富良野地区農業共済組合(三好孝行組合長理事)は、第39回通常総代会を4月27日、富良野文化会館大会議室で開き、平成23年度業務報告書や同24年度事業計画の設定など4件について審議を行い、それぞれ原案どおり承認した。この中で平成23年度畑作物の支払共済金総額が12億円を超えた。さらに、水稲、春まき小麦など農作物の支払共済金が3億3000万円を超えており、過去最悪の損害額となった。
事業報告によると畑作物共済事業では、春先の低温、降雨などの影響で播種・移植作業が大幅に遅れた。その後は好天に伴い、生育は一時回復傾向となったものの、7月から9月にかけて3度にわたる200ミリを超える記録的な降雨を含め、断続的な降雨と高温が長期にわたり続いたため、各作物とも生育が大きく阻害され、水害、土壌湿潤害、高温障害、病害虫の発生で、過去に類のない事業開始以来の甚大な被害となった。この結果、てん菜では作付戸数の約96%で被害を生じ、支払共済金が2億7000万円を超えた。馬鈴しょ、玉ねぎも大きな被害を受け、支払共済金の総額は約12億6000万円を超え、馬鈴しょと玉ねぎの最終調査時には、更に1億円前後の追加支払いが見込まれている。
農作物共済事業では、水稲は春先の天候不順で移植作業は遅れたが、6月中旬以降高温で経過したことから生育は回復し作柄は平年を上回り、被害はわずかだった。しかし春まき小麦は播種の大幅な遅れに伴い、収穫時期がずれ込み、品質が低下した。損害評価は550戸に上り、支払共済金は3億3040万円の大きな被害。
三好組合長は総会の席上で、昭和49年の広域合併からの歩みを振り返った後、「昭和50年代の農家戸数は3700戸もあったが、現在は1518戸になった。2年続けて大きな被害が発生したため、共済加入戸数が増え、畑作物共済事業では前年実績を1400ヘクタール上回る4489ヘクタールになった。今年度も現時点で5500ヘクタールを超えている。共済継続の加入と制度への理解を」と出席した代議員に改めて共済事業への理解と協力を求めた。
なお、同組合の年度初めの組合員数は1383人。
「観光トイレ清掃」始まる 布礼別小中学校の児童生徒16人
今年も一生懸命観光トイレを清掃します―布礼別小中学校(三浦徹校長、児童生徒数18人)は4月25日、「観光トイレ集会」を開いた後、第1班の児童生徒6人が布礼別集落センターの敷地内に設置されている公衆トイレで今年初めての清掃を行った。
同校では児童生徒たちのボランティア活動の一環として、校舎近くに設置されている公衆トイレの清掃活動を4月末から10月末にかけて毎年行ってきた。昭和63年から続いており今年で25年目。集会では25年前の当時を振り返り、「どうしてトイレなんか清掃しなければならないの?」とユーモラスな寸劇を披露。この後、3グループに分かれて今年の活動目標を話し合った。この結果、第1班は「ぎんぎんなトイレにしたい」、第2班は「真面目に一生懸命にトイレ掃除をします」、第3班は「積極的に動き、清潔なトイレにします」とそれぞれ目標を発表した。
今年度は全校児童生徒数が18人と過去最少で、小学3年生以上は16人。中学生は女子生徒3人のみとなった。このため班編成は昨年の4班から3班に減らし、清掃期間も1か月早め9月末までとした。清掃活動は放課後を利用して交代で行い、夏休み期間中も実施する。
同日半年ぶりにトイレ清掃を行ったリーダーの女子中学生は「トイレを掃除している時に観光客が中に入り、用をすませた後にトイレがきれいですねとお礼を言われ、とても嬉しかったことがあります。今年も訪れる観光客に喜んでもらえるようなきれいなトイレにしたいです」と笑顔で話した。また小学生の男子はほうきで床のゴミを掃いたり、ホースで水をまき、ピカピカにしていた。
三浦校長は集会でボランティア活動の歴史を教えた後、「トイレ清掃を行うことは自分を成長させる。みんなで協力する。見返りを求めない。人に迷惑をかけない。約束を守る」などと話し、子供たちに真心でトイレ清掃を行うことの大切さを改めて訴えた。
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