富良野市主催の防災講演会「災害に強い地域づくりをめざして」が11月17日、富良野文化会館で開かれた。市民50人が参加し、富良野広域連合消防本部職員の東日本大震災現地報告とまちのくらしサポートセンター代表の小林環さんの講演を通して災害に強い地域づくりを学んだ。特に講演では子供たちの防災教育の大切さが訴えられ、参加した子供を持つ母親たちが共感していた。
はじめに富良野広域連合消防本部警防課警防係長の井山真次さんと富良野消防署救急救助係主査の谷圭一さんが東日本大震災発生に伴い、3月16日から6日間、4月13日から7日間の2回にわたり富良野広域連合から派遣された緊急消防援助隊員たちの活動状況を映像を通して報告した。この中で井山さんは「テントの中はとても寒かったが、被災者のことを思うとまだましだと思った。活動地域は地盤が沈下しており不安の中で行われた。また現地の女性消防隊員が案内を務めてくれたが、この女性は津波で家が流され、家族も行方不明で非常に厳しい精神状態だった」などと想像を超えた活動状況を話した。また谷さんは「消防人として救助隊員として派遣されたいと思っていた。しかしいざ命令が下ると、無事に帰ってくることができるかなどと、どんどん不安が募ってきた」と派遣前の正直な心境を語った。
一方、講演会では北海道地域防災マスターで札幌市DIG(簡易型災害図上訓練)マスター、手稲富丘少年消防クラブ代表指導部長(札幌市)を務めている小林さんが約1時間にわたり、手稲富丘少年消防クラブの「防火ボードづくり」、「点字講習会」、「消防団訓練大会の参加」、「一泊研修」、「歳末パトロール参加」、「消火栓の除雪」、「災害図上訓練」など活動の様子を映像を通して説明し、子供の時から防災教育の大切さを訴えた。
参加した30代の女性は「非常に内容の濃い防災講演でした。防災訓練についてはまず子供の時から始めることの大切さがよく分かりました。もっと多くの人たちが防災講演を聞いてほしかったです」と防災教育の重要性を語った。