任期満了に伴う南富良野町長選挙が17日告示され、新人で元町議会議員の川村勝彦氏(55)(無所属)と現職で4選を目指す池部彰氏(62)(同)が立候補の届け出を行い、22日の投票に向けて12年ぶりにまちを2分する一騎打ちの激しい選挙戦に突入した。
川村候補は午前9時、幾寅診療所前の後援会事務所横で大勢の支持者や有権者を前に力強く第一声を上げた。同候補は「手をつなぎ明日へ そして未来」をキャッチフレーズに、「みんなで創ろう 住民協働の町づくり 町政を変える、町民が力」を政策推進テーマに、「学習塾の創設」や「あんしん生活条例の制定」など①子育て支援②福祉の充実③農商工の連携④地域の活性化―を重点マニフェストに掲げて5日間にわたり有権者に訴えていく。同候補は団体など特定の支持を受けず、草の根選挙で集票作戦を展開する。
一方、池部候補は午前8時40分過ぎ、国道沿いの後援会事務所内で出陣式を行った後、役場庁舎前で第一声を上げた。「平成12年に初当選して以来、今日まで3期12年間『町民参加のまちづくり』『行動する行政』を基本姿勢に掲げ、実現に向け全身全霊を傾けまちづくりに努めてきた」と3期12年間の実績を強調した後、「児童生徒の給食費無料化と給食センターの改築」や「森林、林業マスタープランによる民有林の振興、林業担い手の支援」「金山・下金山地区に高齢者向けの居住交流施設を建設する」などの公約を掲げ、林業の振興、子育てと教育の支援、地域福祉の充実、第5次総合計画の策定など4期目に向けた7つの政策テーマを約40分間にわたり演説し、「小さな町の大きな挑戦」を全面に出して大勢の支持者や有権者に訴えた。
同日は前日の好天とうって変わり早朝の気温が氷点下まで冷え込み、昼ごろから雨天になった。この中、両候補は選対車に乗り、ドライバーや通行人に手を振り支持を訴え、さらに時々車から降りて有権者と握手するなど町内一円で熱い選挙戦を繰り広げていた。
一方、有権者は12年ぶりの現職と新人の一騎打ちに強い関心を示している。現職候補に対しては、道庁や中央官庁との太いパイプを持っていることに期待をしている。新人候補に対しては、町政の転換期にきており、加えて人口減少が進んでいるため、まちづくりの活性化と再生に期待を寄せている。
川村候補は町議会議員の5期目の途中の3月27日に辞職願いを提出、今月8日付で辞職し、町長選挙に立候補し選挙戦に臨んだ。
池部候補は昨年12月に4選に向けて立起表明。同氏は平成12年の選挙に出馬し初当選。その後2回の選挙戦では対立候補が出馬しなかったため無投票当選を果たした。
投票は22日午前7時から行われ、即日開票される。投票所は役場など5か所に設けられ、役場以外の投票時間は1時間繰り上げられる。また期日前投票が18日午前8時半から始まり、21日まで役場庁舎内で受け付ける。
なお、16日現在の選挙人定時登録者は2405人(男1178人、女1227人)。
今年度も無火災を 6月30日まで林野火災危険期間
富良野市林野火災予消防対策協議会(会長・能登芳昭市長)の会合が16日、保健センター会議室で開かれ、平成24年度の「林野火災危険期間・無煙期間」を設定したほか、朝日ヶ丘公園など計8地域を特別警戒区域にするなど、林野火災予消防対策の重点事項を決めた。
会合には上川総合振興局、同南部森林室富良野事務所、上川南部森林管理署、東京大学大学院北海道演習林、陸上自衛隊上富良野駐屯地、富良野広域連合消防本部富良野消防署など17関係機関から代表者ら30人余りが出席した。はじめに会長の能登市長が、「富良野地方は美しい森林、山岳に恵まれている。それだけに山火事は絶対に起こしてはならない」などとあいさつし、林野火災の予消防に向けて出席した関係機関の代表者らに円滑な連携を改めて訴えた。
続いて、上川総合振興局産業振興部林務課の小田島俊二主幹が「林野火災の危険な時期を迎えた。今年もゼロを目指したい。上川管内では平成18年以来、林野火災は1件も発生しておらず、富良野市では過去10年間にわたって無火災。一人ひとりが気をつければ未然に防止できる」などと話し、協力を求めた。
さらに上川南部森林管理署の西川晃由署長は「かつて本州で林野火災を体験したことがある。一旦発生すると大変な事態に陥る。到底人力だけで火を消すことはできない。林野火災の原因には不明な点が多いがたばこの不始末が大きな要因になっている。この地域では絶対に林野火災を起こしてはいけないので皆さんの協力をお願いします」などと予防体制の強化を改めて強調した。
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