2012年10月16日火曜日

初めての住民参加型防災訓練

 麻町連合会(山田明会長、世帯数652戸、1157人)主催の「麻町防災訓練」が好天に恵まれた14日、富良野市、富良野消防署、富良野警察署の協力を得て実施された。住民122人、関係機関から71人が参加して、避難訓練をはじめ初期消火訓練、救出搬送訓練、食事訓練などが約3時間半にわたり行われ、防災に対応する意識を強めた。
 昨年までは富良野市が主催し、陸上自衛隊上富良野駐屯地の支援を受けるなど、大々的な防災訓練を実施してきたが、「地域の防災は地域で守る」という基本的な意識から、初めて住民参加型の防災訓練が実施された。
 同訓練は、同日午前9時、麻町地域で震度6弱の地震が発生し、火災や建物の倒壊等が発生したという災害を想定して行われた。
 同日は爽やかな秋晴れに恵まれた。この中、住民たちは非常持ち出し袋やリュックサックを背負い、第1次避難場所に指定された東麻町、西麻町、南麻町、北麻町の各公園に次々に集合。全員が揃うと各町内の責任者が点呼を取り、無事に避難しているかの確認を取った。
 この後、第2次避難場所のふれあいセンターへ集団で避難を行った。また、訓練に参加した各家庭では玄関に「避難済み」の紙を貼りだした。訓練に参加した80歳代の女性は「袋の中に弁当、ジュース、水、ティッシュペーパー、タオルなどを入れてきました」、また50歳代の男性は「こうした訓練は必要。万が一の時に役立つのでは」とそれぞれ話していた。
 ふれあいセンターでは、非常食のアルファ米など4種類の試食を行った。参加した住民は「携帯用のご飯は美味しかった。しかし炊き上がるまで20分くらいかかった。少し長く感じた」などと感想を述べていた。
 初期消火訓練は東小学校の校舎から出火したという想定で行われた。富良野消防署の職員と富良野消防団第1分団の団員計40人が参加し、放水訓練を約30分間にわたり行い、放水の角度や場所など基本的な連携放水を確認。
 最後に山田連合会長が「昨年の東日本大震災を機に防災に対する認識がより強まり、地域住民によるネットワークづくりが求められている。今回の防災訓練には住民の約1割が参加した。麻町地区はほかの市街地より高台に位置し、水害に関しては比較的安全と思われる。また火山噴火に対しても予知が可能で避難するまで余裕がある。しかし地震に関しては突然起きるので、万一に備えた訓練は必要」などと話し、地域の防災は地域で守るという意識を改めて求めた。また行政に対して「スコップなど非常時に使用する用具を保管する防災倉庫が必要」と訴えていた。
 また能登芳昭市長も参加し、「これだけ大勢の住民が参加した住民による防災訓練の成果は素晴らしい。今後もこうした形での自主的な訓練は必要。市では現在、東中学校の新しい体育館の建設を行っており、来年度には東小学校の校舎と体育館の建設を予定しているが、災害で停電となった際に対応できるように、校舎内に自家発電を行う施設を検討している」などと述べ、住民参加型の初めての訓練の成果を称え、防災に対する市としての考えを述べた。



“雲海”大人気 来場者、9万7000人超

 “雲海”を観光の目玉にしている占冠村の滞在型リゾート施設・星野リゾートトマム「雲海テラス」の今シーズンの営業は今月9日で終了したが、来場者数は9万7000人を超えた。昨年より約3万6000人の大幅増加で、開設7年目で27万人を超えており、雲海テラスの認知度は、全国、世界各国に広まっているという。
 星野リゾートトマムは、北海道のほぼ中心に位置する。ランドマークになっている「ザ・タワー」を中心に、様々なアウトドアアクティビティ、屋内型波のプール「ミナミナビーチ」、18ホールを有するリゾートゴルフ場、さらに多彩なレストランを有する北海道でも最大級のリゾートエリア。
 その中で2005年(平成17年)に、幻想的な雲海と日の出を眺望できる雲海テラスを夏観光(6月1日~10月9日)の目玉として売り出した。初年度の来場者数は1000人にも達しなかったが、2年目には1万人を超え、その後毎年順調に増え続けた。一昨年は4万5275人、昨年は6万1621人。さらに今年も来場者が昨年を大幅に上回り、9月15日時点で8万人を超えており、対前年比60%以上の大幅な増加となった。
 今シーズンの来場者数を見ると、道東自動車道開通後初めての夏を迎えたことから、道内の車での利用者数が大幅に増え、約半数が札幌近郊からだった。「高速道路の開通に伴い、トマムが近くなった」というのが利用増につながったものと、同施設では分析している。
 雲海テラスは、冬期に運行しているゲレンデのゴンドラを使用し、通常では登山をしなければ見ることのできない壮大な雲海を、山頂まで約13分の空中散歩をしながら望むことができる。日中と夜から朝にかけての気温差が大きいことから雲海が発生しやすい特有の気象条件。雲海が発生するのは、シーズンを通して約40%の高い確率という。せり出したテラスからは、気象状況によっては足もとから続く雲海を楽しむことができる。
 雲海テラスでは、前日午後3時頃、翌日の雲海発生予想確率や営業状況を音声案内していることから、確率の高い日には苫小牧などの遠方からも、多くの日帰り客が来場するという。

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