2011年5月12日木曜日

春の全国交通安全運動始まる

 子供と高齢者の交通事故防止―などを運動の重点とした、「春の全国交通安全運動」が11日からスタートした。10日午後、富良野警察署(久保義則署長)で同運動の出動式が行われ、自治体、交通安全関係機関の代表者など署員併せて約30人が交通事故撲滅に向けて気持ちを引き締めた。
 同運動は今月20日まで10日間実施され、「子どもと高齢者の交通事故防止」を最重点に、「自転車乗用中の交通事故防止」、「スピードの出し過ぎ防止」、「全ての座席のシートベルト、チャイルドシートの正しい着用」、「飲酒運転の根絶」の5項目を、交通安全協会や自治体、民間団体と連携して啓発啓蒙を展開する。
 初日の11日は全道統一行動日として「セーフティーコール」が実施された。また5月20日は「交通事故死ゼロを目指す日」に定めて運動を展開する。
 同日の出動式には能登芳昭市長をはじめ沿線自治体、交通安全協会などの関係者や交通課、地域課、交番、駐在所の署員が参加した。はじめに森谷昭英交通課長が「10日間にわたり春の全国交通安全運動の任務に就きます」と署長に申告。
 これに対して久保署長が「昨年の北海道は前年より交通事故死亡者数が3人減少したものの、6年ぶりに東京都と共に全国ワーストワンとなる215人の交通犠牲者を出した。当署管内においても発生件数、死者数、負傷者数は減少させたものの、11月20日に1人の死亡交通事故が発生した」と前置きをした後、「今日まで死亡事故の発生はないものの、人身交通事故の発生、負傷者数とも増加している。本年は交通死亡事故ゼロを目指し、春の交通安全運動を機に地域の方々と共に、署員一人ひとりにも奮闘していただきたい」と指示した。
 続いて能登芳昭市長が整列した署員に労をねぎらった後、「少なくともこの管内から一人の死亡者も出ないよう、行政としても各団体、地域住民と連携して1件でも交通事故が減るように啓発を行っていきたい」などと述べた。この後、8台のパトカーが次々に駐車場から国道38号線へ出動した。
 なお、富良野署管内の1~4月の人身交通事故は17件の発生で前年より3件増え、傷者も23人で同じく4人多い。物損事故は404件の発生で前年より26件減った。
 また、交通事故死ゼロ日数では南富良野町の1818日が最長。続いて占冠村の1530日、中富良野町の1065日、上富良野町の501日、富良野市の161日。



被災者を支援 ふらの災害支援隊が岩手県大槌町で

 3月11日に発生した東日本大震災は11日で2ヵ月が過ぎた。これまで全国、世界規模で義援金をはじめ被災者への支援が様々な形で展開されているが、富良野市からも富良野青年会議所の有志を中心に「ふらの災害支援隊」が編成され、4月30日と5月1日の2日間、岩手県大槌町でカレーライスと焼きそばの炊き出し支援を行い、復興に向けて頑張っている被災者から喜ばれ、感謝された。
 同支援隊は、富良野青年会議所のメンバーで富桑工業株式会社常務取締役の佐々木雅人さん(40)を隊長に11人で編成された。佐々木さんは「富良野地方も十勝岳の噴火など、いつ大きな自然災害に遭うかも分からない。未曾有の大震災で大きな被害を受けた東北の被災者を支援しようと、各事業所や市民に支援隊の編成を呼びかけたところ、協力者のほかにも物品の無償提供や支援金が次々に寄せられた」と話す。
 同支援隊は副隊長の水間健太・ふらの自動車株式会社専務取締役、隊員の佐藤猛・株式会社マルササトウ建設専務取締役、菊田和雄・株式会社菊田建設専務取締役、小林英樹・ホテルナトゥールヴァルト富良野代表取締役、橋本誠二・ふらのの台所なんまらオーナー、佐藤隆一・ペンション星に願いをオーナー、上井俊尋・ふらの観光協会職員、主婦の小野塚節子さん、ホテルナトゥールヴァルト富良野の小林ゆりえさん、富良野英数学館の時澤知行さん。
 同支援隊は4月28日夕、2トントラック2台、ワゴン車1台で出発した。函館からフェリーに乗り込み青森を経由し、下見班は休みなく大槌町までの約320キロの道のりを急いだ。
 水間副隊長は「途中はサクラが満開で、高齢者が畑で仕事をしており、大震災があったのがウソのようなのどかな光景でした。しかし沿岸部に入ると見渡す限りがれきの山で、今まで感じたことのない衝撃にかられました」と話す。
 30日は大槌町桜木町の保健福祉会館で橋本さんが料理長となり、午前8時から炊き出しの準備を開始した。11時半からカレーライス500食、焼きそば150食の提供を行った。計画では2時間かけて提供する予定だったというが、家屋の倒壊を免れた住民が次々に集まり40分ほどで完食したという。
 2日目は中央公民館でカレーライス350食、焼きそば250食を提供した。同公民館は津波で家を失い、中には家族を失った大勢の住民が避難していた。朝、炊き出しの準備をしている時に、避難所の子供が焼きそばの具材として使う玉ネギの皮むきを手伝ったという。その子供は「こんな楽しいことは久しぶりにやった」と話し、また「これからおじいちゃんを探しに行く」と笑顔で答える女性もおり、隊員たちは避難所生活の大変さ、辛さを痛感したという。
 このほか両会場では富良野市民から支援を受けたトマト500個とお菓子も配った。
 2日間の炊き出し支援を通して同隊では「被災地で本当に必要なものは何なのか、少し見えたような気がします。確かに支援物資、義援金は必要なのかもしれません。しかしそれらは、すぐには被災者に届きません。本当に必要なのは、被災者に直接届くサービスなのだと思いました。直接現場へ行くことはお金も時間もかかり、誰にでもできることではありませんが、今回の支援も多くの方々の支援協力のおかげで行うことができました。支援の輪を拡げ、被災者へサービスが直接届く環境をつくっていくことが必要なのだと確信しました」と話している。

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