市議会定例会最終本会議 風しん予防接種に一部助成
富良野市定例会の最終本会議が21日開かれ、総額2億7012万4000円の一般会計補正予算案など12件と議会側提出の意見案4件をそれぞれ原案どおり可決し閉会した。補正予算案の中で大人の風しん予防接種費用の一部助成が可決され、7月1日から実施される。
対象者は年度内に満20歳から49歳までの女性と妊娠している女性の夫(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む)。助成額は麻しん風しん混合ワクチンが4200円、風しん単独ワクチンが2600円。助成期間は7月1日~来年3月31日まで。対象者のうち平成25年4月1日以降すでに風しんの予防接種を受けた人に対しては助成額を償還する。計上した予算額は239万4000円。
このほかの主な補正予算は、市内2か所で建設中のグループホームに対しての地域密着型サービス拠点等施設整備費補助金に7560万円、西達布つつじ地区テレビ協同組合に助成する自主共聴施設デジタル整備事業費補助金に3614万9000円、特別養護老人ホーム北の峯ハイツ居住費助成金に572万7000円、市制施行50周年(平成28年)史編さん事業費に211万5000円、公衆浴場確保対策事業費送迎車運転委託料に121万3000円。同事業費は西麻町にある公衆浴場「福乃湯」が9月末で廃業するのに伴い、予算化した。市は今年度公衆浴場確保対策事業補助金として119万円を計上していたが、全額減額した。
なお、可決された補正予算に伴い、一般会計歳入歳出予算の総額がそれぞれ114億7293万8000円となった。
富良野山部産のミネラル肥料 販売実績、着実に拡大 ノザワ
株式会社ノザワ(野澤俊也取締役社長、本社・神戸市)は、フラノ事業所(山下喜世次事業部長兼所長)=富良野市山部東町4番地=でかつて建材の原料として使っていた蛇紋岩(温石綿精製鉱さい)からミネラル肥料の精製を東京農業大学と共同開発し、平成22年度から地元富良野圏域をはじめ、道内、全国で販売を展開している。昨年度は前年度の2倍以上の実績を挙げ、着実に販売を拡大している。今年度の販売数量計画は2400トン以上を目指しており、今月12日、野澤社長(50)と幹部職員ら3人が能登芳昭市長を表敬訪問し、昨年度の販売実績と今後の販売計画などを報告した。
同社は長年にわたり建材開発にかかる無機材料の改質技術を応用し、農作物の病虫害に対する耐性を高め、光合成の増進や養分吸収を促進させて、美味しさと品質をより向上させる農業用肥料の開発研究を東京農業大学と共同で行ってきた。
その結果、4年前、富良野市山部産のミネラル肥料を開発することに成功し、4種類のミネラル肥料「マインマグシリーズ」を富良野圏域をはじめ、道内、道外で販売している。
「マインマグ」は、ケイ酸と作物の光合成に不可欠な苦土(マグネシウム)を主成分としている。特にケイ酸は従来の同種の肥料に比べて2倍以上水に溶け、作物への吸収が増えることから、病虫害に対する耐性を高め、病気に強い作物づくりに有効で、JAS有機適合資材。
また、苦土やケイ酸は昨今課題となっている土壌の改善や農薬の使用削減にも役立ち、これからの時代に求められる環境保全型農業に対応した肥料としても関心が集まっている。
同社は平成14年に国の補助金を受けて石綿無害化技術を確立し、温石綿の消失(ゼロ化)とともに、生体影響も含めた安全性を確認し、国の許可を得た上で肥料の生産を開始している。フラノ事業所にある製造ラインを増設してミネラル肥料を製造しているが、昨年度、倉庫を新設し、さらに事務所を改築、肥料生産の設備投資を行った。このため月産生産能力が96トンから200トンと飛躍的に伸びた。
この設備投資によってフラノ事業所に販売、生産の機能集約を図り、事業部の拠点化を目指す。新規顧客の開拓を図るため、フラノ事業所の従業員数は前年度の5人から9人に増員している。これによって平成25年度の販売計画を2400トンを超す量産体制を目指す。
初年度の販売実績は富良野圏域を中心に146トンだったが、昨年度は933トンを販売し、前年度の2倍となる実績を挙げた。特に水稲では460トンと全体の半数を占めている。このほか、野菜が220トン、麦が156トン、茶が63トン、果樹17トン、その他17トン。
野澤社長はこれまでの販売実績を能登市長に説明し、「水稲への利用が大幅に増え、順調に販路を拡大している。今年度は2400トンの販売を目指したい」などと報告した。
報告を受けた能登市長は「販売量が倍々で増えているのは凄いです」などと話し、富良野の新しい産業の飛躍発展に一層の期待を寄せた。
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