飲食店経営者、農業者が情報交換
「富良野産の魅力を引き出す食材セミナー」が10日、富良野市総合保健センターで開かれ、飲食店経営者や農業者などが参加して、富良野の豊かな農産物を活用した加工品や食材について試食を行いながら、情報交換を行った。
ふらのグリーンフラッグ制度、富良野物産協会(宮田均理事長)の共催で、昨年に続き2回目の開催。参加したのは市内の飲食店、民宿、ホテル、宿泊施設、農業者、農産加工団体などの経営者や代表者ら25人。はじめに上川農業改良普及センター富良野支所専門普及指導員の今井望さんが「富良野産食材の特徴について」をテーマに講演。今井指導員は、富良野市で栽培されているコメ、スイカ、メロン、人参や馬鈴しょの料理別適品種、玉ねぎ、かぼちゃなどの出荷時期や特性についてそれぞれ説明した。
この後、秋に収穫された馬鈴しょ(男爵、キタアカリ、メークイン、とうや)、玉ねぎ(北もみじ、ふら皇、オホーツク、アーリーレッド)、かぼちゃ(雪化粧、くりゆたか)をはじめ、農業者が加工したハスカップのケーキやジャム、果実酢、大根など4種類の漬け物の展示と試食が行われた。
この中で45年間にわたり南布礼別でハスカップを栽培している小澤裕治さん(76)は「私はハスカップのみの栽培。30年、40年にわたり京都、大阪、奈良などに出荷を続けている。こだわりの生産で一生付き合うことができる安定した経営を行っている」などと話し、富良野産の魅力を強調した。
また、意見交換の中では飲食店経営者から「富良野の野菜が安心安全と強調するだけでは富良野産の魅力を引き出すことはできない。何が魅力なのかを売りにできる食材を提供してほしい」などと訴えた。これに対し30歳代の男性農業者は「私はトマト栽培で『桃太郎』ではなく、『麗夏』の品種にこだわり、それを売りに出荷している」と話し、他農業者にはない農業経営に力を入れている。
同セミナーの開催に協力した富良野市経済部農林課では「富良野は70品目以上の野菜が採れる野菜王国で、ワインやチーズなどの食品加工が盛んだが、富良野産の魅力をもっと引き出すために、定期的にこうしたセミナーを開き、農業者と飲食店経営者がさらに具体的な取り組みなどの情報交換を行っていきたい」との方針だ。
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