2013年9月2日月曜日

10年前の自分へのメッセージ届けます

 果たして10年経った現在の自分の姿は?―富良野市は30日、平成15年(2003年)9月に実施した富良野市開庁100周年記念事業「10年後のわたしに送るメッセージ」の発送セレモニーを、富良野郵便局で行い、能登芳昭市長が土橋眞二・富良野郵便局長に116通の封書を手渡した。
 10年前の9月1日、富良野市開庁100周年記念式典が行われた。その記念事業の一環として同年8月16日、富良野小学校グラウンドで開催された「100年収穫祭」の一角にコーナーを設け、市民をはじめ来場者から同メッセージを募った。
 寄せられたメッセージは116通に上った。このうち市民が72人。また、たまたまイベント会場を訪れた観光客も参加し、遠くは佐賀県からも。メッセージには2003年当時の写真と、10年後(2013年)の自分や知人に宛てたメッセージが書かれている。
 自分へのメッセージを寄せた中には高齢者もおり、すでに亡くなった人もいる。また、当時小中学生だった子供たちはすでに結婚したり社会人になっている。40代の公務員(市役所職員)は、自分へのメッセージを書いたことを忘れていたという。メッセージには「元気か、結婚したか、痩せたか。今の自分が大好き」と書いた。このメッセージ通り、結婚し、健康に恵まれ、体重もトレイルランに参加するほど体をしぼりこんでいる。
 同局では、1日約1000通のハガキや封書を取り扱っている。土橋・富良野郵便局長は「結婚して名前が変わっていたり、転居届け出が出された場合、すぐに配達できるかどうか分からないが、1年間は宛て先の住所を探します。自分への手紙を受け取った人からいい反応があればいいですね」と期待した。能登市長も「10年経ったので忘れている人もいると思うが、自分へのメッセージが届けば嬉しいと思います。一人でも多くの参加者に届くように」と願っていた。



侵入者が一番嫌がる環境づくりを

 富良野警察署は28日、「実践型防犯教室」を中富良野町農村環境改善センターで実施し、専門講師による一般住宅の侵入手口と防犯対策、さらにガラス破壊試験の実演と体験を通し参加した住民(約30人)に防犯意識の高揚を図った。
 同教室は、「北海道犯罪のない安全で安心な地域づくり条例」の関連事業として2年ごとに、地域安全活動推進委員や地域住民を対象に開かれている。はじめに進栄ロックサービス株式会社の防犯設備士・高橋佳嗣さんが、昨年1年間道内で発生した侵入盗の手口と防止対策について説明した。
 高橋さんは「侵入盗では6割が一戸建て住宅と共同住宅で発生している。1日あたり11件、2時間に1件の発生。被害に遭った住宅で1番多いのが鍵をかけていない無施錠」と説明した。安全意識の低さを指摘し、「防犯に対する知識を持ち、常に侵入者に狙われているという危機意識を持つことが大事」と訴えた。
 また、講演の中で模型住宅を使った侵入手口と不正解除の手口の解説を行い、侵入盗で玄関ドアや窓の鍵を外すピッキングの道具の説明やドアの真横にドリルで小さな穴を開けて、特殊な工具を使って鍵を開けるサムターン回しの手口の実演も行った。
 さらに参加者を対象にしたガラス破壊試験の実演と体験も実施した。参加者は防護用メガネをつけ、手袋をはめて、ハンマーで3ミリの板ガラス、6ミリの網入りガラス、そして防犯ガラスの3種類のガラスを割る体験を行った。板ガラスと網入りガラスは一撃で簡単に破ることができた。しかし、防犯ガラスは何度打ち続けても破ることができず、見物していた参加者たちは防犯ガラスの強度に改めて驚いていた。
 高橋さんは最後に防犯設備の効果的なポイントとして「侵入盗は5分以上かかると7割が諦めると言われている。侵入者が一番嫌がるのは、時間、光、音、映像の4つ。防犯ガラスをつけるには高額な費用がかかるが、犯罪者を寄せ付けない環境づくりが大切。ドアにガードプレート、二重ロック、カメラ付きインターフォン、ピッキングに強い鍵をつけるのをはじめ、短時間の外出でも必ず鍵をかける、家にいても施錠する、死角を減らす、家の周りに足場になる物を置かない」などと侵入盗防止のポイントを説明した。
 また、富良野警察署生活安全課の担当署員が「今年に入ってから管内の犯罪件数は90件余り。他管内から比べると犯罪件数は少なく平和な地域。それだけに住民の防犯意識が低いのが実態。いつどこでも起きるのが犯罪。無施錠だと思わぬ凶悪事件に遭遇することもありますので、常に防犯意識を持って下さい」などと訴えた。
 受講した70代の女性は「玄関ドアや窓ガラスの鍵には二重にロックをしていません。色々説明を聞いてとても参考になりました。これから外出する際には短時間でも鍵をかけるようにしますが、家族全員で励行するには大変かもしれない」と感想を述べていた。