2013年3月28日木曜日

富良野圏域医療・介護連携検討会議を設立

 富良野圏域における医療と介護の連携を図る管内統一の仕組みづくりを協議するため昨年11月、「富良野圏域医療・介護連携検討会議」(羽根田俊会長)が設立されているが、その第1回目の「医療と介護の連携研修会」が2月28日夜、ホテルナトゥールヴァルト富良野で開かれた。富良野圏域5市町村の関係者約100人が参加し、事業説明、講演などを通して情報交換を行い、平成25年度内に「連携ルール・ツール(たたき台)」を作成することを確認した。
 同検討会議は、医療の必要性が高い要介護者などに対する、医療・介護サービスが継続・一体的に提供できる地域における仕組みづくりを目的に設置された。同会議には調査・検討部会と研修・ネットワーク部会を設置し、基礎調査の実施、連携ルール・ツール(案)の作成、研修会の開催、関係機関窓口リスト・資源マップの作成などを行う。
 連携研修会は富良野地域リハビリテーション推進会議が主催して開かれ、医療機関、地域包括支援センターをはじめ、社会福祉協議会、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、居宅サービス事業者、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、グループホーム、軽費老人ホームなどの関係者が一堂に会した。
 はじめに主催者を代表して羽根田会長が「医療と介護の連携は重要な問題になってきている」などとあいさつし、同連携検討会議が果たさなければならない役割について理解と協力を求めた。続いて富良野地域リハビリテーション推進会議事務局長の中山良人さんが、平成16年から取り組んでいる経過と平成24年度から3か年計画で実施する医療連携推進事業(医療と介護の連携事業)の内容について概要を説明した。
 この後、ちとせの介護医療連携の会事務局長の及川進さんが「医療と介護の連携を考える~ちとせの介護医療連携の会の取り組み」をテーマに講演を行った。及川さんは講演の中で、地域連携を推進する3つの視点や千歳市の高齢化率、介護医療連携の会の活動などを詳しく説明した後、「地域連携の課題は地域に連携を推進する組織・団体があり、機能することが必要であると認識している。個別の課題や大小の課題に対して、地域がどれだけ対応できるかだと思う。足りないサービスを地域全体でどのように補うか。顔の見える地域連携の推進、継続することが地域の課題であると考えています」と訴えた。



フッ化物でうがいの励行

 富良野市は保育所年長組(5歳児)から小学校、中学校の全児童生徒を対象に、フッ化物による「うがい」の導入を図り、むし歯予防対策を本格的に実施する。今月5日には中央、麻町、山部、東山、あおぞら保育所(麓郷)の5歳児計48人がうがいを行った。フッ化物によるうがいの全市的な取り組みは道内(179市町村)では初めての試みという。
 このフッ化物によるうがいの導入は、国が策定した「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」において、80歳で20本以上の歯を保持する「8020(ハチマルニイマル)」運動の一環。北海道では平成21年6月に制定し、24年度までに道内の全市町村で普及に向けた取り組みが行われており、昨年12月の時点では126市町村で実施している。
 富良野市の学校保健統計調査によると、12歳児の平均むし歯数は平成23年度で1・18本。全国平均の1・20本とほぼ同じだが、年次による変動もあり、むし歯を持つ子と持たない子の二極化が想定され、健康格差の解消が求められている。
 このため富良野市では次代を担う子供たちの歯の健康づくりに向け、乳歯から永久歯への生え換わり時期となる幼児期から中学生までを対象に、集団によるむし歯予防対策として、フッ化物によるうがいの導入に踏み切った。導入する施設は中央保育所など5か所の市立保育所、小学校9校、中学校7校。市立保育所は5歳児、小中学校は全児童生徒(昨年5月時点で小学校が1275人、中学校が702人)を対象に実施する。
 フッ化物の導入にあたっては、保護者説明会を2月中旬に5会場で開き、「希望する」「希望しません」の意向調査を行った。11日からは小学校でも開始した。5歳児で5cc、児童生徒で10ccの量を1分間のうがいを行う。保育所では週2回、小中学校では週1回、フッ化物によるうがいを毎週実施し、むし歯予防対策を行う。
 市保健福祉部保健医療課では「昨年12月時点では、まだフッ化物によるうがいを実施していない市町村もあり、全市的に取り組むのは道内で初めてだと思います。子供たちの歯の健康づくりに向け、積極的に予防対策を推進していきたい」と話している。

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