能登芳昭富良野市長は15日開かれた議員協議会で国営土地改良事業「東郷地区及びふらの地区」の事業概要と経過について説明し、東郷ダムの計画変更に対し、「本市として国に対し、今後も地元の声をしっかりと受け止めていただき、維持管理費の軽減や緊急事態への対応など、事業推進にあたっては、地域の振興に最大限の配慮をお願いし、今回の対策案について同意する考え」などと述べた。また、北海道開発局旭川開発建設部富良野地域農業開発事業所の担当者が東郷ダム(ふらの地区)の計画変更の概要について説明し、「平成26年から改修工事を開始し、同29年に試験湛水を行い、同30年から計画用水量の取水を開始する」と述べた。
国営土地改良事業「東郷地区」は、水利権のなかった東山・麓郷などの畑地帯において、干ばつの影響を最小限に抑え、適期に散水するための安定的な農業用水の確保を熱望する地元の要請により、北海道開発局が事業主体となって、昭和47年、事業に着手して以来、3回にわたり事業計画を変更し、平成13年度に工事を終了した。しかし、平成5~6年と9年に試験湛水を行ったが、想定を超える漏水があり、東郷ダムの供用開始には至らなかった。
このため、同ダムを改修する事業計画として平成14年度に総事業費79億円で着手された後、17年度にはアスファルト表面遮水壁工法によるダム改修の計画変更に向けて協議が行われた。しかし、その後も国において計画変更がされない状況のまま経過した。その後、平成21年12月に、農林水産省が公表した農業用ダムの総点検において、東郷ダムは「技術的に問題があるダム」に位置付けられ「かんがい用水確保のための改修や、それ以外の方法について関係機関と調整を開始する」との国の対応方針が示された。また、会計検査院から「可能な限り経済的で効果的なかんがい用水の水源確保の方法を選定して事業効果の早期発現を図るよう」にとの意見表示が行われた。
この間、農林水産省において検討が進められた結果、平成23年12月に「水利再編とダムの一部利用」という国の対策案が北海道と富良野市をはじめとする関係団体に示された。
富良野市では、安定的な農業用水の確保の観点から、国の対策案について一定の評価をするものの、将来にわたる財政負担などについて大きな課題が残っていることから、①ダムの低位利用に伴う市費負担②国の対策案に基づく改修費③水利再編による水利権確保の確実性④ダム完成後の維持管理の問題―を挙げ、昨年5月、②と④について国に要請を行った。
また、昨年11月、高橋はるみ知事が来富し、富良野市、中富良野町、富良野土地改良区、ふらの農業協同組合の地元関係者との意見交換が行われた。その中で高橋知事は「農業用水の必要性について十分把握しており、専門的なことについて有識者検討会を設置して、北海道としての判断をしていきたい」などと述べた。
なお、同事業は昭和47年度に着工、40年が経過。東郷ダム(ふらの地区)の計画変更概要は受益面積が2713ヘクタール、受益戸数が248戸、事業費が93億円、有効貯水量18万立法メートル。現計画との対比では、受益者数が113戸減り、事業費が14億円増え、有効貯水量が412万立法メートル減少し、有効貯水量は当初計画のわずか4%足らず。
高校選抜スキー、閉幕
今野有哉、荒井美桜両選手(緑峰高)大回転、回転とも入賞
富良野で9度目のスキー甲子園、閉幕―第25回全国高等学校選抜スキー大会(アルペン)は17日の回転で全日程を終えた。同大会には33都道府県の129校から1、2年生男女計257人が出場し、15日のスーパー大回転を皮切りに、富良野スキー場富良野ゾーン・スピースコースで開催され、全国の若き精鋭たちが一堂に会し、今シーズンの最終戦となるビッグ競技で実力を競い合った。地元期待の富良野緑峰高校2年の今野有哉選手と同1年の荒井美桜選手は大回転と回転でそれぞれ入賞する健闘を見せた。
15日のスーパー大回転には男子113人、女子89人がそれぞれエントリー。男子の部は全長2052メートル、標高差550メートルのコースで行われた。この結果、男子の部で双葉高2年の中村舜選手が1分29秒83のタイムで優勝。地元期待の今野選手は25位、タイムは1分32秒44だった。女子の部は全長2044メートル、標高差600メートルのコースで行われた。優勝したのは北照高1年の安藤麻選手でタイムは1分29秒13。荒井選手は1分36秒06で15位だった。
大回転は16日、男女とも標高スタート795メートル、フィニッシュ545メートル、標高差250メートルのコースで行われた。
男子の部にエントリーした選手は124人。この結果、飯山高2年(長野)の池田圭輔選手が合計タイム1分42秒64で優勝。今野選手は1本目50秒58、2本目53秒07、合計1分43秒65のタイムで7位に入賞する健闘を見せた。
女子の部には113人がエントリー。優勝したのはスーパー大回転に続き北照高1年の安藤選手で合計タイムは1分34秒53。荒井選手は合計タイム1分37秒10で8位に入賞した。
最終日の回転は男女とも標高スタート725メートル、フィニッシュ654メートル、標高差180メートルのコースで行われた。
男子の部に124人がエントリー。優勝したのは双葉高2年の中村選手。合計タイムは1分41秒73。今野選手は合計タイム1分43秒で5位に入賞した。
女子の部に111人がエントリー。優勝したのはスーパー大回転、大回転に続き安藤選手で見事3冠を達成した。合計タイムは1分51秒70。荒井選手は合計タイム1分57秒で7位に入賞した。
なお、総合順位では今野選手が9位、荒井選手が12位。
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