2013年4月16日火曜日

大きかった強風の被害

 ふらの農協は今月7日に発生した突風による農業用ハウスや倉庫などの被害状況を11日現在で取りまとめた。それによると、農業用ハウスは110戸で被害を受け、鉄骨の破損やビニールはがれが233棟で、被害金額は3480万円に上った。さらに倉庫や牛舎など倒壊した建物は85戸、109棟に上り、被害金額が2772万円にも達したという。被害が集中したのが富良野市で西部地区、山部地区以外の全域に及んだ。今回の被害により玉ねぎ、ビートなどの苗で生育の遅れが懸念されている。
 同日は発達した低気圧の影響で道内は暴風雨に見舞われ、家屋の破損が相次ぎ、国道での土砂崩れが発生するなど大きな被害をもたらした。富良野市でも道道東山富良野停車場線沿いの平沢と八幡丘に設置されている防雪棚が相次いで倒壊している。アメダスの麓郷観測地点では同日風速27メートルが観測されており、被害を受けた地域ではそれを上回る強風が瞬間的に吹いたものと推測されている。
 この強風で特に麓郷、八幡丘、富丘での被害が広範囲にわたった。市農林課の調査によると、9日現在で鉄骨破損やビニールはがれなどの被害を受けたハウスは36戸75棟。また、倉庫(D型ハウスを含む)は25戸で31棟、牛舎が5戸で5棟、サイロが1戸で1棟。



今年も林野火災ゼロを

 富良野市林野火災予消防対策協議会(会長・能登芳昭市長)の会合が12日、市役所大会議室で開かれ、平成25年度の「林野火災危険期間・無煙期間」を設定したほか、朝日ヶ丘公園など計8地域を特別警戒区域にするなど、林野火災予消防対策の重点事項を決めた。
 会合には上川総合振興局、同南部森林室富良野事務所、上川南部森林管理署、東京大学大学院附属北海道演習林、陸上自衛隊上富良野駐屯地、富良野広域連合消防本部富良野消防署など16関係機関から代表者ら35人が出席した。
 はじめに会長の能登市長が、「昨年度は士別市と上富良野町で林野火災が発生したが、富良野市では発生しなかった。今年は雪が多く春先には突風が吹き、雨が重なるなど林野火災が起きる可能性がある。また山菜採りの季節を迎えたこともあり、それぞれの機関が目的を持ち連携して予消防に取り組みたい」などとあいさつし、出席した関係機関の代表者らに円滑な連携を改めて訴えた。
 続いて上川総合振興局産業振興部林務課の濱田革課長が「昨年度道内では16件の林野火災が発生したが、その70%が4、5月に集中した。出火原因の多くはごみ焼きなど人為的なものによる。林野火災はいつ起こるか分からないため、普段から十分に対応していきたい」などと話し、協力を求めた。また、上川南部森林管理署の西川晃由署長と東京大学大学院附属北海道演習林の芝野博文林長がそれぞれの立場であいさつし、予消防体制の強化などを訴えた。
 この後、道内の昨年度林野火災の発生状況について事務局から報告された。それによると、前年より10件多い16件の出火で被害面積が8・25ヘクタール。出火件数では増えたが被害面積では減少した。
 出火原因のうち人為的な過失によるものは造林地拵えで1件、ごみ焼き6件。月別では16件のうち12件が林野火災危険期間の4月から6月にかけて発生した。過去10年間においても、ごみ焼きによるものが54件で全体の21%を占め、たばこ・マッチによるものが23件で全体の3割に上っている。しかも、全体の約8割は危険期間中に発生している。
 この後協議に入り、「林野火災危険期間」を4月1日から6月30日までと決め、4月21日から5月31日までを「林野火災予防強調期間」と「無煙期間」に設定し、各地区の森林愛護組合と連携して予防対策を講じる。
 さらに「林野火災特別警戒区域」として、朝日ヶ丘、島の下、清水山(富良野市)、北の峰、芦別岳登山口、富良野岳登山口(上川南部森林管理署)、東大演習林樹木園、布部~岩屋(東大演習林)の8地域を設定し、所管するそれぞれの機関とともに警戒体制の強化を図っていく。
 また林野火災消防対策として、①体制の強化②自衛隊に対する協力要請③林野火災消火資機材の備え付け―を重点に取り組む。

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