2012年2月13日月曜日

地域エネルギーを考える

 北海道大学サステイナビリティ学教育研究センター主催の「ふらの広域圏の地域エネルギーを考える~再生可能エネルギーと地域活性化~」をテーマとした講演会が8日午後、富良野市役所で開かれ、エネルギー関連の専門家3人が、それぞれの取り組みなど持続可能な社会づくりについて情報を提供した。
 はじめに富良野市市民環境課の関根嘉津幸課長が「富良野市における再生可能なエネルギーの取り組み」をテーマに講演。同課長は①富良野市のエネルギー消費量の比率②再生可能エネルギーの利用可能性③ごみの固形燃料化廃棄物エネルギー④白鳥川(麓郷)での小水力発電試験の取り組み―を重点に、富良野広域圏における地域エネルギーの展望を話した。
 この中で関根課長は、富良野市における再生可能なエネルギーとして、太陽光発電、風力発電、森林資源、雪氷熱などの取り組みや活用方法を紹介した後、「富良野市でごみからリサイクルしている固形燃料は年間2300トンにのぼるが、地元では全く使用されていないのが残念。この固形燃料のエネルギー量は重油に換算すると200リットルのドラム缶で6726本に相当し、富良野市内の公共施設(68か所)で賄うことができる燃料に相当する。また白鳥川で実験を行っている小水力発電は道内では初めて。エネルギーを使うのは簡単だが作るのは大変難しく、エネルギーの大事さが分かる。再生可能なエネルギーに対しては富良野市のみでなくそれぞれの地域で特色を生かしてみんなで作ることが求められる」などと力説した。
 この後、産業技術総合研究所・つくばセンターの小寺洋一主任研究員が「プラスチック資源化の技術と事業の動向」をテーマに講演。同主任研究員は「地域で発生する廃棄物をいかに集め、価値ある資源へと選別、加工、販売または有効活用することが循環型社会構築の重要なテーマ」と強調し、資源化に適した廃プラスチックの収集、高精度な選別、価値の高い資源化製品の製造の3つの切り口で、環境負荷の低減や自治体の財政支出削減の方策を専門的な立場から提起した。
 続いて同研究所・中国センター・バイオマス研究センター長の坂西欣也さんが「木質チップなどから液体(軽油)を作るBTL技術の研究開発動向と今後の展開」をテーマに話をした。同センター長は①木質バイオマスのガス化による合成ガスの製造②合成ガスからの不純物の除去③触媒反応による合成ガスからの炭化水素(液体燃料)の合成―の3つのプロセスについて分かりやすく説明し、「日本で初めての木質系バイオマスから液体燃料まで一貫して製造するBTLベンチ試験装置による実証研究を行っている」などと紹介し、日本国内外での小型・地産地消型のBTLプラント開発の展開について講演した。
 会場には再生可能なエネルギーについて取り組みを行っている行政担当者をはじめ、ペレットストーブを販売している業者や環境問題に関心を寄せている富良野市をはじめ、上富良野、中富良野、南富良野、占冠の沿線5市町村から約50人が参加し、2時間にわたり3人の講演に熱心に耳を傾けていた。
 終了後には講師との質疑応答が行われ、参加者から「農廃プラについてはどのような手法が良いのか」、「土が付いたものは処理可能なのか」、「処理コストはどのくらいになるのか」、「エネルギー収支ではどの程度になるのか」などの質問が出された。
 これに対して講師側から「ポリなら油化も可能」、「破砕の段階でほとんどが落ちてしまうので問題ない」、「小規模な場合はコスト高になるが、仮に軽油で考えた時で原料の確保を含め、市場で100円程度の販売価格を目標として研究を進めている」、「今の廃棄物収集システムを活用して原料確保をしたと仮定した場合、製造に要したエネルギー量を1とすると、製品ではその2~3倍のエネルギーが得られる計算になる」などと回答していた。



第2弾の冬のイベントも多彩に

 富良野圏域の冬のイベント第2弾がきょう11日から12日にかけて、富良野市、中富良野町、占冠村で一斉に開催され、それぞれ地域の特色を生かし雪と一体となった様々な楽しい催し物が開かれる。
 富良野市では、今年で25回目となる「やまべゆきんこまつり」があす12日、生涯学習センターを会場に開かれる。開催時間は午前10時から午後2時まで。みかんひろい、チューブカーリング、運命の○×、雪中的当て、スノーモービル・スノーラフティングなど子供向けのイベントが次々に繰り広げられる。このほか会場内ではリサイクル衣服の販売や各種売店、飲食コーナーが設営される。
 また今年で14回目の「わいわい祭り」がきょう11日午前10時から午後3時まで、中心街のすずらん通り特設会場で賑やかに開かれる。主なプログラムはラーメン早食い選手権、輪投げ大会、宝探しゲーム、しりすべり国際大会など。会場内には屋台も設営され、家族連れで楽しむまちなかイベントを演出する。
 中富良野町ではあす12日、「ウインターフェスティバル2012」が正午から午後7時まで、北星スキー場を会場に多彩に開かれる。
 第1部が正午から午後3時まで。主な催しは陸上自衛隊上富良野駐屯地音楽隊の演奏会、ママさんダンプでGO!、キックボーリング、スノーフラッグ選手権、雪中アスレチックなど。第2部は5時から「アイスキャンドル点灯式」を皮切りに、ステージでは「鼻息美人コンテスト」、ゴスペルサークル・スノーサウンズの「ゴスペルスペシャルコンサート」が開かれ、フィナーレとして、北星山の夜空を彩る花火大会。
 このほか会場内では、ふらの・びえい人になるキャンペーンの一環として、第2部で「ウインタービアガーデンinなかふらの」が開催される。
 占冠村では「キャンドルナイトinしばれるぞ占冠」がきょう11日から2日間、道の駅駐車場内で盛大に開催され、日本一の“しばれ”イベントを楽しむ。
 開催時間は2日間とも正午から8時まで。11日の主なプログラムは「○×クイズ大会」、「アイスキャンドル点灯式」、「極寒ドラム缶風呂」(12日も開催)など。6時45分からは花火大会が催される。12日は小中学生のチューブ滑り台大会が午後3時から開催される。会場内では「しばれ村」の屋台が出店し、「森のかりうど」、「楽盛会」、「観光協会」がエゾシカなど地域の食材を生かした食べ物などを販売する。

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