、消費拡大に向けた取り組みを行いたい」などと出席した組合員に対して百合根生産の現状を訴え、協力を改めて求めた。
 続いて、小野悟・北海道農政部農産振興課園芸担当課長が「百合根の生産量は北海道が98%を占めており、なくてはならない食材」などとあいさつし、百合根生産の重要性を強調した。また能登芳昭市長も「富良野では50戸の農家で作付けが行われている。百合根は高級品だが食の多様化に向け、地元でも消費できるような状況づくりが必要」などと訴えた。
 この後、議事に入り、産地、消費地情勢についての報告が行われた。それによると平成23年産食用ゆりの全道の販売対象面積は79・7ヘクタールで前年比93%の作付けだった。販売実績は19万4034ケース(1ケース5キロ)で前年比87%。24年産の商品化数量見込みは1411トンで過去に例を見ない数量となっており、面積も年々減少し、数量・面積とも減少に歯止めがかからない状況だ。
 こうしたことを踏まえ、同振興会では①生産出回数量の精度アップ②計画出荷による12月集中出荷の回避(出荷量のコントロール)③年明け出荷④品質の高位平準化―を挙げ、市場と連携した取り組みを行うことにしている。また消費拡大事業として、各市場の協力を得てテレビ、ラジオで百合根の宣伝を行うのをはじめ、ママを百合根で応援プロジェクト、北海道フェア・各種催事への参加、試食宣伝の実施などを行う。



南極観測の魅力を伝える

 第33次と第42次日本南極地域観測隊員として活躍した山川良典さん(47)が、7月24日、扇山小学校で5、6年生81人を対象に、南極での仕事の内容や生活の様子を話し、さらに南極から持ち帰った氷を児童たちに見せるなどし、南極の魅力を伝えた。
 山川さんは現在、富良野市布礼別地区で新規就農を目指して研修を受けている。南極との結びつきは大学生の時。北海道を旅行した際、富良野を訪れ、その素晴らしい自然環境に魅せられたことから南極へ行ってみたいと思うようになり、「どうしたら観測隊員になれるか」と調べた結果、大学の職員になることだと分かったという。そこで大学職員の試験を受け、採用され、観測隊員としての夢が叶った。
 山川さんは「南極での生活は500日に上る。私は専門的な技術がなかったので庶務の仕事をしていました」などと映像を通して南極での仕事や生活の様子を分かりやすく伝えた。2度目の観測隊員に選ばれたのは35歳の時。「最初に隊員になった時の同僚隊員が隊長として行くことになり、私の仕事ぶりが高く評価され、再び隊員に選ばれる幸運に恵まれた」と話した。
 そして45歳の時、3度目の観測隊員を目指したが年齢制限もあり実現しなかったという。そこで将来のことを考えた時、「自然が素晴らしい富良野でどうしても生活したいと強く思い、農業で生計を立てたい」と決断し、2年前から玉ねぎを専門とする農家で研修を受けている。
 山川さんはそうした南極への熱い思いと、富良野で生活するようになった経緯を児童たちに説明した。また「南極の氷は何万年と積もった雪が少しずつ圧雪されて固まりできたもの。水道水でできた氷とは全く異なり、近づいて耳に当てるとプチプチと音がするでしょう。この音は10万年前の南極の音です」などと話し、児童たちに南極の魅力を伝えた。

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