2012年2月29日水曜日

醸造用ぶどう耕作組合で定期総会

 富良野市醸造用ぶどう耕作組合(天間幸博組合長、組合員27戸)の第33回定期総会が今月1日、JAふらの山部支所で開かれ、統一した栽培を実施し栽培技術の向上と平準化などを重点方策とした平成24年度事業計画を承認し、役員改選では天間組合長を再選した。
 はじめに天間組合長が「昨年は天候不順で収量が伸びず、糖度も十分に上がらないという残念な結果に終わった。ここ2、3年天候不順が続き、また木の老化が進んでいることから収量が落ちてきている。私たち組合員はふらのワインを製造する原料ぶどうを栽培しているので、今一度頑張り安定供給を図っていきたい」などとあいさつした。
 続いて能登芳昭市長が「長い歴史の中で安定した原料ぶどうを継続して提供していただいており、現在ふらのワインは30万本体制で製造している。原料ぶどうは、市の直営と組合員の作付けで確保しているがこれ以上作付けを減らすわけにはいかない。新しい苗木や補植しなければ収量が減少していくので市としてもできるだけの範囲で支援をしていきたい。少数の農家に協力を願っていることを十分理解しており、今年もぶどう栽培に精を出していただきたい」などとあいさつし、出席した組合員に改めて協力を求めた。
 この後協議に入り、平成23年度の事業報告と収支決算、同24年度の事業計画案と収支予算案をそれぞれ承認した。事業計画では①道農業試験場等の指導機関と連携し、技術的問題の究明により生産性向上を図る②組合員の懇親と栽培技術の向上及び消費拡大推進のため、栽培技術講習会とワインセミナーを実施する―など3点を重点方策として行う。
 同組合は昭和55年に設立された。以来、醸造用ぶどう耕作者の連絡協議を図り、醸造用ぶどう生産事業の振興を目的に活発に活動している。
 現在耕作者は山部地区で16戸、富良野地区で11戸。平成23年度の原料実績は全品種で約14万7000キログラム。この実績は過去7年間で最少となった。金額も約2687万円で平成17年度の約半分だった。



総合防災訓練 十勝岳噴火で大規模な泥流災害を想定

 十勝岳の噴火に伴い、融雪による泥流災害が発生したという想定で24日、十勝岳噴火総合防災訓練が上富良野、美瑛両町で大勢の住民と関係機関が参加して行われ、災害に備えた避難の連絡体制や救出救助訓練を重点に実施された。上富良野町関係分では向山富夫町長が災害対策本部長を務め、住民をはじめ自衛隊、消防、警察など11機関から計約500人が参加して、一連の訓練を1日かけて大々的に行った。
  同訓練は上川総合振興局地域災害対策連絡協議会と十勝岳火山防災会議協議会(上富良野町、美瑛町)が主催し、平成7年から両町で実施しており、今年で17回目。
 十勝岳は大正15年の大噴火以後は、昭和37年、63年に噴火し長期間にわたり活発な活動を続けている。現在は小康状態を保っているが噴火活動は30年周期と言われ、長期にわたって活発な火山活動が予想されていることから、総合訓練に参加した住民をはじめ、訓練の主力となった陸上自衛隊第4特科群、富良野広域連合消防本部、上富良野町役場などの関係機関の担当者たちは「十勝岳もいつ噴火してもおかしくない」と、これまで以上に危機感を持って臨んでいた。
 訓練は前日、上川総合振興局内で自衛隊災害派遣の準備要求や十勝岳噴火情報連絡部員の会議訓練から始まった。今年の訓練は昨年に続いて陸上自衛隊の協力による野外用指揮システムの運用、警察の災害現場活動用映像伝達装置による救助救出訓練の中継、さらに防災情報共有システムによる各種会議の中継を行い、美瑛町をはじめ関係機関が共有できる体制を図った。
 24日の上富良野町関係分では、午前8時45分に災害対策本部が上富良野消防署2階に設置され、向山町長を本部長に、11機関の担当者が配置された。この後、自衛隊のヘリコプターによる十勝岳上空の偵察をはじめ、防災行政無線での自主避難、避難準備の呼びかけを行い、午後2時過ぎに、日新、草分など11地域の200人を超える住民が草分防災センターなど13か所の避難所に避難した。さらに自衛隊車両で2次避難所の西小学校へ男女6人の避難者を輸送した。
 また島津球場のグラウンドでは、融雪による泥流で被害を受けたという想定で訓練が行われ、自衛隊員、警察官、消防職員が連携して倒壊した家屋の中の負傷者や、雪の下に埋まった乗用車を発見し負傷者を救出した。さらにゾンデ棒を使用して雪の中に埋まっている行方不明者を捜索するなど約2時間にわたり緊張感に包まれた中で行われた。
 この訓練の中で災害救助犬も札幌から出動し、雪崩で生き埋めになった負傷者を探す訓練も行われた。また道北ドクターヘリも出動し、旭川の病院に負傷者を輸送する訓練も合わせて行われた。

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