
このため山部地区の魅力を磨き上げ、体験観光として資源化する「地域魅力アップ推進事業」に取り組むことを昨年7月の役員会で決定、同時に部会を設立した。今回は体験観光に絞り、昨年9月から計6回の部会会議を開き、高橋穣二さんを委員長に準備委員会を設立し同日、設立総会を開いた。
設立総会には趣旨に賛同した16団体から約20人が出席した。はじめに高橋委員長が設立に向けた経過を説明し、「これから本格的に動き出すので盛り上げていただき、より強固な活動にしていかなければならない」などとあいさつし、まるごと体験村の設立に向けた理解と協力を求めた。
また、山部地区総合振興協議会の桝谷壽世会長が「これまでも成果を挙げてきているが、山部地区の潜在能力を発揮し、さらに活性化を図ってほしい」、さらにふらの観光協会の広瀬寛人副会長が「体験メニューには誰が計画を実行するかということがはっきり書かれていることに感心しています」などと来賓あいさつを行い、体験村への成功にそれぞれエールを送った。
この後、議事に入り規約、役員選出、平成24年度事業計画、同収支予算を議題に審議し、それぞれ原案通り承認した。役員選出では、村長に宍戸氏、副村長に島強氏、高橋氏、理事に小野寺尚武氏ら5人をそれぞれ選出した。
事業計画によると、宣伝活動として山部地区体験観光メニューのパンフレット作成と配布、ホームページの作成、管理などを行う。人材育成事業として講師を対象とした指導研修、講師養成教室をそれぞれ実施する。そのほか、共同利用施設の確保と維持管理、アンケート調査などを実施する。初年度の収支予算は170万2000円。
また、同体験村が計画している体験メニューによると、「富良野市のリサイクルを学ぼう」「環境にやさしく楽しいリサイクル人形づくり」などの環境教育をはじめ、自然散策、美術(陶芸)、文化(万華鏡づくり)、音楽体験(器楽演奏体験など)、スポーツ(パークゴルフ)、手芸(草木染め体験など)、農業体験、農産加工(そば打ち体験など)の9分類22メニューに上っている。
なお、同地区では平成21年度から農村生活体験として、高校生を中心とした修学旅行生を対象に、これまでに25戸の農家で計2836人を受け入れている。これは市内全体の74%を占めている。
ふらの移住体験モニターツアー

同ツアーは昨年に次いで2度目。富良野に一人でも多くの移住、定住を促進するのを目的に企画された。
60歳代の夫婦は「冬の体験ができる企画は大変良い。寒さを恐れて防寒グッズを用意してきたが全く不要だった。新しいシステムを導入した住宅は、室内温度が均一でとても快適だった。また宿泊先のアパートも快適で、食事も最高だった」などと感想を述べた。また「中古住宅を購入した移住者に、どのように改修したのか、費用はどのくらいかかったのかなどを聞ける交流の場が欲しかった。実際に移住してきた方の話をもっと聞く機会が欲しかった」と要望。
50歳代の男性は「宿泊施設が充実していた。フリーの日があり、各自のライフスタイルに合った行動ができた。自炊すれば良かった。また民家の除雪作業や地域のボランティア活動に参加してみたかった」などと感想を述べていた。
30歳代の男性は「今回のツアー目的は、冬・雪の富良野を体感するということだったので、天候的にも様々なバリエーションがあり、良かった。寒さや雪に対する不安はなくなった。もう少し日常生活に近い形での生活をしたかった。違う季節にも来てみたい」とツアー全体の感想を述べた。
このほか「除雪された雪が高く積まれており、道路の見通しが悪い」「移住者の話では冬の寒さは高齢になると厳しいと聞いた。車がないと不便」「観光地化している面もあり、何かとお金がかかった。市街地と郊外の差があり過ぎた」などと大変だった点も挙げた。